
ハンターカブを前後イニシャル調整できるようにして、サグ出しもしてみた結果、純正フロントフォークスプリングが柔らかいのが気になってきたんですよ。なのでスプリング交換をしようかと。フォークスプリングの交換って敷居が高いと思ってたんですが、割と簡単に交換できる方法があるらしいので、今回は簡単スプリング交換を試してみるよ。
目次
イニシャル調整仕様にしたりサグ出ししたりしたら不満点が出てきた
ハンターカブのサスに以前から満足できなかったので、これまでに前後イニシャル調整できるようにしたり、サグ出ししたりしてきたんですよ。
最終的に、フロントにZETA フロントフォークトップキャップ イニシャルアジャスター、リアはKITACO リアショックという仕様。
サグ出しの結果、この組み合わせでめちゃめちゃ良くなったんだけど、フロントのイニシャルが最強になってるんですよ。リアはほぼ最弱だから、キャンプとかの時にはイニシャルを増やすことができるんだけどね。
なのでフロント側のセッティングに余地がない感じ。せっかくのイニシャルアジャスターだから、場面によってもう少しイニシャルを掛けれるようにしたい。と、なるとフロントのスプリングを交換するしかない。
というわけでwebikeでちまちま検索した結果、良い感じのフロントスプリングを見つけたよ。
装着するのはキタコのフロントスプリング
今回装着するのはキタコの フロントフォークインナースプリング。JA55でもJA65でも対応可能。なんといっても安い。5000円ちょっと。
ノーマルのスプリングは可変レート、つまり上下で巻きの数が違うんだけど、これはシングルレートで、いわゆる等ピッチ。
スプリングレートは6.0N。ノーマルのスプリングレートはわかんないけど、かなり強化されそうな感じ。
フロントフォークスプリングの簡単交換
さて、いよいよ本番。フォークスプリング交換は、ざっくり以下の手順。
①フロントホイール、フェンダー、キャリパーを外す
②フォークを抜く
③フォークを分解してスプリングやオイルを抜く
④新たなスプリングを組付ける
⑤フォークオイルを入れて気泡を抜いて油面調整
⑥スプリング交換したフォークを車体に取り付け
⑦フロントホイール、フェンダー、キャリパーを組付けて完成
フォークを抜くのもやや大変だし、気泡抜きや油面調整も必要。
作業的には割とめんどくさそうなので、二の足を踏んでいたんですよね。
二の足を踏んでいたところ、たまたま簡単なやり方を教えてもらったんですよ。
「スプリング交換だけなら、車体にフォークを付けたままオイルが漏れないよう丁寧に入れ替えれば良いよ」と。
これなら簡単。注意事項としてはスプリングを抜く際にフォークオイルが減ってしまうこと。
とはいえ、数滴であれば大きな影響はないらしいので、とにかくオイルが減りすぎないよう丁寧に作業すること。
ではやってみるよ。
必要な工具
・六角棒レンチ6mm
・シールピックツールなどのキャップ外し
・17mmソケット(純正トップキャップの場合)
・24mmソケット(ZETAフロントフォークトップキャップ イニシャルアジャスターの場合)
・ソケット用ハンドル
・トルクレンチ
・マグネットピックアップツール
マグネットピックアップツール以外は特に問題ないはず。ただ、マグネットピックアップツールについては、先端が小さいものの方が使いやすかった。こういうやつ。
実は、せっかくだから持ち上げ重量の大きい立派なやつを買っておいたんですよ。
これだとカラーを外すとき、ピックツールの頭がでかすぎて最後にポロリと落ちまくってどうもならなかった。
あと、支えがあると良いよ。作業中にうっかりフォークがストロークするとヤバイ気がするから。25cmくらいのものをアンダーガードの下に入れておこう。
スプリング交換をしてみる
車体にフォークを付けたまま作業する都合上、どうしてもハンドルが邪魔なので、まずはハンドルを外すよ。
キャップを外して、6mmの六角棒レンチでクランプボルトを外そう。
クランプを外したらハンドルが邪魔にならないように、ずらしておこう。そしたらいよいよフォークに取り掛かるよ。
念のため、ステムのクランプボルトを緩めておくと安心。自分はわくわくして緩めるのを忘れてた。
最初にフォークのてっぺんのパーツを外すよ。純正の場合はフォークボルトって名称。ややこしいので、ここではフォークトップキャップと呼称するよ。
トップキャップを外す工具は、純正だったら17mm、自分の使ってるZETAだったら22mm。
トップキャップはそこまでフォークオイルついてはいないと思うけど、それでもオイルが垂れないように慎重にね。
さてトップキャップを外したら、フォークの内部パーツをどんどん抜いていって、最後に純正スプリングを取り出すよ。
