1972年に並列4気筒DOHCエンジンを搭載して世界のトップに立ったカワサキZ1及びZ2。現在でも人気絶版車の空冷Zをこの先も走り続けられるようにカワサキ自らシリンダーヘッドの再生産に乗り出していたが、2023年1月10日受注分をもって販売を終了することが発表された。

アナウンスは「一時終了」、ということは次もある!?

2020年1月から販売がスタートしたZ1/Z2シリンダーヘッドは、製造メーカーである川崎重工の独自企画で、販売も川重が直接行っていた。目的は実存するZ1/Z2のコンディション維持で、代替が難しいシリンダーヘッドをメーカー自らが再生産に乗り出したのだ。

といっても製造設備は残っておらず、手書きの設計図を基に一から準備を整えて忠実にシリンダーヘッドを再現。ただし、完全にコピーする訳ではなく弱点には対策を施したり、当時は実現できなかった設計上の数値を再現するなど「リバイバル」ならではの見所もある。

金型を新規で起こしたこともあり、黒が26万4000円、銀が25万3000円とそれなりの価格で発売されたが、2020年1月に開始された初期ロットの受け付けは2時間足らずで打ち切られ話題になった。その後も定期的に注文を受けてきており、この1月のオーダー分で「一時終了」する。

Z1/Z2シリンダーヘッドは1000個の生産数が計画されていたが、実績値はアナウンスされていない。日本国内には海外で販売されたZ1シリーズが1万台以上里帰りしていると言われており、Z2の国内販売数と合わせると今後も需要は高まるだろう。次があることも期待したい。

900 SUPER4(1972年) [KAWASAKI] 型式のZ1の方が一般名称になっている歴史的名車。当初は750ccで計画されていたが、ホンダのCB750フォアに先行されたため900ccに拡大された。

750RS(1973年) [HONDA] こちらもZ2が一般名称の主に日本で発売された750cc版。Z1とはボア×ストロークとも変更されておりクランクシャフトは専用だがヘッドは共通だ。

川崎重工の技術者が、現存するシリンダーヘッドと当時の設計図を基に新たに設計図を作成し、3Dに変換したもの。手書きの文字を解読するなどここまででも苦労の連続だったという。

Z1/Z2シリンダーヘッド用に新たに作られた金型。複雑な形状のパーツは当時から低圧鋳造法で製造するのが一般的だが、リバイバルでは現在に至るまで培ってきたノウハウが生かされた。

現在では圧入されるのが主流のバルブシートは、オリジナルのシリンダーヘッドを忠実に再現するためあえて手間のかかる鋳込み式で生産された。空冷Zファンも納得するディテールだ。

金型にバルブシートと砂中子をセットした状態。吸気ポートや排気ポートのように空洞になる部分には、鋳造後に除去できるように砂でできた中子という鋳型をセットするのだ。

完成したシリンダーヘッドの冷却フィンは当時の技術者が設計図で指定した薄さになっている。当時の鋳造技術では設計数値を実現することが難しかったという。タコメーターギアのボス部はオイル漏れ対策を実施した。

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