「ドライブレコーダー」と言えば、車載タイプを思い浮かべる人が多いだろう。一方、ミツバサンコーワが販売する「FITT360PBα」は、ライダーの首に装着するウェラブルタイプのドラレコ。どんな使い心地なのか、実際にテストしてみた!

配線なしで3カメラが前後の状況を即録画する

筆者のようにメンテが苦手で知識がない人にとって、車載用のドラレコを自分で装着するのは配線が難しい。一方でショップに任せるとなると、工賃がかなりかかる。例えば「2りんかん」の場合、ネイキッドで9240円~、持ち込みでは1万8480円~(1カメラの料金、カメラが1つ増えると+5280円)。カウル車だとさらに高い。

また、複数のバイクを持っている場合、車載式ドラレコを台数分購入しなければならないのもイタい。加えて、駐車時に盗難される恐れもある。

白バイ隊員が使っているヘルメット装着タイプのドラレコもいいけど「もっとカンタンに使える製品はないかな」と思っていた。

そんな筆者にとって最適なレコーダーと言えるのがFITT360PBαだ。この製品は、ライダーの首に装着するウェラブルタイプのドラレコ。サッと首にかけるだけで、面倒な配線なしで録画ができてしまう。さらに自転車、キックボードなどバイク以外の乗り物に使えるのも個人的にはポイントが高い。

カメラは計3つ設置。前側の左右に2つ、後ろ側に1つあり、3チャンネルで動画撮影が可能だ。

FITT360PBαは、韓国リンクフロー社の製品。二輪用ETC車載器でも有名なミツバサンコーワが輸入販売元となり、2023年5月から販売開始された。

<strong><a href="https://www.webike.net/sd/25838362/" rel="noopener" target="_blank">FITT360PBα</a></strong>。大阪モーターサイクルショー2023に展示され、話題を集めたアイテムが、ついに日本でも市販化された。

FITT360PBα。大阪モーターサイクルショー2023に展示され、話題を集めたアイテムが、ついに日本でも市販化された。

価格は<strong>6万3800円</strong>。詳細スペックは文末へ。

価格は6万3800円。詳細スペックは文末へ。

専用アプリが便利、バンドは2タイプから選べる

製品が自宅に到着! まずパッケージから見ていこう。

白いパッケージに製品名のみ記されている。

白いパッケージに製品名のみ記されている。

フタを開けるとこんな感じ

フタを開けるとこんな感じ

内容物は、本体のほか、首に固定できる大中小のネックガイド、ベルクロネックガイド、USB Type-C ケーブル、USB Type-C 変換アダプター、取扱説明書が同梱。

内容物は、本体のほか、首に固定できる大中小のネックガイド、ベルクロネックガイド、USB Type-C ケーブル、USB Type-C 変換アダプター、取扱説明書が同梱。

まず本体に充電してみた。後部中央にある防水カバーを開けると、電源スイッチ、microSDカードの挿入口、USB Type-Cの充電口が出てくる。

中央が電源スイッチ。充電口はUSB Type-Cに対応。充電中は後部のランプが緑色に点滅し、完了すると点灯状態に。

中央が電源スイッチ。充電口はUSB Type-Cに対応。充電中は後部のランプが緑色に点滅し、完了すると点灯状態に。

なお充電時間は約2時間でフルに。本体は待機時間(カメラを起動し録画していない状態)で約14時間稼働し、本体内のメモリに最大約3時間30分録画できる。

本体にモニターはないが、専用アプリを使えばスマホで録画データの再生が可能。また専用アプリでは、プレビューや録画ボタン、バッテリー残量の表示、設定変更などの機能がある。本体だけでも録画でき、PCなどに接続すれば映像を確認できるが、便利に使うには専用アプリが必須だ。

本体を首に固定するガイドは2タイプ同梱。前側がオープンなネックガイドと、しっかり固定できるベルクロタイプがある。安定感があり、本体が外れないのはベルクロタイプだ。

