愛車のポテンシャルを向上させる代表的なチューニングのひとつで、メンテナンスのタイミングでもぜひ検討したいのが、社外品サスペンションの導入。本来はややハイレベルでコストもかかるメニューだけど、アクティブが取り扱うハイパープロなら、より気軽に前後サスのグレードアップが図れる。しかもそのスプリングには、ハイパープロ独自の技術が使われており、スポーツだけでなく旅にも適した走行性能を生み出すのだ!

そもそもハイパープロ(HYPERPRO)とは?

日本のアクティブが取り扱うハイパープロは、1990年代前半から活動するオランダ生まれのバイク専用サスペンションメーカー。創業者のハンス・リナー氏は、モーターサイクルのサスペンションを革新的に進化させ、路面状況などの走行環境変化が多いストリートをもっと快適に走れる製品に関する構想を練っていた。そしてたどり着いたのが、後にハイパープロの代名詞となる「コンスタントライジングレートスプリング」だ。

その当時、モーターサイクルに使われるスプリングはリニアレート(シングルレート)またはツーレートが主流。これに対してコンスタントライジングレートスプリングは、不等ピッチを採用することで、伸縮の状態に応じてバネレートが常に変化し、ストローク初期の柔らかさと末期の踏ん張りが両立できる。

そして、この性能にいち早く目をつけたのがアクティブ。本国オランダや欧州の企業に先駆け、アクティブはハイパープロにとって最初の販売代理店となり、コンスタントライジングレートスプリングの日本国内販売を手がけた。このような背景から、アクティブとハイパープロは親密な関係にあり、現在日本で正規販売されているハイパープロのサスペンションには、日本人の体格や好み、日本の走行環境などを考慮しながらアクティブの専任スタッフが1車種用ずつていねいにセッティングを煮詰めた、「ジャパンスペック」の製品がとても多い。オランダ生まれのサスペンションを、アクティブが日本向けに自信を持って提案するのがハイパープロなのだ。

ストリートユーザーにも最適なお手軽プライス

「サスペンションチューニングなんて、サーキットをギンギンに走る人たちの話でしょ?」なんて思われがちかもしれないが、ハイパープロが重視するのは、公道での快適性やファンライド性。製品群の中には、レースユースのために開発されたリニアレートのフロントサスペンションスプリングや、レースにも対応する高性能なフロントフォークやリアショックなども多数ラインアップされているが、何よりも大切にされているのは、「もっと思いどおりに愛車を走らせたい!」という一般ライダーの願いを叶える製品展開だ。

そしてこの基本姿勢を象徴するアイテムが、ノーマルのサスペンションに使われているバネと換装する「コンスタントライジングレートスプリング」。製品ラインアップには「フロントスプリング」と「リアスプリング」と前後セットの「コンビキット」がある。

その大きな魅力は、リーズナブルにサスペンションのグレードアップを図れる点だ。例えば近年の人気車種であるカワサキ・Z900RS用の場合、フロントは2万4200円、リアは2万6400円で、コンビだとさらにお得で4万7300円。なんと700車種以上の設定があり、フロントは2万2000円~2万7500円、リアは2万6400円、コンビは4万7300~5万2800円となっている。愛車への装着には工賃が別途必要とはいえ、かなり気軽にハイパープロの真髄であるコンスタントライジングレートのスプリングを導入可能。しかもフロント用は、必要量のフォークオイルとグリスもセットになっている!

ちなみに、車体への装着に関しては一般販売店の他、全国各地に「サービスディーラー」と「スペシャルショップ」が用意されている。さらに、一般的なショップでは分解整備が難しいリアショックについては、アクティブが「リアスプリング交換サービス」も手がけており、ハイパープロ製品購入後に純正リアショックや作業依頼書と一緒に送ることで、3300円(送料別)の格安工賃と1週間程度の納期で、入れ替え作業をしてくれるのだ!

