9月23~24日にタナックスの開催したスマートモニター(スマートライドモニター)の展示発表会、一般参加可能だったので実際に足を運んだ方もいるのでは?
ここでは、会場に行けなかった方のために、実際に訪問した展示会の様子と、タナックスから聴いた製品の詳細について、現時点で判明している事を詳細に報告しよう。
目次
既にタナックスでは公式サイトが存在している!
タナックスのトップページに大きくバナーが置かれていて、クリックすると「スマートライドモニター専用ページ」に行けるようになっている。
発売前の製品をここまで大きく取り扱うのはタナックスとしては異例で、かなり熱を入れて取り組んでいるのがわかる。
発売予定は今秋11月ごろを予定しているそうだが、発売されると今までに無い、かなり画期的な製品となる。
ツーリングライダーをサポートする便利な製品をリリースし続けてきたタナックスなので、このモニターに賭ける本気度がうかがえる。

パソコン版もスマホ版も、インフォメーションよりも上部に表示されている専用ページへの誘導バナー
タナックスの本気度が垣間見える
そもそも「スマートモニター」とは何か?
聞き慣れない言葉かもしれないがそれは当然で、バイク用としてはほぼ初登場に近い物となる。
「バイク用としては」というのがポイントで、実は4輪車用では既に一般的になりつつある物だ。
スマートモニターとは、自分が持っているスマートフォンとBluetoothで無線接続し、スマートフォンの各種アプリを表示したり操作できるようにする装置を言う。
いちいちスマートフォンを取り出さなくともダッシュボード上に据え付けてある大きな画面にスマホアプリの画面が表示され、その大きな画面を直接操作する事で各種操作が可能になるものだ。
電話に出る、ナビ画面を表示する、などの基本操作がアップルなら「CarPlay」、アンドロイドなら「Android Auto」というアプリを利用する事で可能になる。
最近の四輪車では設計段階からこれらを接続する事が前提となっており、手を離す事無くスマホ操作ができるようにハンドル周辺に操作スイッチが配置されていたりする。
それくらい便利で重要で一般的になっている『ワイヤレス接続の操作モニター』だ。
ところがバイク用ではこれまでこういった製品は存在していなかった。
モニターの置き場所が限られている事や、スマホ本体を直接マウントする『スマホホルダー』の普及によって、スマートモニターの発展が遅れた感は否めない。
そんなバイク界にやっと登場したのが、このタナックスのスマートモニター(スマートライドモニター)だ。
車用と決定的に違うのは、ヘルメットに装着したインカムともBluetoothでワイヤレス通信し、音声や音楽を流したりすること。
つまり、スマートモニター(スマートライドモニター)はインカムの普及があってこそ登場できたシステムとも言える。

「CarPlay」や「Android Auto」を利用してスマートフォンと連携、Bluetooth通信でワイヤレスに各種アプリの操作が可能だ
リアルタイムでメッセージ通知を出したり、オンラインナビで最新の地図によるナビゲーションが可能となる

音楽コントロール画面とナビ画面の同時表示だ
各種機能満載!
タナックスの専用ページに製品の特徴が書いてあるが、とにかく多機能で、単にスマホマウントの代わりになるモニターとは一線を画している。
四輪車のスマートモニターと同様の事をバイク乗車中にする、それだけならスマホを直接マウントする今までの仕様でも可能であったが、操作性はお世辞にも優れているものではなかった。
しかし、スマートモニターでは乗車中の操作を前提に設計されたアプリである「CarPlay」や「Android Auto」では様々なアプリを一元管理する事が可能なので、圧倒的に操作性に優れている。
スマートモニターはスマートフォンを直接マウントする今までの方式とは異なりスマートフォン本体をバイクに固定しない。
スマートフォンはジャケットのポケットやツーリングバッグの中に収納しておけるので、スマートフォン本体を破損する確率を激減できる。
落下させたり、振動でカメラが壊れたり、直射日光の熱で動作停止したり……、そういったありがちな事象と無縁でいられる。
慎重に扱っているつもりでも『転倒』という可能性が常にあるバイクなので、一番大切な頭脳(スマホ本体)を外部に露出しないで済むバイク用スマートモニターには、それだけで価値がある。
もしも転倒してスマートフォン本体が破損してしまった場合、自分で救急車が呼べなくなってしまうのだから、スマートフォン本体を守りつつ快適な操作画面を提供するスマートモニターは今後のツーリングライダーの必需品になる可能性が非常に高いはずだ。

