1960年代にバイク用部品の製造販売を開始し、スプロケットを半世紀以上も作り続けているサンスター。そのノウハウを活かして近年は、バイク専用チェーンも企画販売している。スプロケットとチェーンを製造販売しているのは日本では同社のみ。ドライブ(フロント)とドリブン(リヤ)スプロケットとチェーンを組み合わせた3点セットは、豊富なラインナップとお財布にやさしい価格で注目を集めている。そこで、「チェーンとスプロケットは同時交換しないといけないの?そのメリットは?」そんな疑問をサンスターのバイク用品を展開している国美コマースの菊地純さんに投げかけてみた。

国美コマース株式会社 二輪AM事業部 業務推進課次長 菊地純
国美コマース株式会社 二輪AM事業部 業務推進課 菊地純スプロケットやチェーン、ブレーキディクス&パッドに精通。自身もイベントレースや地方選手権(ST600/ST1000)に参戦し、実際の使用感や性能を身をもってテストするスポーツライダーとしても活躍。2024年は念願の鈴鹿8時間耐久ロードレースにもライダーとして参戦し、熱い夏の興奮がいまだ冷めやらず。

スプロケットメーカーがチェーンを企画開発する理由とは?

サンスターといえばアフターパーツのブレーキディスクやスプロケットで有名だが、バイク用のスプロケットに関しては生産を始めてから60年以上の歴史をもつ老舗。そんなメーカーが2021年に新たにチェーンカテゴリーに参入して誕生したブランドがある。それがサンスターが監修する「モーターサイクルチェーン」だ。

チェーンの役割は、エンジンが生み出す強力なパワーをリヤタイヤに伝えること。とても重要なパーツであり、かつ加速や減速のたびに大きな力が加わって少しずつ伸びていくので、ある程度の距離を走ったら交換が必要になる消耗部品でもある。それだけにチェーンは古くから専業メーカーや有名ブランドが存在するのだが、なぜサンスターがこのカテゴリーに参入したのだろうか?

「サンスター=スプロケットのイメージをお持ちの方は多いと思いますが、当然ながらスプロケットとチェーンは密接な関係にあります。スプロケットの耐久性はチェーンの性能に大きく左右され、またチェーンの耐久性はスプロケットに左右されるからです。スプロケットやチェーンの寸法や形状などは工業規格で定められているため、どのメーカーが作っても基本的なカタチは変わりません。でも、スプロケットとチェーンのはめあいや相互作用としての相性の良し悪しというのがあって、それは確実に性能に反映されるんですね。スプロケット生産に長い歴史と膨大なノウハウを持つサンスターだからこそ、バイク用チェーンの最適解に尽力すべく企画開発に着手したんです」と菊地さん。

ワングレードで選びやすく! お財布にやさしい価格も実現

サンスターのチェーンは520、525、530の3サイズを用意。現行スポーツバイクなら250ccクラスから1000ccオーバーまで、ほとんどの車種をこの3サイズで対応でき、もっとも大型の530サイズで1400ccまでカバーしている。そしてスプロケットの歯とのはめあいを最適化し、互いの耐久性を最大限に引き出す設計を採用。ピンに施した凹加工が軽量化と高強度を実現し、独自のグリス封入方法でブッシュとピンの間のグリス充填量を最大化している。優れた耐久性を誇るシールチェーンは3カラーがラインナップ。ゴールドやシルバーと比べるとメッキ加工のないスタンダードはサビやすいといえるが、その他の性能は一切変わらない。

サンスターのモーターサイクルチェーン

サンスターのチェーンは3種のサイズを用意。グレードは1種類のみで幅広い排気量に対応するため、チェーン選びに迷わない。


「どのサイズもシンプルなワングレードにしたのは価格を抑える上でも有効ですし、分かりやすくて迷わないという利点もあります。消耗品である以上、交換時にユーザーの負担を少なくするという観点もあって、この商品提案になりました」と菊地さんも語る。

ちなみにサンスターのチェーンは耐久性を最重視し、強度にも十分余裕を持っているため、各サイズに対する排気量の指定を守ればレースやサーキット走行にも問題なく使えるのもうれしいポイントだ。

チェーンの交換を怠ると、なにが起こる?

前述したようにチェーンは消耗品であり、その寿命に大きく影響するのがチェーンの伸びだ。スイングアーム後端の「チェーン引き」で張りを調整できないほど伸びてしまったら即交換の必要があるが(走行中にチェーンが外れる可能性も!)、それ以下でもある程度伸びたら交換が必須!

交換を怠るとチェーンのピッチ(ローラーの内側にあるピンとピンの間隔)とスプロケットのピッチ(歯と歯の間隔)がズレてしまう、いわゆる「ピッチずれ」が起こるからだ。ピッチずれの状態で走行すると振動や騒音が大きくなるだけでなく、スプロケットの歯底部分でローラーを受け止めることができなくなり、加速度的にスプロケットが摩耗することにもなる。その結果、駆動ロスも増え、燃費悪化にも繋がるという悪循環になるのだ。

チェーン交換と同じタイミングでのスプロケットの交換が断然お得&安全性もUP!

そこで気になるのが、「チェーンを交換するタイミングでスプロケットも交換したほうがいいのか、否か?」だろう。「スプロケットも同時に交換となると出費が増えるから、とりあえず今回はチェーンだけ交換して…」という気持ちもわかるが、フロントスプロケットとリヤスプロケットを同時に交換するのが断然おすすめ!むしろ結果として同時交換の方がお得だということを知っておこう。

なぜなら、チェーンが伸びるほどの距離を走っていれば、スプロケットも確実に摩耗しており、その状態でチェーンだけ新品になってもピッチずれは解消しないから。そしてピッチずれの状態で走り続けると、チェーンの伸びが早くなりスプロケットもより摩耗する悪循環に陥る。そして今度は摩耗が進んだスプロケットだけを交換すると、その時点ではある程度チェーンが伸びているため、やはりチェーンずれが解消しない…の繰り返し。結果として、チェーンとスプロケット全体の寿命が短くなってしまうからだ。

新品チェーンに対するピッチずれを見てみよう

新品スプロケットに対するピッチずれを見てみよう

サンスターならではの「チェーン&スプロケット3点セット」がおすすめ

チェーン交換時にはフロント&リヤスプロケットも同時に交換するのが、乗り心地や性能面を考慮すると断然お得。とはいえ愛車にどのチェーンとスプロケットが適合するのか?どの組み合わせが良いのか?と調べたりするのはハードルが高いというライダーが大半だ。

そうした悩みにも応えるべく、サンスターは車種ごとに設定したチェーンとフロント&リヤスプロケットの「3点セット」を提案。サンスターのホームページの適合検索で車両メーカーや車名を選ぶだけで、簡単に愛車に適合するセットを見つけられるのだ。

上記の表のように車種ごとに用意されている3点セットは、チェーンのカラー(3種類)とリヤスプロケットの材質(スチールとアルミの2種類。一方のみの車種もアリ)の選択が可能。他にもヤマハのSR400のような428サイズを520サイズにコンバートしたり、排気量に対応できる軽量なサイズへのコンバート(例:CB1300SFをノーマルの530から525へコンバート)などのカスタムにも対応している。

せっかくチェーンを交換するなら、スプロケットも同時に交換。しかもリーズナブルに!歴史あるスプロケットメーカーのサンスターが展開している「チェーン&スプロケ3点セット」はぜひチェックしてみよう!

チェーンとスプロケットはなぜ同時交換がおすすめなのか?【サンスターならチェーン&前後スプロケットの3点セットが迷わず選べる!】 ギャラリーへ (18枚)

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