文/Webikeバイヤー:もぐぅ
チェーンのメンテナンスはバイクを楽しんでいく上で最も頻度が多いメンテナンスの1つ。
エンジンが生み出した強力なトルクをタイヤに伝える重要なパーツながら、ほとんど場合むき出しとなっているため様々な要因で劣化してしまいます。
今回は重要なチェーンメンテナンスに最低限必要なアイテム、あると便利なアイテムをご紹介します!
目次
チェーンメンテナンスって具体的に何をするの?
まず、基本的なチェーンメンテナンスは「洗浄」と「注油」です。
チェーンに付着した汚れを取り除き、ルブを噴霧・塗布してチェーンを保護、潤滑を促します。
そのタイミングでよく観察して、重要なチェーンやスプロケットといった駆動系を中心に異常が無いか合わせてチェックします。
チェーンメンテナンスの目的
チェーンの伸び・劣化を抑える
ルブが流れ落ちるなどして潤滑性が落ちると、金属同士の摩擦が増え摩耗が加速。チェーンが伸びてしまい寿命が短くなってしまいます。
また表面に錆などが発生しやすくなり、動きが渋くなる、素材がもろくなるなどの悪影響がでます。
最悪、走行中にチェーンが外れたり、チェーンが破断するなどして大事故になることがあります。
この伸び、劣化するとチェーン自体を交換する必要があるので、それを抑えるためには定期的なチェックとメンテナンスが必要です。
パワーロスを最小限にする
チェーンの潤滑性が落ちるとフリクション=金属同士のこすれが大きくなり、これがパワーロスに直結します。
パワーロスが増大するとバイクのパワーや燃費が悪化します。
このパワーロスを最小限にすることで、バイク本来の性能を引き出すことができます。
フィーリングを良くする
チェーンが正しくない状態だと「シャリシャリ」という大きな音を立てたり、アクセルワークに対してぎくしゃくしてレスポンスが悪いなど、フィーリングが著しく悪化します。
メンテナンスを継続することで新品の様なスムーズな状態をキープできます。
どんな時にチェーンのメンテナンスをすべき?
前提として使用状況や環境によってチェーンのメンテナンスをすべき頻度・タイミングは異なります。
一般的に言われているのが以下のタイミングです。
メンテナンスタイミングの基準
・500km走行ごと
・雨や雪が降る中で走行した場合
・林道など未舗装路や土埃が酷い路面を走行した場合
・融雪剤・凍結防止剤が撒かれた路面を走行した場合
「ノンシールチェーン」と「シールチェーン」で頻度に違いがあるの?
チェーンには大きく「ノンシールチェーン」と「シールチェーン」の2つがあります。近年ではほとんどのバイクの純正チェーンは「シールチェーン」です。
ノンシールチェーンは先述した様に500kmごとのメンテナンスは必須です。
シールチェーンはリンク内部にグリスが封入されているため、諸説ありますが1000km走行ごとかそれ以上でも性能上問題ないと言われます。
しかしノンシールチェーンと同じく錆が出て劣化しますし、チェーンや周辺のチェックもいずれにせよ必要なため、長く安全に使用するためには先に挙げたタイミングなど定期的なメンテナンスがおすすめです。
チェーンメンテナンスの基本的な手順
・作業がしやすい状態にする
・水などでチェーン表面の汚れを洗い落とす
・チェーンクリーナーで汚れを浮かす
・チェーンブラシでしつこい汚れを落とす
・ウエスで汚れを拭き取る
・チェーンを観察し伸びなどをチェックする
・チェーンルブ・オイルを注油する
・余分なチェーンルブ・オイルを拭き取る
チェーンメンテナンスで絶対に必要なアイテム
チェーンクリーナー(ディグリーザー)
チェーンの汚れを落とすのに使用します。パーツクリーナーと比較して揮発性が低く、チェーン特有のしつこい油汚れや泥汚れにしっかり浸透して汚れを浮かしてくれます。
チェーンクリーナーの中には、シールチェーンの封入したグリスの蓋になっているシール=ゴムに攻撃性がある成分を含んだものがあるため、使用できるかどうか確認が必要です。
筆者のおすすめはMOTOWNのチェーンデグリーザーです。
少しシャバシャバして滴りは多いですがしっかり汚れも落ち、安くて詰替え用の2Lボトルもあるのでガンガン使えます!