注意点としては、フォークオイルが減りすぎないよう、各パーツを取り出す際はとにかくゆっくりとオイルを自然に落としながら作業しよう。
ZETAの場合は付属のカラーから取外し。純正の場合はこのカラーがないよ。上の方にあるのでそこまでオイルまみれにはなってなかった。
次は長いカラー。このあたりからオイルが滴り始めるよ。もはや手が届かないのでマグネットツールで優しく抜くよ。
この長いカラーはかなりオイルが付いてるので、念入りにゆっくりと。
半分くらい抜けたところで一旦とどめておくと良さげ。抜き去るときにオイルが一滴も落ちない雰囲気を目指したよ。
長いカラーを抜いたら、最後のカラーというかスペーサーみたいな薄いのを抜くよ。パーツリストによるとフロントスプリングジョイントって名称らしい。これもマグネットツールで。
カラー類を外したら、あとはスプリング。スプリングはさすがにフォークオイルまみれなので、ここが最後の難関。
マグネットツールって、持ち上げ可能な荷重が決まってるんだけど、自分の安物マグネットツールでも抜けたので、大抵のマグネットツールなら大丈夫そう。
ある程度抜いたら、棒とかで引っかけておいてちょっとのあいだ放置しよう。
で、しばらく放置したらまたゆっくり抜いてって、また棒を引っかけて放置ってのを2-3セット繰り返し。
無事に抜き取れたよ。ほとんど油滴もなく、全体にしっとりしてる感じ。
抜いた純正スプリングと、キタコインナースプリングを比較するとこんな感じ。
純正は巻き具合が上下で違う。キタコのは、巻きが均一。強そう。
あとは、逆の手順で戻すだけ。そーっと入れるよ。勢い良く入れるとフォークオイルが泡立ちそうだからね。
仕上げはマグネットツールで優しく入れようと思ったけど、マグネットツールをうまく外せなくてドブッって落ちた。無理に使わないほうが良いかも。
そしたらフロントスプリングジョイント。薄いカラーだかスペーサーみたいなやつね。
これもマグネットツールから外すのが大変。最終的にぽとっと落とした。
長いカラーはもう無理せず手で入れた。カラーを入れる際にさっき入れたスプリングジョイントがちゃんと平らになってるか確認してね。
純正の場合は、あとはトップキャップをはめて終了。ZETAの場合はもう一個カラーを入れるよ。
スプリングを入れるときに気泡が出来てるといけないので、少しでも気泡を解消できるよう、休憩を兼ねてトップキャップで軽く蓋をして放置。
トップキャップを装着するときはOリングにフォークオイルを塗っておくと良いらしい。外したスプリングからフォークオイルをぬぐって塗れば良さげ。
トップキャップは規定トルク22N・mで締結してね。
これでフォーク周りは完成。最後にハンドルを元通りにして完成。
万が一、オイルに気泡が発生しているとイヤなので、念のため一日放置してから試乗してみたよ。
試乗してみた印象
フロントのスプリングレートが高くなってるので、フロントのイニシャルを最弱にして試乗してみた。
フロントはすごくびしっとして剛性感マシマシ。純正とはまるで別次元にしっかりとしてるし、頼もしい感じ。
その反面、今度はリアが沈みすぎな印象。またがった時にリア下がりになってるような感じ。
サグ出しをしたときの経験で、乗車時の前後高さがの印象が揃っていた方が気持ち良いと学習したので、調整してみるよ。
フロントはこれ以上弱くできないので、リアのイニシャルを上げてみよう。
以前は約2mm締めこんでいたのを、まずは5mmにしてみた。
リアが沈んでいる印象はかなり改善されたけど、荷物を積載することを考えるとちょっと物足りないかも。
というわけで7mmでフィニッシュ。
前後とも同じくらいビシッとした。
まとめ
かなりリーズナブルなパーツなのに、効果が凄い。イニシャルアジャスターもそうだけど、フロントスプリングもカスタムとしてはコスパ高すぎじゃなかろうか。スプリングなんて5000円だし。
ただ、シングルレートなせいか全体にガッシリするので、柔らか乗り味が好みな人はイニシャルアジャスターだけでとどめておくってのもアリ。
ただ、スプリング交換すると、ほんとに別ものに生まれ変わるので、ぜひこの感動を味わってほしい。
自分の感想だけじゃなく、仲の良いカスタムショップにも試乗してもらったけど、フロントについては大絶賛されて満足。
ただ、「もしかしたらタイヤをもう少し良いものにした方が良いかも」とのアドバイスももらった。
前後サスがしっかりしたことで、タイヤの剛性不足的なものがあるってことなのかも。
タイヤについては、元々ミシュランのアナキーに交換予定だったので、交換してみて様子を見てることにするよ。
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