
サンスターは、環境に優しいブレーキディスクとブレーキパッドを開発し、レース専用品として発売することを決定した。この製品は、今年7月の鈴鹿8耐でも起用され、8時間の耐久レースを通して確かなブレーキング性能を発揮し続け、チームの好成績に貢献した。発売時期は2024年12月頃を予定している。
環境性能と制動性能を両立させた“Naturide”、鈴鹿8耐で入賞にも貢献
サンスターグループ(以下、サンスター)は、製造時や使用時の環境負荷低減を目的に開発を進めている熱処理廃止の鉄製ブレーキディスクおよび、ローダストブレーキパッド(東海カーボン共同開発品)を、環境負荷低減シリーズ“Naturide(ネイチャーライド)“の新製品としてレース専用品に製品化することを決定した。2024年12月頃からの展開を予定している。
本製品は、今年7月に開催された「2024 FIM世界耐久選手権 "コカ·コーラ" 鈴鹿8時間耐久ロードレース 第45回大会(以下、鈴鹿8耐)」で起用され、8時間の耐久レースを通して確かなブレーキング性能を発揮し続け、チームの好成績に貢献した。
サンスターは、1960年代より二輪車用部品製造・販売を開始。世界を代表する数々の二輪メーカーにOEM部品としてブレーキディスク、スプロケット(歯車部品)を納入しており、トップクラスのシェアを誇っている。今回製品化を決定した環境対応ブレーキディスク、ブレーキパッドは、鋼材を加工性とブレーキ機能を両立させた材料に変更し、製造工程の熱処理が不要なため製造時のCO2排出量を半減させ、環境負荷を大幅に低減する製品だ。
脱炭素化などカーボンニュートラルを目指す動きが世界的に加速する中、金属加工事業は、製造・加工プロセスでの二酸化炭素の排出の多さや電気エネルギーの消費が課題となっている。サンスターは、業界のトップメーカーとして、事業を通じて環境負荷低減に貢献できないかと考え、環境対応ブレーキディスク、ブレーキパッドの開発に至ったという。
開発段階において、「カーボンニュートラル(CO2排出実質ゼロ)への挑戦」を目指すスズキ株式会社による「チームスズキCNチャレンジ」と連携し、パートナー企業の1社として環境性能と制動性能を両立させた本製品を提供。24年7月に開催された鈴鹿8耐に、チームスズキCNチャレンジが参戦し、本製品を装着したバイクが3位と8位に入賞した。この結果、環境負荷低減の効果に加え、8時間にもおよぶ耐久レースでも優れたブレーキング性能を発揮することを証明され、関係者から高い評価を得た。そして、市場におけるニーズの高さも確認したため、このたび製品化を決定。
また製品名は、環境性能と制動性能の両立した製品の実用化を目指し、より環境負荷削減に貢献していきたいという想いを込め、Nature(自然)+乗る(Ride)を組み合わせたシリーズ名、“Naturide”として展開予定。さらに今後は、ディスク、パッドに限らず、スプロケット、チェーンなども開発していく予定で、オートバイ事業の分野に限らず、小型四輪・次世代モビリティなどのカテゴリーへ展開し、多方面でカーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー実現へ貢献していく計画だ。
情報提供元[ サンスターグループ ] ギャラリーへ (3枚)
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