スマートモニターを使えば頭脳であり生命線とも言えるスマートフォン本体を車体外部に装着しないで済む
バイクの場合、それだけで何物にも代え難い価値があるはずだ
今秋発売!その名はスマートライドモニター AIO-5 Lite
今回発表されたスマートモニターは『スマートライドモニター AIO-5 Lite』が正式な製品名だ。
品番はSRS-001、バイク用スマートモニターとして初登場ながら単なるモニターに留まっていないのがこの製品の特徴。
なんとドライブレコーダー、死角検知システム、タイヤ空気圧モニター機能まで搭載している。
これ1台でツーリングライダーの欲しかった電子装備がほぼ全部揃ってしまうのだ。
製造に関しては、中国の車載向け電子機器メーカーであるCHIGEEとなっている……と言うより、CHIGEEの商品をTANAXが日本向けに仕様変更して販売しているというのが正しい表現になる。
CHIGEEは母体となる企業が中国の公共交通機関の無線などを製造しているメーカーであり、「CHIGEEブランド」は一般ユーザー向けハイエンド車載電子機器のブランド名となる。
CHIGEE製品の日本での正規代理店をしている輸入代理元からも発売されるが、タナックスが発売する物は日本向けソフトウェアとなっており、見た目は同じだが内容が異なる。
価格はどちらも¥82,500(税込)だ。
なお、タナックス版は日本国内向けに独自のソフトウェアを搭載するので日本以外の海外では使用できない。
逆に言えば中国本国から個人輸入などしても中身が異なるので要注意だ。
アフターサポートや日本仕様のソフトウェア内容などを考慮して選択する形となる。
ワイヤレス通信
Bluetoothを使ってワイヤレスに連携し、アップルのCarPlay、アンドロイドのAndroid Autoに対応している
スマホとの接続規格はW56帯を使用する。
DFS(通信周波数の帯域をリアルタイムで変えるシステム)の採用により電波法に適応した形となっている。
総務省令によって定められた技適マークは現在取得中で、デリバリー開始までには取得可能とのことだ。
DFSはBluetooth接続する際に周辺での使用帯域をスキャンするため接続に60秒弱掛かるが、DFS機能は生産国である中国では未搭載であり日本バージョン特有のものだ。
インカムとの接続はモニター側でなくスマホとBluetoothで接続する仕様になっている。
これはインカム音声の遅延を防ぐのが目的だ。
つまり、モニターはインカムとスマホの操作用のハブとして機能する仕様だ。

スマートフォンと有線接続する必要は無い
接続はタナックス独自のソフトウェアを使った日本国内仕様となっている
ドライブレコーダー機能搭載
前後カメラを標準装備しており、接続するだけでドラレコとして機能する。
カメラはFDS振動補正カメラであり、1080P、27.5fpsで録画可能。
この27.5fpsというフレームレートはLED信号機に対応したもので、ドラレコ録画の際にLED信号が消灯したり点滅したりして録画されない仕様だ。
驚くべき事に振動検知式の駐車監視緊急録画機能まで有している。

カメラ本体は非常に小型で装着場所に苦労する事は無さそうだ
防水、防塵性能はIP67相当なので安心だ
前後カメラで撮影した画像は前後合成録画も可能

カメラのレンズは6枚構成の非常に複雑な物だ
画角は136°の広角で、SONY製のイメージセンサー(STARVIS)を採用
明暗に強いHDR録画が可能となっている

前方カメラ映像をモニターに表示したところ

同じく後方カメラ映像をモニターに表示したところ
画面内のガイド線は4輪車に装着したてバック駐車する際のものだろうが、左右のゾーンはミラーの死角となる部分でもある
死角検知システム(BSD)機能搭載
後方カメラを利用し、バイクの死角から接近する車両を自動で検知可能だ。
検知にはスマートAIを使い、後方から接近する車両がある事をモニターに表示してライダーに警告してくれる。

