バイクのパワーアップというとボアアップとか色々あるけど、最初にオススメしたいのがハイカム。比較的価格も抑えめだし、取り付けもそこまで敷居が高くない。なのに効果は絶大。昔の鉄カブなんかでは、ボアアップしてもあまり効果を実感できなかったけど、排気量ノーマルでハイカムつけた方が効果覿面だった、なんて話もよく聞くのよね。今どきのハンターカブではちょっと事情が変わるかもだけど。というわけで今回はキタコのハイカムと、同じくキタコのI-MAP。いわゆるサブコンね。あと、キタコのハイカム+IMAPはJMCAマフラー同時装着を推奨しているので、デルタのバレル4-S MINIサイレンサーを組み合わせて装着してみたよ。

パワーを上げたいならまずはハイカム

ハンターカブを買ったらどうしてもやりたいことがあったのよ。それがハイカム+サブコンの導入。自分のハンターカブ(JA55)は、基本的に良く走るし気に入ってるんだけど、ちょっと低回転のトルク感が物足りなく感じる時があるのよ。自分がカブシリーズを好きな理由の一つとして、走り出しのパンチがあるんだけど、ハンターの場合はもう少しグワッときても良いかなー、と。

トルクとかパワーをなんとかしたいなら、エンジンカスタム。エンジンカスタムというと、一番最初に手をつけるのはマフラー交換って人が多いと思うのよ。見た目も変わるし、音も変わるし、軽くなるし良いことづくめ。じゃあその次になにするかってってとこで、ハイカムをすすめたい。
マフラー交換することで特性変化はあっても、マフラーだけでパワーアップというのはなかなか難しい物らしいのよ。でもハイカムなら確実にパワーがあがる。パワーが増すってことはガソリンを燃やす量も増えてるから、燃費も多少は悪くなるけどそれは仕方ない。ハンターカブは燃料タンクも大きいし、元々の燃費も良いしちょっとくらい余裕でしょ。

ちなみに、ハンターカブ以外にスーパーカブ90(HA02)も持ってるんだけど、そちらはボアアップ・ハイカム・ヨシムラYDキャブと、割とてんこ盛り。インジェクションであるところのハンターカブだと、ボアアップ・ハイカム・ビッグスロットルボディ・サブコンってコースになるかな。でも、ハンターカブは125cc※なのでボアアップすると原付二種じゃなくなっちゃうのよね。いつかはやってみたい気もするけど、とりあえずは敷居の低いハイカムから。というか、ハンターカブはノーマルでも別に遅くないからね。ハイカムだけで十分かと。
※カタログ値124cc

ハイカムは各社から出てるけど、今回はキタコのハイカム タイプ1。タイプ1は中低速向けでタイプ2ってのもある。ただ、タイプ2に関してはボアアップエンジン向け。なんでこれを選んだかというと、中低速向けって明示されてるのよ。中低速のパンチが欲しい自分にはベストでしょ。

公式サイトのトルクカーブを見るとこんな感じ。6000rpm以上でのトルクはノーマルと比較して圧倒的なんだけど、低回転でもノーマルよりトルクが出てる。

キタコ公式サイトより、ハンターカブJA55のノーマルカムとハイカムタイプ1のトルク比較カーブ

さらにパワーカーブ、こっちは馬力ね。最近はカタログ値でもkW表記が増えてるけど、やっぱps=ホースパワーがわかりやすいのよね。ちなみにpsの意味は、ドイツ語にしてPferdestärkeを略したものらしい。ヤードポンド法だとHorsePowerでHP。ややこしいね。換算する場合は、1ps=約0.735499kWで、1HP=0.7457kWらしい。

こちらも低回転からノーマルよりパワーがあり、5500rpmから大きく差がついてくる。

キタコ公式サイトより、ハンターカブJA55のノーマルカムとハイカムタイプ1のパワー比較カーブ

というわけでキタコのハイカムがすごく良さそうなので、当然組み合わせるサブコンもキタコのI-MAPがベスト。

で、このI-MAPがめちゃめちゃ魅力的なのよ。なんせ配線不要のカプラーオンで、筐体自体も凄くコンパクトで収納ラクチン。あとぶっちゃけ安い。想像だけど、外部端末との通信機能をオミットしたり、ユーザーによるマッピング機能をオプション設定することで、敷居の低い価格を実現してるんじゃないかな。セッティングはプレインストールされたものをディップスイッチで選択するだけ。シンプルで十分な実用性なのよね。