ネックガイドを装着。突起に沿ってハメれば固定できる。ある程度の柔軟性があり、S、M、Lから首のサイズに合ったものを選ぶ。

ネックガイドを装着。突起に沿ってハメれば固定できる。ある程度の柔軟性があり、S、M、Lから首のサイズに合ったものを選ぶ。

ベルクロタイプのネックガイドを装着した状態。31~47cm の範囲で調節可能だ。

ベルクロタイプのネックガイドを装着した状態。31~47cm の範囲で調節可能だ。

軽くて違和感ナシ、前傾ライポジのバイクもOK

ここからは実際に使用したレポートをお届けしよう。

まずはスマホと本体をブルートゥースで接続。当方のスマホはAndroid端末のGalaxyで、すんなり接続できた。

電源を入れ、本体右側の接続ボタンを2度短押しするとブルートゥースがONに。続いて長押しするとボタンが点滅してペアリングモードになる。

電源を入れ、本体右側の接続ボタンを2度短押しするとブルートゥースがONに。続いて長押しするとボタンが点滅してペアリングモードになる。

本体とアプリが接続成功すると、こんな画面に。バッテリーと内蔵メモリの残量が表示される。バイクにスマホをマウントしておけば、アプリからも録画&写真撮影ができる。

本体とアプリが接続成功すると、こんな画面に。バッテリーと内蔵メモリの残量が表示される。バイクにスマホをマウントしておけば、アプリからも録画&写真撮影ができる。

装着するために筆者が選択したのはベルクロのネックガイド。
マニュアルでは衣服の上にレコーダーを装着することが推奨されているため、サイズを調節でき、本体が落ちないベルクロタイプをオススメしたい。

ベルクロネックガイドでの装着状態。これならジャケットの上からでも問題ない。

ベルクロネックガイドでの装着状態。これならジャケットの上からでも問題ない。

正面。ちなみに録画中は前方カメラの上側のランプが赤く光って目立つ。ちょっと恥ずかしいが、これは設定でも消灯はできない(笑)。

正面。ちなみに録画中は前方カメラの上側のランプが赤く光って目立つ。ちょっと恥ずかしいが、これは設定でも消灯はできない(笑)。

背面。ランプが水色に光る。防水規格IPX4を取得しており、多少の汗や小雨などの水滴は問題ないとのことだが、強い雨での使用は避けたい。

背面。ランプが水色に光る。防水規格IPX4を取得しており、多少の汗や小雨などの水滴は問題ないとのことだが、強い雨での使用は避けたい。

装着感は軽く、しっかりフィットし、首の負担も感じない。また走行中にズレることもなかった。撮影中は本体がかなり熱くなるが、服の上に着けていれば気にならなかった。

操作は簡単で、本体右側の録画ボタンを長押しするだけでOK。同じボタンを短押しすれば写真(静止画)が撮影でき、録画中でも写真を撮影可能だ。

ようやく走行……といきたいところが、その前にポジションを確認するのが大事。リヤカメラがエリやヘルメットで隠れてしまうケースもあるので、エリの外側になるよう配置を。

また、上体が前傾するバイクは上下の角度を調整しておいた方がいい。とはいえカメラが広角なので、若干角度がズレたとしても撮れないケースはまずないハズだ。

ここで活躍するのがアプリのプレビュー機能。どんな角度で撮影できるのか現場で確認できるのだ。ただしWi-Fi環境が必要なのがネック。筆者はたまたま家のWi-Fiが拾えたから大丈夫だったが、使える場面は限られるだろう。

映像はかなりクリア、多彩なモードから画角を選べる

途中でモードを変更しながら録画し、帰宅後に映像を確認してみた。

解像度は「最小、通常、最大」の3種類から選べる。さらにフレームレート(FPS)は「8、15、24、30」、ビットレートは「低、中、高、最高」画角は「一般、超広角、魚眼」から選択できる。

まず解像度は設定ごとの差が激しいと感じた。「最小」だと全体的に画質が粗く、周囲のナンバープレートの判別も難しい。容量は喰うが、通常、できれば最高にしておきたいところだ。

フレームレートも高いに越したことはないが、15か24FPSもあれば、かなり滑らかに感じた。

解像度が最小(1440×480)の場合、画面がザラッとしているが、連続撮影時間は190分と長い。左側の画像がリヤ、中央が左側カメラ、右が右側カメラに相当する。

解像度が最小(1440×480)の場合、画面がザラッとしているが、連続撮影時間は190分と長い。
左側の画像がリヤ、中央が左側カメラ、右が右側カメラに相当する。

解像度が通常(2160×720)では170分撮影できる。

解像度が通常(2160×720)では170分撮影できる。

解像度最大(3840×1280)は縦の画角も広くなる。映像はかなりクリアで、150分連続で撮影可能。通常、最大ともに、前後の車両やすれ違った車両のナンバーは接近すれば確認できる。

