普段何気なく調整しているタイヤの空気圧。
できれば月に1度は調整したいものです。

そんな空気圧ですが、大多数の方はバイクショップで何かの作業ついでに調整してもらったり、ガソリン給油時にガソリンスタンドで自分で調整しているのではないでしょうか。

バイクショップで調整されている方は大丈夫ですが、ガソリンスタンドで自分で調整しようとするとバイクの場合はけっこう大変な事が多いです。
理由はガソリンスタンドに設置されているエアチャック(空気を入れるところ)は車用になっていて、バイクに使おうとするとブレーキディスクやホイールのスポークがめちゃくちゃ邪魔になるから。

場合によっては「どう頑張っても空気が入れられない」なんて事もあります。
キャストホイールでチューブレスタイヤで大径ダブルディスクを採用している車両ではほぼ全車アウトのはず。

大径ダブルディスクのSS系は大変

バイクショップでは簡単に空気圧を調整していますが、アレは空気注入口がバイク用に特化した物を使っているからです。
空気を送るホースに対して90度に折れている小型な物を採用している事が多く、狭い隙間でも横からサクッとセットできるのが特徴。

逆にガソリンスタンドの物は車用なので、エアバルブに対して真っすぐ当てるのを前提にしている事が多いです。
しかもトラックなどのリムが深いホイールやダブルタイヤの内側に空気を入れられるように、金属製の長い柄まで付いている場合がほとんど。

この金属製の柄がクセモノで、バイクに使おうとするとあちこちに干渉してしまいます。

代表的な干渉物がブレーキディスク。
フロントにダブルディスクを採用しているSS系は左右どちらから挿しても干渉するので大変。
特にリッターバイクのSSではディスク径も大径なのでホイールリムとの隙間は非常に僅かですから、その隙間から真っすぐエアバルブまで金属の柄を差し込むのが非常に困難です。

かなりの確率で『空気充填するのは不可能』となるはず……。

L字型エアバルブのススメ(特に大型SS)

ブレーキディスクが大径なほど大変です

スポークも干渉しがち

何とかブレーキディスクの隙間から金属の柄を突っ込めたとしても、エアバルブにエアチャックを真っすぐ当てるのは難しいです。

エアバルブはホイールの真ん中に付いているのが普通ですが、スポークもリムの中央から生えているので干渉してしまうのです。
特に最近の車両はスポーク数が多いのでだいたい上手く行きません。
昔の3本スポークの頃なら何とかなったのですが、最近の車両では比較的小径なディスクが付いている250cc級でも難易度高いです。

L字型エアバルブのススメ(特に大型SS)

スポークがあるのでエアバルブに対して真っすぐチャックが当てられない……

本体がゴム製のエアバルブなら何とかなるけれど……

多くの場合、純正のエアバルブは本体がゴムで出来ているので少しは傾ける事ができます。
この傾きを利用して無理矢理空気を充填する事ができる場合もあります。

しかし、このゴム製バルブは定期的な交換が推奨されている物で、経年によってヒビが入りやすい部分です。
無理に空気を入れようとして傾けたら裂けてしまい、空気を入れるどころか裂け目から全部漏れてしまって走行不可能となる可能性もかなり高いです。

L字型エアバルブのススメ(特に大型SS)

無理に傾けたら裂けてしまう可能性がけっこうあります、危険

そこでオススメなのがL字型エアバルブ

ようするにエアバルブがホイールリムの中央に真っすぐ立っているから邪魔なのであって、エアバルブが真っすぐでなければ解決します。

実はエアバルブ周辺のスペースが最も無いのはスクーターのリヤタイヤで(駆動系が入り組んでいるので)、とてもではありませんが真っすぐなエアバルブを装着する事ができません。
そこで、ちゃんとメーカーから90度に曲がったバルブが発売されてます。

これを流用すれば良いのです。

L字型エアバルブのススメ(特に大型SS)

エアバルブ内部のサイズは同じです

L字型バルブへの交換方法

残念な事にエアバルブはホイールリムの裏側から装着する物なので、タイヤを外さないと交換できません。
タイヤを外さずに交換する方法も一応ありますが(ホイールを外さずタイヤの端だけ外して隙間を作り、隙間からエアバルブを差し込む)、かなりアクロバティックな作業を要求されるのでオススメしかねます。
タイヤ着脱工賃をケチるための技なのですが、頑張ってる間に車体を倒してしまってかえって高くついてしまう可能性大です。

