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サーキットからツーリングまで使用できるブリヂストン「BATTLAX HYPERSPORT S23」。今年初旬に発売されたばかりの同製品を、ウェビックスタッフが自身の愛車にて公道でのインプレッションを試みた。果たしてツーリングではどのような特性を見せてくれるのだろうか。

レースだけじゃない! シーンを選ばずに活躍するS23

今回インプレでもご紹介するBATTLAX HYPERSPORT S23は、ブリヂストンのラインナップカテゴリーの中では「スポーツ」と「ツーリング」の中間に位置するタイヤ。よりスポーティなカテゴリーには「RS11」、さらにツーリングメインとなれば「T32」などが挙げられる。

「スポーツライディングをメインに楽しみたい」「スーパースポーツ車でウェット性能もライフ性能も欲しい」「ストリートファイター車でスポーツライディングを楽しみたい」「サーキット走行を始めてみたい」というライダーへ非常におすすめできる製品だ。

BATTLAX HYPERSPORT S23公道インプレッションを慣行!

試乗車×サーキットでの印象に加えて、今回は走り慣れている愛車×一般公道でのインプレッションを続編としてWebikeスタッフ楠山が再びレポートする。

依然としてこのカテゴリー、スポーツラジアルタイヤは各社の新製品競争が激しい。このセグメントは需要が多く、販売本数も多いからだ。

24年に登場したブリヂストンBATTLAX HYPERSPORT S23の登場時、編集部では筑波サーキットで色々な比較試乗を実施し、前作S22からの進化を確認した。(サーキットレポートはコチラ)S22を履いた同じ車種との乗り比べでは、特にリアタイヤの変化が印象的で、立ち上がりのエッジグリップの向上を確認できた。

サーキットも相当なハイペースで走れることが確認できたが、一方でS23を検討する人の多くは一般公道メインで使うということや、ブリヂストンのスタッフが「S23はぜひ公道で試して欲しい」というリクエストもあった。

やっぱりそうだよね、ということで公道インプレッションもお届けすることとした。

準備編:タイヤ交換してツーリングに備える

秋の九州ツーリングに行くことにした。九州といえば絶景とワインディング、そして長距離の移動もある。温泉やグルメも満喫したい。

また近年の九州は雨も多いため、この変化に富んだコンディションを安心&安全に楽しむためにも、マシンに不安がある状態では旅の楽しさが減ってしまうので、ブレーキやチェーンとともに、使い方に合ったタイヤを選ぶことがとても重要である。

ツーリングの前準備としてタイヤ交換を自身で行った。タイヤ交換は好きな作業のひとつで、組み換えをしながらトレッドやサイドウォールの硬さ、ホイールバランスの精度、ビードシーティングのしやすさなど、そのタイヤの作りを垣間見ることができる。

S23はツッパリ感はなく、スムーズに組み込みは完了した。重量バランスも良好でバランスウェイトは最小限でビシッと決まり、精度の高いタイヤという印象だった。これも国産プレミアムタイヤの安心感だよねと思い、走り出す前から期待が上がってしまう。

公道試乗では5日間で1600kmほどを走った。道中は雨ありワインディングあり、高速道路も市街地も走ってきたため、幅広いシーンを試すことができた。

借り物のマシンをサーキットで走る試乗とは違って、長く乗ってきた自分のバイクでじっくり走ったことで、よりリアルな解像度の高い感想を伝えたい。

市街地:バイクがコンパクトになった感覚

ストップアンドゴー、交差点の小回りではハンドリングが軽快である。フロントに舵角を少し入れたときの回頭性が高い。セルフステアの当たり方がじつに心地よいのだ。

バイクが軽くなったような感覚で、これはバトラックスの過去のSシリーズ(S21などで感じた)の良さを踏襲している。ハンドリングが軽くなることでネガティブになりうるフラつき感は無く、結果的に恐怖感が無い。