四輪車ではお馴染みの死角モニター機能は、斜め後方の死角に居る車両を教えてくれるので車線変更などの際に便利だ
自身の安全のためにも非常に有効で、特にミラーによる後方確認のしにくいSSなどで重宝するだろう
非常に頑丈な本体
メインモニターである本体部分は風雨が直撃する車体外部にマウントされる事を考慮して非常に堅牢な造りとなっている。
防水・防塵性能はIP67(水深1mまで、最長30分間水に耐えられる)相当となっており、レインカバー無しで運用する事が可能だ。
チタンアルミ合金と3軸フロート構造によって放熱性と耐震性を確保している。
モニター画面は1000nitの高輝度IPS液晶を採用しており、昼夜を問わず広範囲の角度から見れる。
もちろんタッチパネル対応だが、タッチパネル非対応のグルーブでも操作できるように本体上部に主要機能(CarPlay、Android Auto、カメラ映像、メーター、画面OFF)のホットキーを装備してある。
さらに、高レート測位のGPSで正確な走行記録を取れる。

オプション装備に防水レインカバーが無い事からも、防水・防塵性能に絶対的な自信がある事がわかる
専用アプリとオプションのセンサー追加で機能充実
本機専用のアプリを使うと録画した映像や画像をスマートフォンにダウンロードできる他、アプリには編集機能があるので走行位置情報、時速、タイヤ空気圧データ(センサー別売)などのパラメータを追加する事が可能。
別売りのオプションとして「タイヤ空気圧センサー」と「ワイヤレスプロリモコン」も発売される。
タイヤ空気圧センサーは前後2つがセットになっており、エアバルブキャップと交換するだけの簡単装着仕様。
タイヤ空気圧の他にタイヤ温度もリアルタイムでモニターに表示させる事ができる。
ワイヤレスプロリモコンは本体操作を画面ではなくハンドル付近の手元で行うためのリモコンだ。
これもありがちな有線接続ではなくワイヤレスで本体と連動する。
通話、アプリ切り替え、画面切り替えが可能になる優れものだ。

リモコンはワイヤレスなので配線作業が不要、左ハンドルスイッチ付近に設置するのが良いだろう

空気圧センサーはタイヤを外してバルブ本体を交換するなどの重整備が不要なので、手軽に装着可能だ

展示会で実写に装着されていた空気圧センサー

このように前後タイヤで独立して空気圧と温度がモニターできる

空気圧センサーの実物と空気圧関連の設定画面
センサーが非常に小型であること(もちろんワイヤレス)と、設定画面もしっかり日本語対応しているのがわかる
液晶は5インチサイズ
タッチパネル操作のしやすさや、ナビ画面の見やすさを考慮すると、画面は大きければ大きいほど良いはずだ。
しかし、現実問題として巨大すぎる画面は設置場所の制約が大きい。
そんな中、タナックスのスマートモニターは5インチの液晶サイズとなっている。
純正メーターの見やすさを維持したままで操作性や見やすさを考慮するとなると、現実的にはこの程度のサイズが最も実用的なのだろう。
会場で見る実機の画面はIPS液晶のため視野角が広く、どの角度からも液晶は見やすかった。

5インチの画面はiPhone SE(第3世代)くらいの大きさだ

SSにマウントしてもメーターの視認性に問題の無いサイズ

展示会会場ではZX25R、ロイヤルエンフィールド、CT125に装着されていたが、どの車種も純正メーターをスポイルしていなかった


CT125に装着するとこのサイズ感
操作感について
展示会会場では実機に触れる事ができたので実際の操作感も試す事ができたが、操作に際に引っかかりを感じるような重い部分は無かった。
重めの地図アプリをCarPlayを通して動かした際も地図データの読み込みスピードは早く、特に描画遅れも見られない。
体感では30FPSほどの描画枚数に感じた。

重めのナビアプリなどでも動作は快適だった
装着時の結線は特筆すべき簡易さ!
この多機能スマートライドモニター、さぞ複雑な配線が必要なのだろうと思いきや、なんと車体側と接続する電源ケーブルは1本のみである。
ドラレコとモニターでそれぞれ別の電源コードが必要なわけではなく、モニターへの電源供給ケーブルのみが車体側と接続される仕様だ。
このため、他メーカーのドラレコと取り付け難易度は一切変わらないと感じられた。
他メーカーのドラレコにはボックス状のドライブレコーダー本体(カメラ以外のユニット)があるが、そういった物はモニター本体内に格納されている。
このためシート下スペースを圧迫しないうえにユニットの配置で悩む事もない。

モニター本体から出る電源コードを接続するだけ
本体以外に別のユニットが存在しないので装着のしやすさは他社のドラレコ装着と大差無い
スペック表

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