
バイクを掃除していると気になるホイールの汚れ。
特にリヤホイールに飛び散ったチェーンオイル(チェーンルブ)の掃除のしにくさは格別です。
もともと風雨や遠心力で容易に流されないようにベットリ貼り付くのがチェーンルブの役目ですから掃除しにくいのは当たり前。
しかしこの油汚れ、布やブラシで擦ると伸びるだけだし、パーツクリーナーなどの溶剤を使っていたら何本あっても足りません。
何らかのケミカルを使うとタイヤに垂れるのが心配ですし、水を使って洗うのもメンドクサイですよね?
何とか水無しで簡単に掃除する方法は無いものか……しかもできるだけ安く。
そんな望みを可能にする、知る人ぞ知る定番商品をおすすめします!
目次
バイク用のケミカル以外にも使えそうな物がありますが……
いかにバイクが好きでも無尽蔵にお金が使える方は居ないでしょう。
いかにも効きそうなバイクの洗車ケミカルが有っても気軽に買う事はできないはずです。
もちろん私(門脇)も若い頃は激しく貧乏でしたので、バイク専用の高価なケミカルなど買えるはずもなく、様々な物で代用を試みました。
中性洗剤
最初に試したのは食器洗い用の中性洗剤です。
『中性』というくらいだからタイヤに付着してもゴムに優しいはずですし、使い終わった歯ブラシに少量づつ垂らしてホイールを磨くという作戦です。
これはまぁまぁ成功しました。
さすが油汚れを洗い流す事に特化しているだけあり、頑固なチェーンルブも(チェーン清掃の専用溶剤には勝てませんが)溶かして落とせます。
しかしすぐに弱点も露呈しました。
洗える範囲が狭いので、擦り終わった所からどんどん流水で洗い流さないとホイール掃除が1周する間に乾いてしまうのです。
また、洗い流すには水を掛けねばならないので水道が必要ですし、近くに水道が無ければヤカンやバケツで水を掛ける必要があります。
かなりメンドクサイ……。
しかも周囲は水でビショ濡れ&泡だらけ。
ヒザ立てしたらヒザが濡れるし、次のメンテナンスに移行したくても地面が濡れているので最悪です。

食器用中性洗剤の定番、ママレモン
有効ではありますが地面がビショ濡れになります
強力界面活性剤
次に試したのは油でギトギトになったガスレンジ掃除の定番洗剤、マジックリンです。
食器の油の比ではないとんでもない油汚れを落とすための洗剤ですので、飛び散ったチェーンルブの清掃にも効果抜群。
しかし効果抜群すぎでした。
確かに飛び散ったチェーンルブは落とせますが、掃除の終わったホイールはツヤも消えてしまってカサカサになってしまいました。
特に古い車両ではホイールの塗装自体が劣化している事も多く、驚くほどツヤが無くなったりします。
掃除後はこれも中性洗剤同様に水で洗う必要がありますし、水を流すので周囲がビショ濡れになるのも同じ。

大昔から存在するガスレンジ周り洗剤の定番、マジックリン
有効ですがホイールのツヤが失われて行きます
この画像のように激しく汚れたエンジン内部を洗ったりすると良い仕事してくれるのですけどね
クリームクレンザー
ちょっと怪しい気もしましたが……ステンレス流し台掃除の定番品、クリームクレンザー ジフも試してみました。
クレンザーというだけあって研磨剤を含んでおり、油汚れを溶かして落とすというより、溶かしながら擦って落とすようなイメージになります。
さすが定番商品だけあって効果は抜群。
しかし、これも効果抜群すぎ……というより、研磨剤入りの洗剤でホイールを磨くのはかなりオススメできません。
なぜなら油汚れといっしょにホイールの塗装も削ってしまうからです。
塗装表面にクリア層のある高級ホイールだとホイールがつや消しになる程度で済みますが、色が直に塗ってある場合(大多数のホイールはこちら)は塗装表面を削るので泡の色がうっすらとホイールの色に……。
もちろんホイール表面のツヤも消え去ってしまいます。