ストファイ系モデルの車体との相性が良く、CB1300系やZ900RSなどの大型ネイキッドモデルを俊敏に乗りこなしたいオーナーとの組み合わせもおすすめしたい。

ワインディング:パタン剛性の見直しの効果を実感

市街地からワインディングに入っても軽快なハンドリングの特性が光った。正直なところ、サーキット試乗会で説明を受けたフロントタイヤのしっかり感について、筆者は筑波サーキット走行の際には感じ取りにくかった。しかし今回ワインディングではこれが実感できたのだ。

下りのヘアピン進入でブレーキを残しつつに入ってみたところ、不安なくブレーキを残しつつコーナリングに入っていける。荷重がかかる状態でもフロントの舵角が付きやすいことで、集中力を高めて構えて進入した下りコーナーをクリアできた。S23は不安(緊張感)を高揚(エキサイトメント)に変えてくれる感じだ。

コーナリング中のライン修正もしやすい部類で、もうひと寝かしがスッと決まる。フロントのパタン剛性の見直しによるバンク領域の剛性アップは、こういったシーンで効果を発揮してくれた。

公道のペースではその領域に行くことは多くないが、例えばややオーバースピードでブレーキを残しながら不安定にコーナーに入らざるを得なくなった時などに、S23なら踏ん張りが効き、オーバーランすることなくカーブに入る操作ができるようになることから、フロントの改善は公道ワインディングでの「安全性」にも一役買っているといえる。

あらゆる面でS22を越えたという商品コンセプトだが、ワインディング走行ではフロントタイヤの改善に感心した。キビキビとコーナーを駆け抜ける切り返しもテンポが遅れにくく、これもまたじつに気持ちいいのである。

向きが変わったらじわっとトラクションをかけていく。立ち上がりも爽快。サーキットで感じたエッジグリップの向上は、ワインディングでも心理的な安心感に繋がり、立ち上がりが楽しい。

わざと大きめにスロットルを開けてみると、僅かに発生したスライドは唐突でなくスムーズで、特段の対応や操作をすることなく立ち上がっていく。橋などでコーナー中に継ぎ目を越えた時もナーバスな挙動は無いが、楽しさゆえに調子にのってペースが上がってしまうため自制心が必要だ。

九州・阿蘇のワインディングをもっと走り続けたくなったのは絶景のせいではなく、足元のスポーツタイヤのおかげだと思う。

高速道路:レーンチェンジを楽しみたくなる

まず料金所を越えて本線に入るループ状のコーナーが楽しすぎた。ライディングフォームも頭を低く構え直し、やる気スイッチが入ってしまう。

本線に合流してからも軽快そのもので、レーンチェンジは軽め。ビシッと一直線を走るタイプというよりは、目線を送った方向にスッと軌道が変化するため、市街地での印象と同様にバイクが軽くなった感覚はここでも健在。満タンで走っても重さを感じにくい。

継ぎ目やギャップの吸収性についても配慮されており、ハンドルが振られることは無くストンと収まる。最近は各社のスポーツタイヤもコンフォート性やウェット性能を上げてきており、S23もハイパースポーツなのに疲れにくさも意識して作り上げていると感じた。

ロードノイズはトンネルに入ると聞こえる程度で、異質なものではない。インター出口のカーブは減速しながらのバンキング。ここでもワインディングのブレーキングで感じたフロントタイヤの安心感がしっかり役割を果たしてくれる。

高速走行後にサービスエリアでタイヤ表面を確認したところ、センターの異常発熱や荒れは少ない。センターコンパウンドの耐摩耗性も期待できそうだ(ライフについては後述します)。

雨天走行:雨にも強いS22から更に進化。

福岡から博多の高速道路と阿蘇手前のワインディング、そして宮崎への移動では雨天走行となってしまったが、落ち込む気持ちをタイヤテストモードに切り替えた。19年のS22試乗会で感心した「スポーツタイヤなのにウェットにも強い」という強みは、さらに進化していた。雨水を効率よく排水させるパルスグループやコンパウンドの見直しなどの細かいアップデートが嬉しい。