ですので、タイヤ交換のタイミングでL字型エアバルブへ交換する事をオススメします。
ホイール着脱とタイヤ着脱の工賃はタイヤ交換時にどのみち必要な工賃ですし、ホイール単体になってしまえばバルブ交換工賃は安いものです。

L字型エアバルブのススメ(特に大型SS)

タイヤ交換時の同時作業がオススメ

L字型エアバルブのデメリット

ここまで推薦しておいて何ですが、L字型エアバルブのデメリットとして「高速走行時の遠心力でエアバルブに曲がろうとする力が掛かるので良くない」という話があります。

これは本当で、比較的軽量なエアバルブとは言え高速回転するホイールなので遠心力の影響を受けます。
リッターSSでは空気が入れにくいと解っているのに車両メーカーがL字型エアバルブを純正採用しないのは、遠心力でエアバルブが折れる、隙間が出来て空気が漏れる、耐久性が保証できないなどが理由でしょう。

でも……、リッターSSでメーカーが行っている様々な試験はリッターSSが全力を出しても大丈夫な事を確認するものです。
300km/hを大きく超える最高速、持てなくなるほど熱くなるホイール、物凄い振動……そういった究極的に過酷な悪条件でも「絶対大丈夫」という物しか採用されません。

また、サーキットを走るレース用バイクでは片持ちホイールなどの一部例外を除いて必ず真っすぐなエアバルブを使います。
わざわざ遠心力の影響を受けるL字型エアバルブを使う事はありません。

「それ見た事か!大型バイクでL字型エアバルブを使うのは危険だ!」という話になるのですが……。

よく考えると公道をツーリングする我々の速度はもっともっと低いです。
公道で出せる最高速は一部高速道路区間の120km/hでしかないので、L字型バルブにしたら即刻折れたり千切れたりしてエア漏れしてしまうので危険極まりない!という事でもないでしょう。
現にSSの片持ちホイール車などでは(本体がゴムではなく金属製ですが)純正でL字型エアバルブを採用しています。

L字型エアバルブに交換すると言う事は純正以外のパーツに交換する事になるのであくまでも各々での自己責任になりますが、高速道路を使う予定が無いのであれば本体がゴム製のバルブでも大丈夫でしょうし(軽く60km/h以上出せる125ccスクーターでも純正採用されています)、高速道路も走行するのであれば金属製の物があります。
300km/hは出ないけど相当なスピードが出せるTMAX560でも純正でフロントにL字型エアバルブを採用しています。

L字型エアバルブのススメ(特に大型SS)

ちょっと見えにくいですがフォルツァのリヤはL字型バルブ、遠心力対策の「支え」付き

L字型エアバルブのススメ(特に大型SS)

スピードレンジの低いアクシスZは支え無し

L字型エアバルブのススメ(特に大型SS)

スピードレンジがグッと高いTMAX560ですが、フロントは超立派なL字型エアバルブが純正採用されています(逆にリヤは普通のストレート型)

そうは言ってもやはり……という方にはコレ!

例え僅かとは言え耐久性の劣るパーツに交換するのはイヤだとか、カッコ悪いとか、やっぱり不安とか、そういう気持ちも良くわかります。
タイヤの空気圧チェックがやりやすいという理由のためにわざわざ性能に不安のあるエアバルブに交換するのは気分も良くないでしょう。
趣味の乗り物なのに気分が良くないのは残念です。

そんな大多数の方のために、キジマから素晴らしいパーツが発売されています!
それが「エアーバルブエクステンション」!!

これなら純正のエアバルブのまま、空気圧チェックする時だけ装着すればOK!
なんと90度を超える物まで存在しているので、おおよそ全ての車両でピッタリ使えるはずです。

大型SSに乗っている方にはオススメです。
1個持っておくだけで自分が便利ですし、マスツーリング時にヒーローになれる可能性もありますよ!

L字型エアバルブのススメ(特に大型SS)

90度、75度(105度)、60度(120度)の3種類!

L字型エアバルブのススメ(特に大型SS)

空気圧チェックや空気充填時に取り付けるだけ!

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