もうひとつ注意。キタコのハイカム+I-MAPの組み合わせはJMCAマフラー装着を想定してセッティングされてるので、装着時にはJMCAマフラーでよろしく。

ハイカム交換作業はカブ専門店のカビィさんに教えてもらうよ

カムシャフト交換をしたことがないので、作業はいつもお世話になっている愛知県豊橋市のカブ専門店「M&F Cuby」の影山さんにお願いするよ。もちろんこれまでにハンターカブへのハイカムやサブコン取り付け作業も多数行なってる。
今回は宜しくお願いします。

影山さん「こちらこそよろしくお願いします。キタコさんのハイカムとI-MAP装着ですね。ちゃんと工具が揃っていればそんなに難しくないですよ。カム交換というと敷居が高く思われるかもしれませんが、丁寧にやれば特別に難しい事は無いんですよ。I-MAPもカプラーオンなので、初めてのエンジンカスタムにも非常に良いと思います。もちろん、難しいと思ったら無理せずショップにお願いしてくださいね。」

頼もしい。そう思ってちゃんと説明書指定の工具も揃えてきましたよ。

影山さん「うちにあるのに。ところで、JMCAマフラー同時装着を推奨しているはずですが、マフラーはなににしたんですか?」

実はちょうど昨日、デルタ バレル4-S MINIサイレンサーが届いたので、それを装着してます。

影山さん「じゃあ具合見てみたいので、ハイカム付ける前にちょっと試乗させてください」

オッケーグーグル!

デルタ バレル4-S MINIサイレンサーは、中低速からトルク感が強くて最高に良い感じ

というわけで、ちょうどハイカム装着直前に装着したデルタのバレル4-S MINIサイレンサー。これ、すごく良かったのでちょっと触れさせて。

デルタってオンロードではあまり馴染みがないかもだけど、オフ界隈では定番の人気マフラーブランドね。バレル管なんて言われ方もするらしい。公式によるとパワーカーブはこんな感じ。

ダートフリーク公式サイトより、デルタバレル4-S MINI ハンターカブ(JA55)用のパワーカーブ比較

走り出しはノーマルより力強く、6000rpmから大幅に出力を向上させる。4000~5800rpmまではノーマルと似た特性で推移。総合してみるとノーマルよりもフラットでスムーズな特性になってるのが見て取れる。ちなみに重量は3.14kg。

走り出した印象は、スタートからトルク感が素晴らしい。特長としてエキパイがすごく長い、つまりトルクを作りやすい設計だと思うんだけど、見た目の通り中低速がノーマルよりはるかにたくましくなるのよ。パワーカーブを見ると中速域はそこまでノーマルと差がないように見えるけど、おそらくノーマルよりトルクが出てる気がする。だってノーマルより全域で力強いもん。
で、そのまま高回転まで綺麗につながる。回転が上昇するけど力不足、みたいな不満が完璧に解消されてる。街乗りやツーリングなんかの公道で良く使う回転域が物凄く気持ち良い

影山さん「いや、乗ってみたけど、ものすごく良いね。中低速のパンチがノーマルより明らかに増してる。すごく好感触ですね。急いでハイカム付けなくても、これだけでも満足できちゃいそうですね」

そうなんですよ、割とレーシーな見た目なんで、低回転に不満出るかと思いこんでたんですが、バレル4付けただけで走りの不満がほとんど解消されちゃったんですよね。
ノーマルだと、走り出しがスンッって感じで物足りなかったんですが、こいつはグッとくるんですよ。

