
7月1日発売のピレリ「DIABLO SUPERCORSA SC V4(ディアブロ スーパーコルサ SC V4)」を従来型のV3でテイストオブツクバに参戦してきたWebikeスタッフがサーキットテスト。F-ZEROクラス上位の神拓也(じんたくや)の評価はいかに!?
目次
テイストの常勝タイヤ“スパコル”がV4に進化
スーパーバイク世界選手権(SBK)の公式タイヤサプライヤーとして知られているピレリは、国内レースでは「テイストオブツクバ」で圧倒的な強さを発揮しており、高いシェアを誇っている。そこで使われるディアブロ スーパーコルサが従来のV3からV4へ進化した。
V4はトレッドパターンやコンパウンド、構造、プロファイルが刷新され、グリップやラップタイムなど全てのパフォーマンスが向上。SCはサーキット専用のトレッド(溝付き)タイヤでST600など市販車レースのための製品だが、テイストライダーからも熱い注目を浴びている。
そこで、F-ZEROクラスに参戦しているWebikeの神拓也がスーパーコルサSC V4をサーキットでテスト。マシンは愛車のMVアグスタ ブルターレ1090RRを使い、2022年11月のテイストオブツクバで2位に入ったままのセッティングで、V3→V4とタイヤを履き替えて比較試乗した。

Webikeスタッフの神拓也とブルターレ1090RR。2011年からF-ZEROクラスに参戦し、優勝1回、2位3回のトップランカーとして活躍したが、2022年限りでF-ZEROクラスを卒業した。

神はスーパーコルサ SC V2/V3を履いて参戦してきた。2021年11月の決勝レースでは1分0秒130のファステストラップを記録して2位を獲得。神がスパコルV4をどう評価するのか?
いきなり好タイム! リアタイヤの改良で開け始めが早い
「V4ヤバイです。2周ウォームアップしてからアタックして3周目に1分0秒7が出ました。2022年11月に2位になった時のベストが1分0秒5だったので、いきなりコンマ2秒落ちのタイムが出てしまいました。しかも2023年初乗りの2本目です。走り込めばベストを更新しそうです。
リアタイヤは今まで開けたことのない位置から開け始められます。開けていく動作がコンマ何秒か早くできる感じを、初めてスーパーコルサSC V4に履き替えて3周目からやれる信頼感があります。だからチャレンジしたくなるんです。
リアタイヤセンターのハイトが8mmほど高くなっていても、ダンロップコーナーなどインフィールドの寝かし込みはすごくスムーズです。サクっと入れられる感じです。筑波サーキットは私の履いた200/55R17だと結構重くて幅180サイズの方が軽く感じられますが、V4は200/55サイズでも十分攻められる感じです。
そこから開け始めても接地感が向上しているので、早い段階でアクセルを開けていける雰囲気がV3と全然違いますね」(神拓也コメント)

30分の走行枠の1回目はスーパーコルサV3で走行。2回目の走行枠でV4に履き替えて3周目でいきなりベストの1分0秒755を記録した。「アクセル開けていった時のリアの接地感が別物」と神は語る。

左がV4、右がV3のリアタイヤで同じ200/55R17でもV4はハイトが8mmほど高い。温感(80℃)でV3ではフロント240kPaリア180kPaの空気圧をV4ではリアのみ接地面が増えて食ってしまうため190kPaに増やした。

1時間走行後のフロントタイヤ。テストは5月上旬で気温は25度前後。前後タイヤとも表面の荒れは最小限だった。「フロントタイヤのフルバンクまでの信頼感もV3と違う」と神。
履ける人はスパコルがいいでしょうね! 間違いない
「ピレリ スーパーコルサはV2から履いてました。誰が乗っても速く走れるのがスパコルの特徴だと思います。初心者でもタイムが出るし、ある程度の選手権ライダーでもタイムが縮められることが多いオールラウンドタイヤです。
私は最初はチームの方針でスパコルを履いたのですが、以前履いていた他社のタイヤは温度が上がらないと氷のように滑ってく感じだったのでまるで別物でしたね。
また、他社のタイヤは走行時の温度で適切な空気圧に持って行かないと、グリップしなかったり摩耗が不安定になったりすることがあるのですが、スパコルは多少空気圧を外してもそれなりに走れたりします。
スパコルは、パフォーマンスが全部において飛びぬけてバランスしているんです。コーナリングやブレーキを全部合わせていかないと性能を発揮しないような他社のタイヤもありますが、外していてもある程度走れます。
ことテイストオブツクバにおいては、初心者から勝てるレベルのライダーまでスパコルを選択した方が間違いないと思います」(神拓也コメント)

1本目の枠を11月のレースで履いていたスーパーコルサSC V3で走行に臨む神。なかなかバイクに乗る時間がないアマチュアライダーにとってスパコルの懐の広さは武器になるのだ。

テイストオブツクバでピレリのタイヤサービスを行い、ユーザーをサポートするパワービルダーの針替氏からスパコルV4の説明を受ける神。パワービルダーはテイストのトップチームだ。
ディアブロスーパーコルサV4シリーズは7月1日発売
ピレリジャパンは、ディアブロシリーズで最もスポーティなスーパーコルサの新作“V4”を7月1日に発売した。今回テストしたのは、サーキット走行やレース用のSCバージョンで、究極の溝つきタイヤという位置づけ。最もパワフルなスーパースポーツバイクのために開発されている。
SCは複数のコンパウンドから選択可能で、ソフトなSC1とSC2は、サーキットで優れたパフォーマンスを発揮する一方、効果的に使うためにはタイヤウォーマーが必要。一方、SC3は幅広い温度に対応し耐久性を重視した特性になっている。
トレッドパターンは伝統のフラッシュ(閃光)パターンを刷新。従来の1本線を分割しつつ直立時の水切れを向上させた。また、ショルダー部の溝を少なくすることで中間バンク時やフルバンク時の路面への接地感を高め、コーナリンググリップを高めている。
プロファイルはSBKで培った技術を活かし、スリックタイヤのディアブロスーパーバイクと共通の形状をSC及びSPで採用。前作のV3と異なるプロファイルで乗りやすさが向上。さらに、新しい構造材を採用することでタイヤ剛性と減衰力も進化しているのだ。

ピレリジャパンは3月の東京モーターサイクルショーでスーパーコルサV4を先行公開しており、力の入れようが伺える。発売開始は7月1日からだ。

SCはフロントサイズとリアサイズで異なるコンパウンドを選択可能。SC1からSC3までそれぞれの特性は図のように棲み分けされている。

新作のスーパーコルサSC V4は、前作のV3と比較してグリップ、ハンドリング、扱いやすさ、ラップタイム、安定性など全方位で性能を向上させている。

ディアブロ スーパーコルサ SC V4のフロントタイヤのサイズと国内発売時期。

ディアブロ スーパーコルサ SC V4のリアタイヤのサイズと国内発売時期。
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