
高い品質と使い勝手で人気を誇る、バイク用インカム「B+COM(ビーコム)」。そのフラッグシップモデル「SB6X」が今年3月にリニューアル、「SB6XR」として新たにラインナップした。生産体制を安定させるパーツ供給の変更や、ユーザーの声や改良も盛り込んで生まれた新モデルだ。
このため、基本的機能や操作方法はSB6Xとほぼ同じで、外見もとてもよく似ている。「何が違うんだろう?」と疑問を持つライダーも多いだろう。そこで今回は実際に2モデルを並べて、改良ポイントをチェックしてみた。また実際の使用感もインプレッション!
目次
細かく見るとかなり違う!「SB6XR」の進化ポイント
2017年発売のSB6Xだが、もともと備えている高いパーツの品質や安定した動作でその性能はまだまだ最高クラス。SB6XRはこの性能をユーザーの声をもとにブラッシュアップし、細かなデザインや性能を強化したモデルだ。

2023年3月発売の「SB6XR」。前回のモデルチェンジから5年が経つということで、ユーザーからの注目度はMAX!既に購入済みというライダーも多いかも?
いきなりまとめてしまうと、今回のモデルチェンジで大きく変わったポイントは下記のとおり。
・全長、厚み、横幅の見直し
・各種ボタンのデザイン変更
・ベースプレートにロック機能が追加
・バッテリー容量の増大による、稼働時間の増加
このほか細かな点では、Bluetoothのバージョンが「Bluetooth4.1→5.0」に更新。また、スピーカー端子の根本部分の耐久性が強化されている。さらにアームマイクの集音部付近に突起が追加され、向きがわかりやすくなった。アクセサリーパーツであるフェイスプレートにも、ブラッククローム、マーブル、ライジングサンの新カラーが追加!
見た目にわかるポイントから内部的な性能アップまで、実は大きな変化が起きていたのだ。
サイズ、ボタンの見直しでユーティリティアップ!
並べて見ると、確かに形はほとんど同じであり、ボタンやLEDの発光箇所、アンテナといった機能部品のレイアウトも変化はない。しかし、SB6XRの全体的なシルエットは少しスリムかつ、全長が5mmほど長くなった。また、横から見ると厚みはハッキリと薄くなっている(約1.3mm)。これは隆起のピ―クにあった"峰"部分がなめらかになったため。ヘルメットに装備したときのフィット感が高まり、流線形のヘルメットのシェイプにいっそうなじむ。

ボタンの配置が変わらないのは、従来モデルに慣れたユーザーにとっても嬉しいポイント。モデルチェンジのたびに操作をイチイチ変えるのは大変だ。

全体的に、「細く・長く・薄く」変化したシルエット。これによりヘルメットとの一体感が増した。従来比では約5.2%の厚みダウンも果たしている。

ヘルメットに装着するとこのようなイメージ。一体感が増したほか、メットインなどの狭い空間に入れる際にもサイズダウンの恩恵あり。
レイアウトが変わっていない各種ボタン類だが、実は大きくデザインが変更されている。トップのボタンは盛り上がったデザインだったものが、面取りされて立体的に。このためボタンへ力を入れやすく、押しやすくなっている。これは上下サイドB+COMボタンも同様で、従来は細かったボタンは2倍のサイズに幅広になり、こちらも押し間違いをしづらく改良された。また、目には見えないがボタンのクリック感もいっそうカッチリとしており、「押した感」が強くなったのもポイントだ。

立体的に面取りされ、押しやすくなったボタン。グローブ越しでも間違いなく確実に操作するための嬉しい改良だ。サイズも指先と同じくらいで違和感なし。

サイドのB+COMボタンも拡大。ボタンのクリック感もグッとよくなった。押しているのか押していないのか、曖昧なボタンにイライラしたことがあるライダーにとっては感動モノ。
ベースプレートにロック機構が!さらに従来モデルと互換も可能
また、ヘルメットに接するベースプレートにも改良点が。それはロック機構が備わったところだ。従来モデルでも「押し上げて引く」動作は脱落の危険が少なかったが、それでも絶対はない。今回の改良はそこに確実な安全性を加えたものとなる。もちろん、ロックはワンタッチで解除が可能なので、充電時等の脱着でストレスがたまることはない。
改良されたベースプレートだが、実はSB6Xから固定機構に変化はないため、従来からのプレートもそのまま使用は可能。さらにマイク、スピーカーといった周辺機器も同様で、すべてSB6Xのパーツを流用できる。SB6Xを使っていたユーザーにとっては、ヘルメットの内装を外して配線を再セッティングする手間はなく、ワンタッチでSB6XRを使い始められる、ということなのだ。これはスゴイ!