影山さん「マフラーの取付がサス取り付けボルトとサイドカバー部分の2点を使ったステーになってるのもポイント高いですね」

そうなんですよ、このステーを介した取付形状もバレル4の特長じゃないかな。他で見ないし。

影山さん「これから装着するっていう時にこういうこともアレなんだけど、ハイカムってカムプロファイルによって性格が違うんです。オーバーラップによって高回転が良く回る代わりに、低回転が犠牲になることもあるんですよ。マフラーとの相性やサブコンのセッティングにもよるから一概には言えないですけど、可能性としてバレル4の中低速の良さがスポイルされる可能性もありますよ」

いやいや、なんせステージ1は中低速向きって書いてあるし、逆にいえば素晴らしいマリアージュで中低速が太く、高速まで気持ちよくつながる可能性もあるってことですよね。さ、つけましょう。

ノーマルカムを外そう

ここからはハイカムの取り付け工程を追っていくよ。必要な工具はコチラ。

一部、カム交換で必要な特殊なものもあるので、そちらをチェックしていくよ。まずはユニバーサルホルダー。
ホンダ純正の特工、つまり特殊工具で品番は07725-0030000。こいつがキタコ説明書での推奨工具になってるのよ。たぶんディーラーとかで注文すれば購入できると思うんだけど、ネットで探してみたところ、普通には売ってないみたい。でも大丈夫、webikeで扱ってた。

あと、タペットアジャストレンチが必要なので、キタコのを買った。グロムモンキー系エンジンに適合した、たぶん新しいモデルじゃないかな。表面仕上げがクロムメッキでカッコ良くなってるし。

工具以外では、交換用のOリングも。

さて作業開始。
影山さん「まずはタイミングホール、シリンダーヘッドカバー、タペットアジャスティングホールカバーを外し、その後ピストンをBTDCに持っていきます。作業前に、ヘッド下にオイル受け用のバットとかを置いておくと良いですよ。少量ですが、オイルが垂れる可能性があります」

影山さん「タペットアジャステイングホールカバーを外す時は、戻す時に向きがひっくりかえらないよう、マジックなどで目印を書いておくと良いですよ」

影山さん「ここまで外したら、クランクケースのホールからクランクシャフトを回して、ピストンをBTDCに持っていきます」

BTDCってなんすか?

影山さん「before top dead centerの略で、いわゆる上死点です」

それなら聞いたことありますよ。ピストンが一番上にある状態ですよね。

影山さん「おおむねそうなんですがそれだけじゃまずいんですよ。4サイクルエンジンはクランク2回転で1回爆発します。つまりピストンは一番上まで2回行くんですよ。でもBTDCはそのうちの1回だけです。やってみましょう」

影山さん「クランクシャフトを回していくと、窓からTという文字が見えますよね。これが目印です」

影山さん「近くにFという文字もあるので、くれぐれも間違えないように」

影山さん「BTDCの見つけ方は、Tの表示位置とカムスプロケットのマークで確認できます」

わかりにくいといけないので、ちょっと拡大。

影山さん「カム交換作業もタペット調整も、必ずBTDCで行わなければいけないので、念のためタペット部を触ってみてください。BTDCでは、ロッカーアームがフリーになるので、ちゃんとBTDCであればカタカタっと動くはずです。逆にここがカチッとして動かなければ再度クランクシャフトの位置を確認してください」

影山さん「BTDCにあることが確認できたら、カムスプロケットを外しますが、その前に傷をつけないようアンダーパイプを養生しておきましょう」

12mmで外すんだけど、アンダーパイプがぎりぎり干渉しそうな位置にあるのね。

影山さん「ボルトを外したら、ピックツールなどで、カムスプロケットを丁寧に外してください。爪もありますし、チェーンもあるので、傷つけないよう丁寧に」

影山さん「そうしたらストッパープレートを外してください。工具は10mmになります」

影山さん「あとは、タペットジャストレンチで吸気側と排気側両方のタペットを緩めましょう。これでカムを抜くことができます」

いや、見てるとあっという間ですけど、これで折り返しですね。

影山さん「わかりやすく油断してますね。タペット調整が必要なので、外す時より戻す時の方が時間がかかりますよ。せっかくだからカムを比較してみましょう」

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