イタリアで開催中であるミラノショーにて、四輪・二輪部品の開発や製造を行う日立Astemo(アステモ)がブース出展。そこで今までに見たこともない“フォーク一体型ブレーキキャリパー”が展示されていた!

SHOWAとNISSINによる機能協調設計が生み出したコンセプトモデル

日立アステモと言えば、2021年に「ケーヒン」「ショーワ」「日信工業」が統合したことで発足されたことが記憶に新しい。エンジン部品からブレーキ、電子制御部門まで非常に幅広く事業を展開しており、世界中に拠点を持つグローバル企業としても名高い。

そんな日立アステモブースでまず目を引くのが、見たこともない形状のブレーキキャリパーだ。こちらはサスペンションのショーワとブレーキのニッシンが技術協力し、フロントフォークアクスルとブレーキキャリパーを一体化してしまった製品だという。

具体的にはこの形状により、フロントフォークのアクスルホルダーとブレーキキャリパーの接触面積を30%増加。これによりブレーキの発する熱をフロントフォーク側へ放熱させるヒートシンク効果が拡大し、フロントフォークを放熱部品として積極的に活用する事でキャリパーの平均温度が5%低減することに成功している。

一番のメリットは“重量”で、従来製品に対して設計の最適化と締結部品も削減したことでバネ下重量を200gも軽量化できたこと。もちろん必要十分な剛性も達成した。

世界初の二輪ADASや最新EVシステムも公開

フォークキャリパー以外にも多くの注目製品を出展していた日立アステモ。以前ウェビックプラスでも紹介した“世界初の2輪車用路面検知機能”を持つ「ADAS」も見ることができた。

ADASとは「先進運転支援システム」のことで、簡単に言えばカメラやセンサーを用いて自動でブレーキ操作を行ってくれたり、車線から逸脱しそうになった際に警告してくれたりするアシスト機能である。

四輪では当然のように採用される同システムだが、実は二輪では世界初。さらに言えば2022年のミラノショーから発表されており、今年のモデルではさらに改良が加えられ、立体視活用による二輪初の路面検知機能を実現した。

その他展示されていたのは、モーター、ギアボックス、インバーターを統合した二輪コミューターEV向け「E Axle(イーアクスル)」なるユニット。こちらも去年から出展されていたものの、今年のモデルでは大幅に小型・軽量化され、より市場適合性を高めたという。

様々な新技術を見せつけてくれた日立アステモ。今後も二輪業界の技術を率先していく存在となるだろう。

【ナニコレ】ミラノショーで“フォーク一体型キャリパー”登場! 日立アステモが打ち出した「機能協調デザイン」とは ギャラリー (6枚)

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コメント一覧
  1. 匿名 より:

    日立アステモ凄いな!と思う反面、ブレンボもオーリンズを買ったことにより同じことが出来るんですよね。
    今後、このフォークブラケット一体キャリパーがレーサーの姿になっていくのでしょうか。
    楽しみですね。

  2. あま より:

    フォーク一体キャリパーは、まあレースに使うならメリットの方が大きいと思うが、ストリート用なら・・・

    自分の好みのキャリパーに交換できない。

    ディスクのサイズを変えた時にキャリパーの位置を調整できない。

    メリットよりもデメリットの方が大きい。

  3. 匿名 より:

    このアクスルホルダー一体キャリパーって結構前の東京モーターショーで曙ブレーキかどこかが展示してましたね。
    MVアグスタだったかドゥカティのバイクを使用して展示されてました。
    メーカーや展示の全体像はおぼろげですが、オーバーホールどうすんの?ってそこだけ印象に残ってます。

  4. 匿名 より:

    フォークの正面に穴開いてんのか
    冷えそうだけどスゲー汚れそう
    レース専用だな

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