
ブレンボはミラノショー2023(EICMA)出展ブースにて、4種類の新製品を初公開! うちバイク用パーツは3種で、アシンメトリーの軽量キャリパー「HYPURE(ハイピュア)」、GP4シリーズの最新モデル「GP4-MotoGPキャリパー」、クラッチマスターシリンダー「16RCSコルサコルタRR」が登場した。さらにSSV(サイドバイサイドビークル:オフロード向けモビリティ)向けキャリパーとディスクも登場。いずれも発売情報の詳細は未発表だが、遠からず市場に現れるのは間違いない!
Brembo HYPURE
https://www.youtube.com/watch?v=9mI1NLcxJNY
目次
クラス最軽量を実現!アシンメトリーの「HYPURE」
左右非対称のボディが特徴的な新型キャリパー「HYPURE」は、軽量化と操作性の強化にウエイトを置いて開発。ピストンは対向4ポッドとなっており、同クラスの従来品に対して約10%の重量減を果たしたという。もちろん剛性は高いレベルが維持されているため、純粋な性能強化といえるモデルだ。詳細な諸元は未発表だが、内部構造では特許取得設計に基づく独自のスプリング・パッド・ピンシステムを採用。キャリパーとパッド間に特別加工を施した軸受面によって、残留トルクを最小限に抑えているという。
ネーミングは「HYPER」と「PURE」を掛け合わせた造語からきており、優れたパフォーマンスと合理的な設計、フォルムを表現している。ブレンボは「トラックとオープンロードの両方でライダーにエキサイティングな体験を約束します。キャリパーのダイナミズムとエネルギーは本物であり、エンスージアストのライダーにとって不可欠です」とコメントしており、サーキットから公道まで幅広いフィールドをターゲットとした性能に期待したい。
ミラノショー2023のブレンボブースに登場したHYPURE。左右非対称のデザインは従来のブレンボにはないデザインだ。
従来品から約10%の軽量化を果たしつつ、剛性を保つ新設計を採用。実際の発売が楽しみだ
MotoGPの技術をフィードバックした最新のGP4シリーズ「GP4-MotoGPキャリパー」
「GP4-MotoGPキャリパー」はアルミビレット加工の公道向けモノブロックキャリパーだ。MotoGP採用キャリパーでは標準的な斜めレイアウトのパッドスライドが特徴的で、レースシーンからのフィードバックをロードシーンに持ち込み、シャープな制動力の発生を実現した。また、アンチドラッグシステムと瞬時のパッドリリースコントロールを強化。パッド摩耗の軽減も考慮されている。
外見上の大きな特徴はボディの外側のベンチレーション用フィン。従来モデルにも備えられていたが、新型では更に面積を拡大している様子で、熱交換を促して冷却効率を高め、ブレーキディスクとホイールの回転が引き起こす空気の動きによって効率的な冷却を行う。この機能性に加え、シャープで大胆なデザインはレーシーで印象的なシルエットとなった。またボディ全体にはニッケルコーティングが施されている。取付ピッチは100mmだ。
こちらもミラノショー会場に展示された新型「GP4-MotoGP」。ボディの新設計により制動力をシャープにし、高い冷却効率も発揮する公道用モデルだ。
ボディは対向4ポッド、モノブロックのアルミビレットキャリパーとなる。表面加工はニッケルコーティングだ。
クラッチにもMotoGPフィードバック!新型クラッチマスター「16RCSコルサコルタRR」
「RCSコルサコルタRR」シリーズのデザインを踏襲する「16RCSコルサコルタRR」は、ビレット製ボディにブラックの硬質アルマイトコーティングを施した仕上げのクラッチマスター。ボディの優れた耐摩耗性とコンポーネントのスムーズな動きを実現しているほか、メカニズム面ではフローティングピストンとシールもMotoGPと同一仕様となっている。
ピストン径は16mmのフローティングピストンを採用。大排気量エンジンでの走りのフィーリングとパフォーマンスを高めるほか、アイドルストロークは、レース用マスターシリンダーと同様の最小値にあらかじめ設定済。使用時のより高い精度を体感できる。販売時には取付用の付属品がセットになったキットとしてリリースされ、2024年3月に発売予定だ。
ミラノショー会場に展示された新型「16RCSコルサコルタRR」。高品質な表面処理が最適なクラッチのタッチを実現する。
こちらは発売時期が発表されており、2024年3月には取付パーツとのセットで販売予定だ。
SSV向けキャリパーとディスクも登場!
オフロード向けの多輪モビリティ、サイドバイサイドビークル向けのブレーキキャリパーとディスクも発表された。既存のブレーキシステムに対して制動性能が高く、簡単なメンテナンス性を持つほか、アルミキャストの頑丈なボディはオフロードでの過酷な走行シーンにも耐える。構造は対向4ピストンで、ディスクはクロスドリルドスチールブレーキを採用。従来品から1.55 kgの軽量化を実現した。
F1マシンからスーパーカーまで、モータースポーツ全体で活躍するブレンボ。オフロードでもバハ1000での採用など、ハードユースにも耐える性能は実証済みだ。
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