高級システムヘルメットの代表格として知られるNEOTEC(ネオテック)シリーズ。ツーリングでの快適性を追求し、静粛性を高めるために数々の新技術を満載している。最新作「3」の実力をチェックしてみた!
目次
最高峰システムメット、静粛性を高める装備が随所に
フェイスガードをオープンできるシステムヘルメットのカテゴリーにおいて、SHOEIのネオテックは最高峰モデルの一つとして有名だ。2012年に初代のネオテックがデビューし、2018年に「2」へ進化。そして2023年12月に「ネオテック3」が登場した。
内蔵バイザーをはじめ、強固なロック機構、専用インカムを内蔵できるSHOEI COMLINKを採用。さらに帽体やシールド、内装には静穏性を高める仕組みが満載されている。
まず外観がスマート。各パーツが滑らかにつながり、密閉性を高めている。特にシールドは上端が折れ曲がって帽体にフィットする独特なデザインだ。
さらに気密性が高い窓ゴムにより風や水の浸入を防ぎ、高度な静けさを実現している。
●価格:7万9200円~
●サイズ:S、M、L、XL、XXL、XXXL
●規格:JIS
●メーカーサイト:https://www.shoei.com/products/helmet/system/neotec_3/
柔らかい被り心地とトップレベルの静粛性が見事
実物は高級感があり、大人のヘルメットといった印象。サンバイザーとチンガードの開閉機構を備えるだけに、手に持つとそれなりの重量感がある。とはいえ、筆者実測で1778g(ライトシルバー Lサイズ 防曇シート込み)。サンバイザー付きシステムメットは1800gオーバーが一般的なので、ネオテック3は軽い部類だ。
被り心地はソフト系。頬パッドのホールド感はややシッカリ目だが、後頭部を含めて全体をやさしくホールドしつつ疲れにくい。なお、センターパッド頭頂部はオプションのパッドでフィッティングを微調整可能だ。
気温20度程度で走り始めると、額の上を風が通り抜けるのがわかる。夏場には試せてはいないが、ムレは感じず、換気性能は高いだろう。
そして驚くほど静かだ。100km/h巡航では、大きめの帽体ゆえに風切り音と押し戻し感が出てくるが、それ以下では非常に静粛性に優れ、とても快適。帽体の形状をはじめ、カバーや独特なシールド形状、窓ゴムなどはしっかり静穏性に貢献していると感じる。
内蔵バイザーは後ろにスイッチをスライドさせるとスルッと出てくる。スプリングを用いないワイヤー式で、押し込む際に少し力が必要だが、誤動作がないのがいい。サンバイザーとノーズガードのすき間が少なく、明暗差がほぼないので実に視界良好だ。
チンガードをオープンした状態でも下がりにくいのが便利
フェイスガードをオープンできるのはやっぱり便利。システムメットは、オープン状態で行動していると「バタッ」と不意にフェイスガードが下りてしまうことがある。その点、ネオテック3では2段階のロック機構を採用しており、フェイスガードがしっかり固定できる。これはちょっとした作業や会話、飲食の際に便利だ。
また、フェイスガードのロックボタンをはじめ、各種スイッチがシンプルなため、厚手のグローブでも操作しやすい。
眼鏡に関しては、形状によっては浮き上がってしまうが、内装が柔らかめのため、ツルの圧迫感は少ない。全国のSHOEIギャラリーやオンラインストアでは眼鏡スリットの加工を受け付けているので不安な人は問い合わせを。
[まとめ]8万円近い高額モデルだが、機能性を考えればその価値はある
外観もさることながら、性能的にもスマートなネオテック3。特に静けさは秀逸で、数あるヘルメットの中でもトップレベルの静粛性だろう。これはロングランでの疲れにくさに大きく貢献してくれる。
その一方で、やはり重さがあるため、人によっては首に疲れも感じるはず。システムヘルメットとしては軽量な部類ながら、もう少し軽いとうれしい。とはいえ、この機能の充実ぶりと快適性を考えればトレードオフで、許容できるレベルと個人的には思う。
価格は、SHOEIのラインナップで光学ディスプレイ内蔵のオプティクソンに次いで二番目に高額な7万9200円~。お高めではあるものの、それだけ気合いの入った一作であることに間違いない。特に上質なツアラーで旅を楽しんでいる、大人のライダーにはよく似合うだろう。
【SHOEI ネオテック3 インプレ】静けさと上質さが光る、まさに大人向けのスマートな一品 ギャラリーへ (15枚)この記事にいいねする