スクーターの外装でお馴染みの未塗装樹脂部品。
新車の時は黒々としていたはずなのに、時間の経過と共に劣化して光沢が失われてしまって灰色に変色、最終的には白くカサカサした表面(いわゆる白ボケ)になって見栄えが著しく悪くなるのを経験された方は多いでしょう。

スクーター外装以外でもミラーステー、前後フェンダー、チェーンガード、サイドカバー、エアクリーナーボックスなど、比較的よく目につく部分に未塗装樹脂パーツが使われているものです。
こういった「見える場所」にある樹脂パーツが劣化すると他の外装をどれだけ磨いていても締まりが無くなり、車両全体がとても安っぽく見えがちです。

今回は劣化して白ボケしまった未塗装樹脂パーツを復活させて黒くする定番商品を紹介します。

未塗装樹脂パーツを黒くしたい

劣化した樹脂パーツを黒くしたいという望みをかなえる方法は昔から模索されてきました。

最も確実で一番黒くなるのは黒い塗料で塗装してしまう事です。
しかし未塗装樹脂は材質的に塗料の密着性が悪い事が多く、経年劣化で剥がれてしまうと余計にみすぼらしくなる懸念があります。
そもそも塗装するには外装をバラバラに分解してから脱脂し、密着性を高めるプライマーを塗装した上から黒く塗る必要があるので費用も時間も掛かります。
未塗装樹脂の表面はザラザラしている事が多いですが、塗装すると光沢感が出てしまうのも良し悪しです。

もっと安く何とかしたい!という方の間では100均のメラミンスポンジで擦るという技も編み出されています。
表面の劣化した樹脂パーツの表面を削り落とす事で黒さを復活する方法です。
コンパウンドなどで擦ると劣化した表面の内部にコンパウンドが入り込んで余計に白くなってしまうのですが、メラミンスポンジならそういった心配ありません。
弱点は全ての面積を均一に削らなければならないこと。
非常に手間が掛かりますし、均一でムラの無い黒さを実現するのは本当に大変です。

バイクショップではバーナーで炙るという荒業を使う事もあります。
しかし少し失敗しただけでパーツが溶けてしまう事になり、黒くするどころかパーツそのものをダメにしてしまう可能性の高い方法です。
誰でも簡単にできる事ではありません。

シリコーンスプレーを噴射してツヤを取り戻す方法もあります。
しかしシリコンオイルは雨に打たれると簡単に洗い流されてしまい、すぐに元の劣化した姿に戻ってしまいます。
その都度スプレーし直せば良いのですが、かなり時間を無駄にしている感があります。
オイルを塗っているので「滑る」という重大な弱点がありますし、ホコリが付着しやすくなるので黒さを維持するのは大変です。

カンタン!劣化した未塗装樹脂パーツの白ボケ対処法

これを何とかして黒くしたい……ですよね

なぜ白ボケした樹脂が再び黒くなるのか?

未塗装樹脂の表面が白く劣化するのは、紫外線や熱などの影響で樹脂内に含まれる油分が無くなり、樹脂表面が細かくひび割れてしまうのが原因です。
逆に言えばこのひび割れを埋めたり樹脂内に油分を再供給できれば黒さは復活する事になります。

塗装するのは油分やひび割れを全く新しい塗料で覆い隠す事ですし、メラミンスポンジは油分の無くなった表面を削り取って元気な層を露出させる事。
バーナーは下の層の油分を無理矢理表面に抽出させていて、シリコンスプレーは油分でひび割れを埋めているという事です。

でももっと簡単に、もっと効果的に何とかする方法は無いものか……というワケで編み出されたのが(?)今回紹介するデイトナの商品『樹脂光沢復活剤』です。

カンタン!劣化した未塗装樹脂パーツの白ボケ対処法

デイトナ『樹脂光沢復活剤』

最近の流行りはコーティング

樹脂光沢復活剤は樹脂表面を削ったりする物ではありません。
作用としてはシリコンスプレー塗布に近く、ひび割れを埋める事で黒さを復活させるケミカルです。

ただしシリコンスプレーとは中身が全く違い、シリコンスプレーについて回るネガティブな要素がほぼ全て解消されています。

カンタン!劣化した未塗装樹脂パーツの白ボケ対処法

無塗装樹脂表面に発生した細かいひび割れを埋めて黒さを復活させます
だから塗る液体は無色透明です

シリコンスプレーとの違い

何かを塗って表面のひび割れを埋めて黒さを復活させるという点ではシリコンスプレーと同じですが、同じなのはここまで。

まず、ひび割れを埋めるために塗る液体が全く違います。
シリコンスプレーは単なる「シリコンオイル=油」ですが、樹脂光沢復活剤は古ぼけた樹脂表面を「ガラスコーティングする溶剤」です。

雨で簡単に洗い流されてしまうシリコンオイルとは異なり、塗布後に乾燥させると樹脂表面に留まり続けるのが最大の違い。
洗い流されないので長期間にわたって樹脂の黒さをキープできます。

