
バイク用ハードケースで圧倒的な知名度を誇るGIVI。その信頼性とブランド力は抜群で、2023年には世界累計200万個を達成したという。
そこで、愛車に初めてGIVIを装着する筆者が実際の使い勝手をレポート。スーパーカブ110(JA44)に定番ベストセラーのモノロックケースを取り付けてみた!
目次
見せてもらおうか、40年以上ベストセラーの実力とやらを!
普段はド定番の「ホムセン箱」(ホームセンターで売っているリヤボックス)をスーパーカブ110(JA44 2021年式)に使っている筆者。そんな私にとってGIVIは、まさに高嶺の花だ。
筆者のスーパーカブ110は、スポークホイール+ドラムブレーキ採用のJA44。カブのボックスでは定番中の定番、ホムセン箱を愛用している。
イタリアのGIVIは1978年に設立。世界70か国以上で販売され、40年以上にわたってバイク用ケースで世界一の販売実績を記録している。機能性、デザイン性ともに高く、その分、お値段もお高めだ。
GIVIのトップケースには様々なモデルがあるが、汎用ベースを用いて純正キャリアなどに装着しやすい「モノロック」シリーズと、車種別の専用フィッティングで取り付ける「モノキー」シリーズに大別できる。
筆者は試乗車でGIVIを使ったことはあったけど、自分の愛車に装着するのは初めて。そこで選んだのはベストセラーの「モノロックケース B32 BOLD」だ。汎用ベースで取り付けるスクエアタイプで、ストップランプなどがないシンプルな定番モデル。取扱元のデイトナによると、日本で一番売れているGIVIハードケースという。
「B32NBD モノロックケース <32L> グロッシーブラック(パネル)」。価格2万1450円。奥行433×幅405×高さ303(mm)。ケース内最大積載重量は3kg、重量はベース込みで3.2kg。パネルはブラックのほか、シルバーがあり、バックレストやネット&レール付きのタイプも選べる。
ボックス本体のほか、汎用ベース+ベースカバー、キー×2、装着用金具、取扱説明書、保証書が同梱。
ブラックパネル仕様はGIVIのロゴがメタリック。ソリッド塗装に比べてキズや汚れが目立ちにくいという。プッシュボタンは一般的に赤だが、この製品はブラックで一体感を高めている。
ホムセン箱から約7倍の価格だけに実用性は圧巻!
ベルト込み3200円程度で買えるホムセン箱に対し、約7倍も高額……。しかし、それだけに使い勝手は抜群だ。
まずボックス本体が堅牢。比べるまでもないだろうが、ホムセン箱は力を入れればグニャリと曲がる感じなのに対し、GIVIは剛性があり、耐衝撃性が高そう。
ベースをボルト留めし、ガッチリとケースがロックされるため、安定感もある。防犯性に関しても専用の鍵が付属し、ベースにロックできるGIVIの方が断然高い。
黒のせいかコンパクトに見えるが、意外とホムセン箱より容量がある。筆者のホムセン箱はサイズが奥行36.1×幅45.5×高さ35.1cmで、容量は30L。B32BOLDの方が容量は2L多い。
形状は正方形に近く、A4サイズがスッポリ入る。下部ボックスがやや浅く、上ブタが深いのも特徴。底が深くギリギリまで小物を積めるホムセン箱に対し、GIVIは中の荷物やヘルメットが取り出しやすい。
開け方は、キーを右(3時方向)に回し、上側のボタンを押せばロックが外れる。この状態で下側ボタンを押すとベースからボックスを外すことができる。
右側にストッパーのヒモがあるので、フタが全開にならない。さすがホムセン箱とは違う!
底面は、ロック機構で最大3cmほど出っ張っているが、他はフラット。
フルフェイス(SHOEI Z-8 Lサイズ)を入れても余裕あり。500mlペットボトルがあと3本は入る。
フタが噛み合う箇所は上下とも二重構造。完全防水ではなく、パッキンなどは非装備ではあるものの、よっぽどの雨でない限り問題ないだろう。
容量43LのE43NTLなら、形状次第でヘルメット2個が入る!