ブリヂストン独自技術のパルスグループは、同じバトラックスのツーリングスポーツタイヤ「Tシリーズ」に始まる技術や経験が生かされているという。ハイパースポーツタイヤなのに雨にも強いのは公道タイヤの様々なシーンをしっかり想定して進化してくれている。

ウェット路面でのワインディングでは乾燥路よりも丁寧に、ペースを落としての走行になるが、心理的な思い込みが先行しているだけで実際はしっかりグリップしている。もう少し大丈夫かな、もっとイケるかな…と負荷をかけてみても、このタイヤから「いやいや、もっとイケるよ」と聞こえてきそうだ。

昔のハイグリップタイヤのようなナーバスさは無く、新車装着タイヤにも採用される基準を充分に満たしているのである。街乗りおいて雨天走行であることを念頭に置きつつ普通に走行する範囲ではABSの介入も無かった。何も起きないということは、当たり前のようだけど凄いことだと思う。

耐摩耗性:実測して計算してみた

S23は、従来モデルS22よりも8%ほど耐摩耗性が向上しているとのこと。

今回の九州ツーリングの約1600kmの走行内訳は市街地600km(37%)、高速道路700km(44%)、ワインディング300km(19%)。走行後のリアタイヤのセンターの溝の深さは1.0mmほど摩耗した。(新品測定値7.0mm → 1600km走行後に6.0mm。摩耗は1.0mm)残溝0.8mのスリップサイン出現までの計算上のライフは9920kmとなる。

フロントについてはトレッドパタンの幅が狭く、正確な実測値を測定できなかったが、フロントタイヤで一番摩耗しやすい「少しバンクしたところ」のトレッド剛性や溝比率のアップデートが行われており、これはハンドリング向上と同時にフロントの耐摩耗への対策としても期待できる。

まとめ

長年に渡って人気だったS22から5年の歳月をかけて、ブリヂストンが全領域の性能向上をテーマにして企画開発して登場したS23。スポーツラジアルタイヤという激戦のカテゴリーで、一時期は供給が追いつかなくなるという人気ぶりである。

サーキット試乗で感じた振るバンク領域の性能アップだけでなく、一般公道での変化に富む1600kmテストを行ったことで、このタイヤのパフォーマンス、特に軽快なハンドリングとフロントタイヤの剛性バランス向上、ライフもけっこうイケることを再認識することができた。

ツーリング適正の高いTシリーズで培った排水性や耐摩耗性、レーシングシーンも考慮したRSシリーズのグリップを兼ね備えたS23。それぞれの役割分担がワイドレンジ化しており、迷ったらS23で間違いないチョイスだとおすすめしたい。

車体や乗り方とマッチングの良いタイヤでのツーリング。本当に気持ち良かった。

BATTLAX HYPERSPORT S23 詳細

従来品であるS22より大きく変更を受けたS23。フロントショルダー部とリアエッジ部への新開発コンパウンド搭載により、強力なエッジグリップでコーナリング時に最大性能を発揮する。

新グリップ向上剤の配合により路面追従性が向上。カーボンでポリマーを補強することで、路面を捉える力をさらに発揮することに成功した。

またフロントはドライハンドリングと安定性、およびウェットでのグリップ感を向上。リアはトラクション性能向上を実現している。新パタンデザイン、剛性適正化によるハンドリングや安定性、トラクション性能の向上も果たした。

排水性に関しては溝にパルスグルーブを配し、水流を均一化することで流速が上がり、結果として排水性が向上している。

タイヤサイズ

フロント用
120/70ZR17 M/C (58W) TL 2万7830円
リア用
160/60ZR17 M/C (69W) TL 3万7400円
180/55ZR17 M/C (73W) TL 4万1140円
190/50ZR17 M/C (73W) TL 4万2130円
190/55ZR17 M/C (75W) TL 4万3010円
200/55ZR17 M/C (78W) TL 4万5650円
【タイヤインプレ】「公道使用で完成度の高さを再認識」BATTLAX HYPERSPORT S23を愛車で徹底テスト ギャラリーへ (26枚)

情報提供元[ ブリヂストン ]

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