また、シリコンオイルは比較的粘度の高いオイルなので塗ると分厚い膜となってしまいます。
その結果、やけに光沢のある濡れたような黒さとなり、悪く言うと『ちょっといやらしい黒さ』になってしまいがちです。

しかし樹脂光沢復活剤の溶剤はサラサラで粘性が低く、流動性が非常に高いものです。
このため非常に薄く塗り伸ばす事ができます。
その結果、無塗装樹脂表面の仕上げを一切崩さずコーティングする事が可能となり、何かを塗っている感じがありません
『非常に自然な仕上がりで黒くなる』のが特徴です。

カンタン!劣化した未塗装樹脂パーツの白ボケ対処法

とても自然な仕上がり
シリコンオイルを塗った時のような「何かを塗ってる感」はありません

耐久性

気になる耐久性はシリコンオイルの比ではありません。
もちろんバーナー炙りやメラミンスポンジと比較しても圧倒的に耐久性があります。

シリコンオイルが雨で簡単に洗い流されるのは皆さまのご想像通りです。
バーナー炙りも下層の油分を無理矢理補給しているだけなので、すぐに元通りになってしまいます。
メラミンスポンジも表層の非常に薄い部分を削っているだけなので、耐久性はあまりありません。

それらに対して、樹脂光沢復活剤は硬化したガラス質で表面をコーティングする事になるので、耐久性がケタ違いなのは当然です。

どれくらいの期間までまっ黒で居られるのかは車両の保管状態によって変化するので単純に「〇年持ちます!」とは言えませんが、雨ざらしの屋外で車体カバー無しだったとしても少なくとも数か月は真っ黒でいられるはずです。
メーカーも自信があるのか『樹脂本来の自然なツヤが約6ヶ月~1年も持続』と謳っています。

私(門脇)は自動車のバンパーに樹脂光沢復活剤を塗ったのですが、1年を過ぎてもしっかり黒いままでした。
屋根の無い露天駐車場、目の前は幹線道路、朝から晩まで直射日光直撃という劣悪な環境で駐車しているので多少は劣化しているのでしょうけれど、「黒くない……」と思えるような事は無かったです。

バイクの外装と自動車のバンパーは材質が異なるので一概には言えませんが、車体カバーを掛けていたり、日陰だったり、多少なりとも屋根があったりする場所で保管してある事の多いバイクでは更に耐久性があっても不思議ではありません。
もしかすると屋内保管なら数年持ってしまうかもしれません。

カンタン!劣化した未塗装樹脂パーツの白ボケ対処法

屋内保管でなくても、カバーを掛けてあったり軒下であったり、多少でも日光や風雨を防げる場所で保管してあるなら、メーカーの言うように効果が1年持続するのは大げさな話ではありません

施工は簡単!

未塗装樹脂も塗装してしまえば他の外装と同じく最高の耐久性を発揮する事になりますが、費用と時間がものすごく必要になります。
缶スプレーなどを使って自分で塗装する難易度は非常に高く、塗装に失敗する可能性大です。

対して、樹脂光沢復活剤の施工は驚くほど簡単です。
付属のスポンジに少量垂らして塗るだけ
無色透明なサラサラとした溶剤を塗るだけなので、ムラになる可能性はほとんどありません。

濡らした雑巾で樹脂部を擦ったら黒くなると思いますが、感覚としてはアレに近いです。
溶剤の伸びが抜群なのと、雑巾ではなく専用の柔らかいスポンジで塗り伸ばすので、濡れ雑巾で拭くより簡単にコーティングできる気すらします。

耐熱温度も300℃なので、エンジンに近い場所やマフラーカバーなどにも使用できます。

カンタン!劣化した未塗装樹脂パーツの白ボケ対処法

スポンジも4個付属していますし、エッジを使って細かい部分まで簡単に塗れます

カンタン!劣化した未塗装樹脂パーツの白ボケ対処法

300℃まで耐えられるのでマフラーのヒートガードなどにも使用できます

おすすめ!

これだけ有能でもお値段が数千円も掛かってしまうと躊躇する事になりますが、なんと税抜定価1,850円!
安い!

内容量が50mlという極小容量なので高いと思うかもしれませんが、何しろ伸びが良いので1本購入すれば途中で足りなくなる事はまず無いと思います。
むしろ足りなくなった場合は厚く塗り過ぎの可能性が高いです。

使った事がない方はぜひお試しください。
たぶん二度と今までの方法には戻れないですよ!

カンタン!劣化した未塗装樹脂パーツの白ボケ対処法

信じられないくらい黒さが復活します
スクーターなど、未塗装部分の面積が広い場合は効果テキメン

カンタン!劣化した未塗装樹脂パーツの白ボケ対処法

ハンドルのスイッチボックスなどにも使えます
何となく経年感のあった車両が引き締まりますよ

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