文/Webikeバイヤー:yasuo
目次
ブレンボのブレーキシステムをメンテナンスの選択肢に
Webikeスタッフのyasuoです。愛車MT-09は6年落ちとなり、オイルやタイヤ以外のブレーキ廻りの消耗品も気になってきました。カスタムもしたいですが、まずは消耗品をしっかりメンテする必要があります。
純正のディスクローターの交換を検討していたところ、カスタムパーツ担当バイヤーからブレンボのセリエオロシリーズをお勧めされました。ブレンボ?お高いんでしょ?という思い込みがあって選択肢には入っていなかったものの、シリーズの特徴を聞くなり候補に入れて、このたびラインナップ追加でMT-09にも使えるということで、ディスクローターとブレーキパッドをブレンボ・セリエオロシリーズに置き換えしてみることにしました。
さっそくブレーキディスクローターとパッド交換
レポート対象モデル:ヤマハMT-09(2017年式)
●今回使ったパーツ
Fディスクローター ******** ×2枚
Fブレーキパッド ******** ×2セット
Rディスクローター ******** ×1枚
Rブレーキパッド ******** ×1セット
※ディスク取付ボルトも交換してしまおう
Fディスクボルト→純正:90109-064G6 単価110円 ⇒ トルクス:90149-06045 単価132円×10本
Rディスクボルト→純正:90109-08045 単価242円 ⇒ トルクス:90149-08010 単価253円×5本
バネ下重量の、しかも回転慣性の大き純正ヘックスボルトはヘッドが浅く、工具の掛かりに不安があります。トルクスはYZF-R6などの純正流用です。値段はほぼ変わらず舐めにくいためオススメ!
今回使用した道具:MT-09の場合
<フロント>
6mmヘキサゴンソケット(純正ローターボルト、ピンチボルト)
14mmヘキサゴンソケット(アクスルシャフト)
T40トルクスソケット(流用ボルトの場合)
12mmソケット(キャリパー)
ラジオペンチ(パッドピンとベータピン)
<リア>
5mmヘキサゴンソケット(パッドピン)
6mmヘキサゴンソケット(純正ローターボルト、ピンチボルト)
8mmヘキサゴンソケット(キャリパー後側)
14mmソケット(キャリパー前)
27mmソケット(アクスルナット)
12mmスパナ×2(チェーン調整)
マイナスドライバー(パッドピンカバー)
このほか、グリス、ネジ止め剤、トルクレンチ各種、ラチェットレンチ、スピンナーハンドル、Tハンドル、前後のメンテナンススタンドを使用しました。
作業は慎重に
ブレーキ廻りの作業は重要部品ですので、熟練者の立ち合いのうえでDIYするか、プロにお願いしましょう。(筆者は元々ディーラーでメカニックをしていました)
締付トルクなどについてもサービスマニュアルの情報を参照してください。
ディスクボルトを緩める⇒ジャッキアップする⇒キャリパーを外す⇒ホイールを外す⇒ローター交換という手順です。ローター組付け時はホイール回転の逆側に寄せてボルトを締めると接触面が適正になります。今回はパッドもセリエオーロに交換します。パッドピンやピストンの清掃は、前回のパッド交換からの距離が短かったためピストンの清掃と揉み出しはスムーズに行えました。
新車組付けからのディスクの場合は、オーバートルク+ネジロック剤+経年+ヘックスボルトの影響で緩めるのに苦労することがあります。今回は前後15本のうち4本はヒートガンで加熱したうえで充電インパクトを併用し、緩めることができました。
走行インプレッション
今回はディスクとパッドをセットで交換しました。
つまり接触面の慣らしは新車時のような状況なため、アタリが早く出ました。街乗りでフロントは50km程度、リアは100kmの走行で本領発揮した感じです。
交換時、交換後を通じての印象は、まず見た目の変化!です。リアは純正とほぼ変わらないデザインのため、替えた感はありませんが、フロントは地味ながらグレードアップした感。
この質感アップが所有感を上げてくれます。純正フロントディスクのインナーローターの形状はちょっとチープですが、ブレンボは純正に近い価格帯なのに見た目がグレードアップします。
さりげなく刻まれるBremboのロゴアイコンが、また地味にかっこいい。
カスタムパーツというより、消耗品の交換時にアップグレードするパーツ候補としても満足度マックスです。
機能性については、ディスクの性能を一般公道で使い切るのは現実的ではなく、純正ディスク&純正パッドの組み合わせでもMT-09は充分なフィーリングと性能で不満はありませんでした。
今回は磨耗に伴なうメンテナンス的な交換でしたので、交換前後の性能差をフェアに比較できません。
それでも純正新品の組み合わせより効く印象です。これはディスクよりもパッドのキャラクターによるものでしょう。
スイッチのように効くのではないため使いにくいことはなく、しかも少し強めに握った時の制動力の立ち上がり方は純正パッドよりもやや高い印象です。
過熱時の耐フェード性などはテストできていません。ライフについてもまだ未知ですが、磨耗材の厚みが純正よりも多いことと、効きの良さはトレードインされ、純正同等の距離を走れるのではないかと期待しています。
尖ったレーシングスペックではないことは街乗りの扱いやすさ、温度依存性の無さも確認できています。
これまで私は社外パッドをいくつも試してきましたが、純正パッドってけっこうバランスが良くて、そしてやや高価です。
ブレンボのセリエオロシリーズは、型番によっては純正よりも安く、そしてグレードアップできることからコスパにも優れていると言えます。
まとめ
ブレンボはフラッグシップと言えるレーシングキャリパー、マスターシリンダ、レーシングディスクを幅広くラインナップしていることや、高性能モデルに純正採用されているイメージからも高額品のイメージがあるのではないでしょうか。
今回紹介したセリエオロというシリーズは一般道をメインに使うユーザーも対象にできる価格帯と耐久性、性能、そして質感を兼ね揃えてあり、ちょっとアップグレードさせたい人や、STDローター磨耗交換時にチョイスしても手の届く価格レンジが絶妙です。
つまり、消耗品メンテナンスなのにアップグレードできるカスタムパーツでもある。と言えますねっ
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