チェーンルブ(チェーンオイル)
注油することでチェーンの潤滑、表面を保護します。大きく、お手軽な「スプレータイプ」と玄人好みな「点射・塗り込みタイプ」があります。
「スプレータイプ」にもサラサラのドライタイプとベタベタしたウェットタイプがあります。ドライタイプは汚れを吸着しにくい反面、比較的落ちやすいので定期的な注油が必要です。反対にウェットタイプは粘度が高く耐久性はとても高いのですが、汚れを拾いやすく洗浄も少し大変です。筆者のおすすめはドライタイプです。
筆者のおすすめはMOTULのチェーンルブ。オンロード向けのC2、オフロード向けのC3、レーススペックのC4があります。
ノズル形状、噴射の勢いと飛び散りの範囲、浸透速乾性、そしてコンパクトサイズで旅先にも携行しやすく重宝しています。
「点射・塗り込みタイプ」はその名の通り点々と注油し、それをウエスなどで引き伸ばしていきます。最低限の塗布量で済むため汚れが付着しにくいです。印象として違いを体感しやすい商品が多い印象です。
おすすめはウェビック一番人気、円陣家至高のCPO R(シーピーオーアール)
チェーンのコマずつ塗布しないといけないのでスプレータイプと比較するとかなり大変ですが、多くのリピーターがいる「違いに驚く」チェーンオイルです。
チェーンクリーナー、チェーンオイルのセットも各社から出ています。セットで購入した方がお得な場合やブラシなどが付属で付いてくることもあるので、最初はセットで購入しても良いかもしれません。
おすすめはEKチェーンが発売している「EKメン(イーケーメン)」セット!
ポイントは、付属している「ルブリケーター」!一発で3面を効率的に注油でき、飛び散りも最小限に!
これ単体でも売って欲しいレベル……
ペーパーウエス
チェーンクリーナーで浮かせた汚れを拭き取るのに使用します。再利用できる布ウエスでも良いですが、チェーン掃除は驚くほど汚れるので、使い捨てのペーパーウエスの使用がおすすめです!
EMCの破れにくいペーパーウエスはその名の通りかなり破れにくく、普通のペーパーウエスだとボロボロになってしまうところ、最後まで耐え抜いてくれます!かなりおすすめです!
チェーンブラシ
汚れがしつこいときはブラシで磨きます。よくある通常のブラシとコの字型をした専用のブラシがあります。おすすめは3面同時に磨けて力も入れやすいコの字型のブラシです。
チェーンメンテナンスであると便利なアイテム
ここからは必ずしも必要ではありません。しかし、作業効率のアップやより詳細なチェックに役立ちます!
メンテナンススタンド
センタースタンドがあるバイクは不要ですが、サイドスタンドしかないバイクの場合はメンテナンススタンドがあると便利!タイヤを回せるとより効率的に作業ができます!
リアスタンド
スイングアームを両方から支える形でガッチリキープ!リフトしてしまえば安心ですが、上げ下ろしの際は不安定になりがち。可能なら誰かに手伝ってもらいましょう。
スイングアームスタンド
"ちょっとタイヤを浮かす"程度ならこれがおすすめ!サイズも小さく場所を取りません!安定性には少し欠けるのでタイヤ交換などの本格作業には不向きです。
オフロードスタンド
車重が軽くサスペンションのストローク量が多いオフロードバイクにはこれ!
ローラースタンド
タイヤを回すのは少し重いですがリフトアップさせる必要が無いので安全!
チェーンテンション・セッティングツール
チェーンの張りのチェックに使用します。長く乗っていると次第にチェーンは伸びていきます。基本的にチェーンには必ず20mm程度の遊びが指定されているのですが、適正値から大きくたるみすぎるとチェーンの摩耗が加速したり最悪スプロケットからチェーンが外れることもあります。反対に張りすぎるとチェーンや車体への負荷が大きくなり、チェーンの破断やエンジンの破損といった最悪の事態に繋がることもあります。
もし、たるみすぎ・張りすぎといった時はバイクショップなどに調整を依頼しましょう。
簡単に測りたいという方にはDRCのチェーンツール チェッカーがおすすめ!
張りとチェーンの伸び具合、どっちも測ることができます!
あると便利な0円アイテム
チェーンメンテナンスの中で、少なからず汚れや油が落ちて床を汚してしまいます。新聞紙やダンボールなども一緒に用意しておくと良いです。
先んじて新聞紙などの古紙やダンボールを敷いておくと良いです。ちゃんとフロントスプロケットの下からリアスプロケットの下まで、きっちり敷いておきましょう。
洗浄の際の飛び散りや、スプレータイプのルブを吹いた際に、ホイールなど関係無い所に飛び散って汚してしまうことが多々あります。チェーンとホイールの間に一枚ダンボールを挟むことでこれを防げます。
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「ノンシールチェーンは500kmごとのメンテナンスは必須だが,シールチェーンはリンク内部にグリスが封入されているため、諸説ありますが1000km走行ごとかそれ以上でも性能上問題ないと言われます。」だと?
性能上問題ないと言ったのは誰?
根拠を出せないのなら書かないのが常識。諸説ありと言えば許されるものではない。