大昔から存在するシンク周り洗剤の定番、クリームクレンザー・ジフ
有効ですが研磨剤入りなのでホイールの塗装表面が削られてしまいます
油には油で対抗
石鹸が油汚れに有効なのは、石鹸の主成分である脂(とアルカリ剤)が油汚れの油分と馴染む事で浮き上がらせる事ができるからです。
油汚れを油で落としているイメージですね。
これと同じ事がホイールに飛び散ったチェーンルブでも起こります。
例えばエンジンオイルをウエス(拭き取り布)に少量染み込ませた物で擦ると驚くほどチェーンルブの汚れが落ちます。
ただしホイールがエンジンオイルまみれになってしまうので、今度はエンジンオイルを落とすのが大変……。
拭き取りが甘いと付着したオイルがホコリを呼んでもっと汚くなってしまいますし、遠心力で万が一タイヤに付着すると転倒の恐れも出てしまいます。
エンジンオイルと同様に使える便利な油があれば良いのですが……、実はピッタリな物があります。
それがユニコンのカークリーム!!
まさかのワックス
ユニコンのカークリームは汚れ落とし用のケミカルではありません
本来はボディ表面の保護ツヤ出し剤で、簡単に言えばワックスの一種です。
クリーム状の液体ワックスと言えますが、素晴らしい汚れ落とし効果が特徴。
ボディ表面に使うための物ですからホイールの塗装面が傷むような事も無く、簡単にホイールの汚れを掃除できます。
ワックスなので施工前に水で濡らしたり施工後に洗い流したりする必要も無く、乾いた布に少量出して拭き上げるだけ。
ブラシなどの道具も不要で、クリーム状の液体で湿った布で汚れを落とし、そのまま拭き上げるだけで済みます。
乾くのを待ってから拭き上げるような二度手間も不要なので、時間も掛かりません。

ウエスにちょっと出して、拭いて、そのまま拭き上げるだけ

いちいちキャップを開けなくても捻るだけで出てくるノズルは使いやすいうえ、外れないのでキャップを無くして困る事がありません
自動的にツヤ出しまでできる
ユニコンのカークリーム、パッケージに詳細は書いてなかった気がしますが(箱は捨ててしまったので手元に無かったです、すいません)シリコンオイルを含んでいるようで、拭き上げるだけでホイールのツヤ出しまでできてしまいます。
本来の用途がボディ表面の保護ツヤ出し剤なので当然ですが、ホイールだってピカピカです。
実はヤマハ系のショップでは純正指定されており、定番中の定番です。
各種ケミカルが保管されている棚の中に黄色いボトルがあるのを目撃された方も多いのではないでしょうか。
ヤマハディーラーで展示してある車両の外装は常にピカピカだと思いますが、あのツヤの正体はこのクリームです。

ヤマハ系のショップで目撃した人も多いのでは?
期待してはいけないこと
価格からもわかるように、超高級ワックスのような物凄く深いツヤが出たりはしません。
一度施工すれば何か月も光沢が続くような耐久性も無いです。
ツヤはよくある簡易ワックスと同等ですし、雨の中を走ればすぐに洗い流されてツヤ出し効果が無くなります。
撥水効果もあまり期待できません。
ワックスなので一応撥水もしますが、水玉が転がってスゴイ感じは無いですし、効果も長持ちしません。
その代わり安い!!
400mlも入ったボトルが税抜定価¥780!
ウェビックでは¥600強で購入可能なので、減りなど気にせずガンガン使えます。

使用前
ツーリング前にチェーンに注油して、帰宅したらこのくらい飛び散って汚れている事があるのはとても普通の光景ですよね?

使用後
軽く拭くだけで驚くほど簡単にここまで綺麗になります
耐久性はともかく、短時間で簡単に綺麗にできるのでプロ御用達なのも納得です
この記事にいいねする
水洗いでもっと簡単に落とせます。
使うのは、カーシャンプとスポンジと過去に登場したコレ。
■チェーンクリーナー
・ブランド AZオイル
・品名 バイク用チェーンクリーナー パワーゾル 650ml
遅乾性(灯油のような感じ)なので、広面積に使えます。
使い方は、バケツにカーシャンプで石鹸水をタップリ作り、スポンジにタップリ吸わせます。(ここまでは普通の洗車と同じ)
そのスポンジに1~2秒程度、上記のチェーンクリーナーを吹き掛けて、ホイールをサッと擦るとビックリするほど簡単に落ちます。
石鹸水と併用だと、溶けたグリスが再付着しないので、ひとふきで落ちます。
欠点としては、遅乾性なので乾きが遅く洗った直後は表面に油っ気が有るので良く乾かすか、サッと洗剤で洗う必要が有ります。また、スポンジが数回使うとボロボロになりますので、安いスポンジを使うと良いかと。