同時に容量43Lのモノロックケース「E43NTL」をテスト用にお借りした。ベースはB32BOLDと共通の汎用タイプなので、ベースを外さずにボックスだけ入れ替えることが可能だ。
明らかに容量が大きく、ヘルメットの形状によっては2個収納できる。普段使いや日帰りならB32BOLDもいいが、宿泊ツーリングをするならコチラがオススメ。各部の造りもこちらの方が豪華だ。
「E43NTL 未塗装ブラック」価格2万6400円。奥行455×幅546×高さ335(mm)。最大積載重量3kg、重量(ベース込み)4.2kg。
底面にはロック機構と若干の凹凸があるが、広くて使いやすい。ストッパーは両側に装備。
フルフェイス(Z-8)とジェット(アライSZ-α ともにLサイズ)は押し込んでギリギリ収まったが、形状によっては2個収納は難しそう。
E43NTLは上ブタのフチが三重構造で、ボックス下部にはパッキンも装備。B32BOLDより丈夫な造りで高度な防水性にも期待できる。
装着してみたらキャリアの関係でベースがリヤ寄りに
ここからはスーパーカブ110(JA44)の装着方法を解説したい。結論から言えば、汎用ベースでも何とか装着できるが、安定感や見た目を重視するなら別売パーツを使った方が断然オススメだ。
まず付属の固定パーツを使って、ベースとキャリアを固定してみたが、JA44に限らずスーパーカブのキャリアは構造が少し独特。一般的なリヤキャリアは下部にすき間があるのに対し、カブ系はリヤフェンダーとほぼ密着している。
そこで、すき間を確保でき、付属の金具で固定できる箇所を探っていくと、ベースが後ろ寄りになってしまった。
付属の波形プレートとボルトを使ってベースとキャリアを固定する。
純正リヤキャリアの裏側。固定用ボルトのマウントが中央にあり、車体とのすき間が確保できず、リヤ寄りにしかベースが装着できない。
キャリア裏側の形状や車体とのすき間を探っていくと、ベースの装着位置がこれぐらいリヤ寄りになってしまう。
カブ向けの専用パーツもアリ、これでベストな位置に
そこは国内正規代理店であるデイトナも承知のようで、同社オリジナルの「77639 スペシャルキャリア」(8580円)が用意されている。
ちなみにカタログでは「スーパーカブ110(JA10)と同50(AA04)、クロスカブ110(JA10)」のみが適合車種となっているが、デイトナに問い合わせてみると、愛車スーパーカブ110(JA44)にも適合しているとのこと。つまりキャリア形状が共通の現行110(JA59)と50(AA09)、クロスカブ110/50(JA45、JA60/AA06)にも装着可能だ。
「77639 スペシャルキャリア」(8580円)。キャリア×2のほか、ボルトとワッシャー、取扱説明書が付属。
スペシャルキャリアを取り付けていこう。まずは純正リヤキャリアのボルトを外す。内側のワッシャーは使用しないが、ナットは再度使用するので、保管しておく。
リヤサスを固定している袋ナットをソケットレンチ(14mm)で着脱。
次にリヤキャリアをフレームに固定している12mmボルト×2を外す。
本体とリヤキャリアをマウントしているボルト2本を外す。このボルトは使用せず。
続いてデイトナのスペシャルキャリアを純正キャリアの上から取り付ける。純正キャリアは外さなくてもOKだ。装着に関しては説明書の絵を見れば一目瞭然(笑)。
リヤサスのマウントボルトにスペシャルキャリアの先端(切り欠き)を挿し込み、純正の袋ナットで共締め。締め付けトルクは29Nmだ。
純正キャリア固定用のボルト穴に、付属の黒い六角穴付ボルト(M8)を固定する。
これでスペシャルキャリアは固定完了。続いて汎用ベースを置いて、GIVIボックスに付属するスクエアワッシャーの取り付け位置を決める。標準位置のセンターから前後に3cm程度は調整可能。筆者の体格ではボックスに背中が当たるので後ろ寄りにしてみた。
スペシャルキャリア付属の黒いワッシャーと六角穴付ボルト(M6)でベースを固定。ついにベースがセンターに装着できた。最後にゴム製のベースカバーを取り付ける。
ボックスの装着は、前側のツメ×2をベースの穴に合わせて、リヤ側の穴に押し込めばロックされる。
B32BOLDを装着! 先程と違い、スペシャルキャリアを使えば走行バランスも見た目もバッチリ。乗車中は背中にも当たらず快適だった。
[まとめ]カブ主は専用キャリアを推奨、そしてGIVIは超便利!
B32BOLDやE43NTLなどのモノロックケースをスーパーカブに装着しようと考えている人は、やはり専用のスペシャルキャリアを使うのが便利。試行錯誤してフィッティングパーツを自作するのもいいが、実にラクチンだし安心感が高い。
それにしてもGIVIケースの使い勝手は素晴らしい。カッチリした造りと洗練された外観、そして着脱がワンタッチでできるのがいい(筆者はホムセン箱をベルトで固定しているため、着脱がタイヘン!)。
やや値は張るものの、その価値は十分。世界中でベストセラーになるのも納得だ。
取り外した際は持ち手が便利で、運搬も楽々。これもホムセン箱にはない美点だ。
今なら個数限定のGOLDバージョンもある!
世界中で200万個の販売を記念したゴールドバージョン
800個限定モデル モノロックケース B32GOLD(2M)
専用エンブレムとサテンゴールドのパネルを装備している
200個限定モデル モノロックケース E43GOLD(2M)
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JA59+B32N(前使ってたやつを流用した)使ってます。
デイトナのアダプター欲しかったけど(たかがアダプターに‥という思いもあり)高かったのでうーんと悩んだ末、某社のキャリアを増設してそこにハコ付けました。ここまでだと値段は一緒くらい。さらにちょうどタンデムする理由ができたのでダブルシートにしていい具合で乗ってます。
同じくJA59+B32Nですが、他社のキャリア追加して装着しています。アダプターとキャリアの値段が同等だと考えてしまう・・ダブルシートで二人乗りできるのもメリット多し。
それと、B32N僕のはガタが大きくて、ラバーストッパー [Z126A] に変えようと思ってます。