解像度最大(3840×1280)は縦の画角も広くなる。
映像はかなりクリアで、150分連続で撮影可能。通常、最大ともに、前後の車両やすれ違った車両のナンバーは接近すれば確認できる。

撮影範囲は広く、真横もほぼ映るものの、斜め後方の一部が死角になる。感心したのは暗転した場合の補正。明るい場所からトンネルなど不意に暗い場所に行っても、即補正し再現していた。ただし明るい場所への適応は少し時間がかかる。

信号の色も判別できた。カメラの撮影周期とLED信号機の点灯周期が一致すると、信号の色が撮影できないモデルもあるが、FITT360PBαはしっかり確認できる。

超広角の「水平方向」は、アクションカメラっぽい画角。アングルが左右に広くなり、各カメラの画像それぞれが一般的な画角に近くなる。周囲のナンバープレートは、再生ソフトの機能で拡大すれば判別できた。

超広角の「水平方向」は、アクションカメラっぽい画角。アングルが左右に広くなり、各カメラの画像それぞれが一般的な画角に近くなる。
周囲のナンバープレートは、再生ソフトの機能で拡大すれば判別できた。

超広角の「垂直方向」。上下の画角が広くなる。

超広角の「垂直方向」。上下の画角が広くなる。

「魚眼」は丸く広い視界で、見ていて面白い。

「魚眼」は丸く広い視界で、見ていて面白い。

夜間にも録画してみた。こちらは暗くても周囲の車両はよく見える。
しかしナンバープレートの判別は最高画質でも昼間以上に前後へ接近しないと困難だった。

夜間に解像度最大で撮影。明るさを調整すれば、まわりの風景も把握しやすい(上記は明るさを「明るく」に設定)。

夜間に解像度最大で撮影。明るさを調整すれば、まわりの風景も把握しやすい(上記は明るさを「明るく」に設定)。

気になったのは出先で録画が確認しづらい点。スマホのアプリで録画を確認するには、プレビューと同様、Wi-Fi環境下でスマホに動画をダウンロードする必要がある。一応4G回線でも試したが、上手くいかなかった。出先でアクシデント時の録画を確認したい状況もあるだろうが、Wi-Fiの電波がある環境か、テザリングで手持ちのスマホなどに接続しなければならない。

アプリの録画ファイル一覧。Wi-Fi環境下ならアプリに録画をダウンロードして確認できる。

アプリの録画ファイル一覧。Wi-Fi環境下ならアプリに録画をダウンロードして確認できる。

なお、左後部にスピーカーを内蔵し、ブルートゥースのイヤーセットとしても使用できる(この機能はAndroidスマホのみ)。バイクの場合、停止中や低速走行時は聞こえるが、あまり実用的ではない。ただし自転車や徒歩なら十分使えるだろう。

ドラレコとアクションカメラのいいとこどり

実際に使用してみて、FITT360PBαはドラレコと、ゴープロなどアクションカメラの中間的なキャラクターと感じた。

ドラレコの定番であるイベント録画(衝撃録画)や古い動画を上書きするループ撮影の機能がなく、バッテリー容量が約3時間なのでロングツーリングに使うのは厳しい。ただし3時間以内の通勤通学やショートツーリング用のドラレコに向いている。通勤通学なら運転しない間に充電も可能だ。

何より、体に装着して、すぐ録画できるのは一般的なドラレコにはない大きなメリット。バイクを複数台持っている人や、自転車など他の乗り物にも使いたいアクションカメラ的な使い方がしたい人に向いている製品だ。

FITT360PBα 仕様

★画質  (最大)3840×1280 @30fps / コーデックMP4(H.264,AAC)
★バッテリー  使用時間:約3時間 / 充電時間:約2時間 / 待機時間:約14時間
★保存容量  内蔵メモリ:64GB / 外付けメモリ:(最大)128GB対応
★マイク  DMIC内蔵マイク / 音声録画
★スピーカー  マイクロスピーカー
★無線接続  Bluetooth 5.0 / 無線接続距離:約10m
★充電  USB Type-C
★防水  IPX4
★その他  Bluetoothイヤーセット対応(Androidのみ)
★ソフトウェア  モバイルアプリ FITT360PB(Android / iOS対応)
※Android 6.0、iOS12.0以降のモバイル機器で使用可能

ギャラリーページへ

この記事にいいねする

 
今回紹介した製品はこちら
         
コメントを残す

 
今回紹介したブランドはこちら