従来でも脱落の心配はなかったベースプレートだが、ロック機構が追加されたことで、意図しない落下を完全に回避できるようになった。もちろん脱着はワンタッチ。

マイク、スピーカーといった周辺機器はもちろん付属するが、SB6X用もそのまま流用が可能。面倒な再セッティングの手間はないし、予備パーツも使いまわせる!
機能面の快適さはそのまま、バッテリー容量増大でストレスゼロ
比較が終わったところで、実際にSB6XRをヘルメットに装着してみる。まず驚くのはペアリングの簡単さ。これは従来モデルから採用されている、「B+LINK」のおかげで、1分も待たないうちにペアリング成功。またスマホアプリ「B+COM U Mobile APP」を連携させると、過去に通話したメンバーの情報からワンタッチで接続も可能。接続状況がどうなっているのかも、スマホ画面で一目瞭然になる。接続に関するストレスは一切なし!

SB6Xの「B+LINK」を継続採用。別モデル「B+COM ONE」も同じシステムなのでそれぞれ別機種でもスムーズに接続ができ、「アレ?つながらない……」というモタモタに煩わされることがない。
通話はもちろん明瞭でノイズもなし。バイクの走行中でもエンジン音にかき消されることもなく、マイクもよく音声を拾ってくれた。音楽再生時にはヘッドフォンのように思えるほど豊かな音域も再生できる。普段使用している別メーカー製のモデルと、最も違いを感じたのはこの点だ。インプレッションをした「B+COM PLAY」もかなり好印象だったが、プレミアムシリーズにのみ採用されている「B+COM SOUND SYSTEM」では、大出力D級アンプと高磁力ネオジムマグネットを搭載し、最上級の音質を追求。また、さらに高いレベルを求めるユーザーに対しては「ヘルメットスピーカーEXP01」というカスタムサウンドスピーカーもラインナップしている。

あまり品質のよくないスピーカーでは、ブツブツパチパチといったノイズが聞こえてくることもある。さすがB+COMシリーズの最高峰、そういった不満を感じたシーンはなく、まるでヘッドフォンを着けているよう!

サインハウスからは、さらに高いレベルの音質を求めるユーザーのために「ヘルメットスピーカーEXP01」もラインナップ。低音域を最大約150%アップの音圧で出力できる。価格は7,480円。
今回は朝6時から夕方5時程度まで走行してみた。バッテリー容量も増加しているとのことで、あえて電源を入れっぱなしにしておいてみたが、この11時間の仕様でもバッテリー残量70%というアナウンスが流れた。ずっと音楽再生や通話をしていたわけではないが、それでも日帰りでの電池切れの可能性はゼロといっていいだろう。従来のSB6Xもインカム通話で約16時間という長大な使用時間がウリではあったが、SB6XRでは通話で22時間、音楽再生のみなら24時間の稼働という、約6時間の稼働時間アップを果たしている。これならキャンプツーリングなど、電源がない環境にも安心して使用できる!

最大24時間という稼働時間を誇るSB6XR。1日8時間しっかり使っても、まる3日間使えるという発表だ。たとえバッテリーの劣化が始まったとしても、サインハウスではバッテリー交換サポートも実施中。
機能を底上げしたSB6XR、インカムの定番の地位は盤石!
このように、従来モデルと見た目はあまり変わらないものの、使い勝手や機能に大きな改良が施された「SB6XR」。さすがインカムの定番B+COMらしい、スキのない性能を感じることができた。SB6Xから買い替えを考えているユーザーにとっても、初めてインカムを買うユーザーにとっても満足ができる、誰にでもお勧めできるモデルだ!

「そろそろインカムを買い替えたい」「初めてインカムを買うけど、いろいろあって選べない」そんなユーザーにぜひ、選んでもらいたいのがSB6XRだ。友達や家族がB+COMを使っていればB+LINKをフル活用することもでき、なおさらおススメ!
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情報提供元 [ サインハウス ]
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