ローダウン仕様もラインアップ

「コンスタントライジングレートスプリング」には、スタンダードタイプと比べたら設定車種は少なめながら、ローダウンスプリングも用意されていて、しかも対応車種は少しずつ増えている。こちらは「乗り心地を犠牲することなく足着き性を向上する」ことをテーマに開発されており、スプリングの自由長を大きく変えずに、レート変更や油面調整で車高を下げる設計。スプリングに関しては、より初期で柔らかく奥で踏ん張るような仕様となっている。基本的に価格はスタンダードタイプとローダウンタイプで同等に設定されており、先ほど一例を挙げたZ900RSの場合、約20mmのローダウンが図れる。

ローダウンスプリングのラインアップには、ノーマルシート設定が高めなスーパースポーツ系も増えてきた。足着き性を理由に憧れている車種に乗ることを諦めてきたライダーは、ぜひ一度アクティブのウェブサイトで、ハイパープロのラインアップを検索してほしい。

ちなみに、純正スプリングと換装して使用するハイパープロの「コンスタントライジングレートスプリング」は、プリロードや減衰力、フロントフォークの油面や突き出し量などの推奨セッティングデータが公開されている点も大きな魅力。難しい調整ナシでもスプリングが持つ高性能をしっかり発揮させられるし、自分の体格や走りに合うようセッティングしたいユーザーにとっても、基準があるのはありがたい。これはローダウンタイプも同様だ。

スプリングのラインアップは3000種類!?

ストリートユーザーに楽しさを提供するため、徹底的にやり抜く姿勢こそがハイパープロの魅力。アクティブの開発部でサスペンション関連の業務に携わる宇田知憲さんは、「一般的には100種類くらいの設定があれば、サスペンションメーカーとしては十分な規模と認識されるのですが、ハイパープロは3000種類くらいあります」と教えてくれた。

「コンスタントライジングレートは製造が特殊で、ハイパープロ独自の技術を導入して生産しています。初期でよく動いて奥で踏ん張るという特性は、通常のライディングでは乗り心地がよく、危険回避の急制動などで車体姿勢を崩し過ぎないなど、ストリートで快適かつ安全に乗ることにもつながります」と宇田さん。サーキットなどのスポーツライディングではメジャーなサスペンションチューニングだが、ストリートユーザーが得られるメリットも多そうだ。

乗ればわかる、変化するスプリング特性

今回、フロントスプリングとリアショックがセットになった「ストリートボックス」を装着したホンダ・CB400スーパーフォアを、フルノーマル車両と乗り比べる機会を得た。リアツインショックはエマルジョンタイプよりもハイグレードなピギーバックタイプで、純正ショックのスプリングだけを換装した仕様よりもさらに高性能ということもあり、ウェット路面のサーキットでは、コンスタントライジングレートがもたらすメリットを多く感じることができた。

中でもとくに好印象だったのは、サーキットとはいえ滑りやすい濡れた路面で、かなり荷重をかけづらい状況でも、初期が柔らかいスプリング特性のおかげで、ある程度の前後ピッチングを引き出すことができた点。路面状況の変化が大きく、スポーティに走らせることの制約が非常に多い公道では、ドライでもタイヤが潰れるほど大きな荷重を与えながらバイクを走らせることは(常識的に考えても)難しいが、初期でよく動くサスペンションなら多少の車体姿勢変化を作りやすく、スポーティな雰囲気を味わいやすいだろう。

一方で、マシンと路面状況に慣れてよりしっかり荷重をかけられるようになると、コシが強いという印象が増してきた。仮に同じ状況でレザースーツを着用してタイムアタックするなら、もう少しよく動く方向に振ってもいいと思うが、これはあくまでサーキットでの話。公道では、あまりピッチングが多すぎるとロングランのときに疲れるし、この状態でも初期はよく動くのでギャップ通過時の乗り心地はいいことなどを考えたら、ツーリングユーザーにとってのベストセッティングと言えるだろう。また、今回は試すことができなかったが、タンデムや荷物積載で高負荷状態になったときも、この特性なら優れた適応力を発揮するはず。やっぱりコンスタントライジングレートのスプリングは、“ツーリングに効く”のである。

変化するバネレートでシルキーに。ハイパープロはツーリングにも効く!!画像ギャラリー (12枚)

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コメント一覧
  1. 匿名 より:

    いやいや(苦笑)「ストリート用」なんだから、フツーに「数百キロツーリングでとっかえひっかえして」比べないと、説得力皆無なんですけど。
    これでは「タダの販促記事」じゃないですか。

  2. oresamasama より:

    YAMAHA MT01にハイパープロのローダウンサスを入れています。伸び・縮みとも1番ソフトにしていますが、初動の反応は勿論、高速道路・峠道・高積載時も良く踏ん張っているのが実感出来ます。コスパの良い製品だと思います。あくまで個人の感想ですが。

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