文/Webikeバイヤー:エグチ

洗車では落ちない塗装面のイオンデポジットなどの汚れや金属パーツの焼け、更には小キズなど……
そんな見ると微妙にテンションの下がってしまう状態を解決してくれるのが「ポリッシャーによる研磨」です!
ただ、研磨作業のイメージといえば「チマチマと手で研磨剤を使い磨いていく」もしくは「巨大で重たい電動ポリッシャーを使うけど細かい部分が大変」といったものではないでしょうか?
今回ご紹介するのはそんな研磨作業の手間を解決してくれるポリッシャー「PROXXON マイクロポリッシャー」です!
これがあれば電源が無くても!バイクにありがちな細かいパーツや入り組んだ箇所も!手作業で研磨する作業時間の半分以下で楽々ポリッシュ!

普通のポリッシャーと何が違うの?

それでは今回のメインであるプロクソン マイクロポリッシャーの紹介に移ります。

プロクソンのマイクロポリッシャーが持つ大きな特徴は「サイズ」「コードレス」「重量」の3つです!

ヘッドもボディも小さいので細かいところにうってつけ!

まずはそのサイズですが、一般的なポリッシャーと比較するとこのようなサイズ差があります。
大きいポリッシャーはその分バフの面積が大きいので、クルマのボディやボンネットといった平で大きな面を磨くのには適しています。
ただ、バイクに使う場合はそういった部分は少なく、形状によりますがせいぜいカウルやタンクぐらいにしかメリットは活かせません。
その点プロクソン マイクロポリッシャーはヘッドが小さく、本体もスリムなため、細かいパーツの多いバイクにうってつけです!

実際エンジン周りなどの細かいパーツが入り組んだ部分に関しては、ヘッドが小さいというメリットが活きます。
普段は手磨きになる部分の作業をかなり効率化出来るのがかなり楽です。

バッテリー式なので取り回しが◎

プロクソンのマイクロポリッシャーはリチウムイオンバッテリーで駆動するので、電源が無いシチュエーションでも使用することが出来ます!
電源設備のあるガレージといった場所で無くても気軽に研磨作業をすることが出来ますし、コードレスなのでケーブルに作業を邪魔される心配もありません。
スペック上の駆動時間は約30分で、フル充電にかかる時間は約90分ほど。
なので「研磨したいけど外に電源が無いから部品を外して家で磨くしか……」といった悩みも解決!
ただ、今回のインプレで丸一日作業・検証しましたが、特にバッテリーの充電切れといったようなことは起こりませんでした。

一般的なポリッシャーと比べて1/3の軽さ!

ポリッシャー自体が非常に軽いのも嬉しい点です!
バッテリー込みの重量は943gと、一般的なサイズのポリッシャーと比較すると非常に軽量です。
入り組んだ場所や、磨きたいパーツを外さずに研磨作業をしたい場合は、作業のしやすさや長時間の作業でも疲労の軽減に効果アリです。

比較用に用意した有線式のポリッシャーは、スポンジバフを含めて約2.9kg。
PROXXONのマイクロポリッシャーと比較するとほぼ3倍の重量です。
「エアー式ポリッシャーなら同じくらい軽くない?」と思う方もいるかもしれません。
エアーでポリッシャーを駆動するには、コンプレッサーといった大掛かりな設備を用意する必要があるため、手軽さと軽さのバランスではPROXXONに軍配が上がります。

実際にマイクロポリッシャーで磨いてみよう!

それでは実際に作業しながらインプレッションしていきます。
と、その前に今回ご紹介するPROXXON マイクロポリッシャーに含まれているセットの内容を紹介します。

セット内容

こちらの商品に含まれているセット内容としては「バフ(3種類)」「バッテリー(2個)」「バッテリー充電器」「ディスク研磨ペーパー」「研磨剤」が主なものになります。

バフに関しては金属パーツなどを研磨するフェルトバフ、塗装面を研磨するスポンジバフ(ミディアム)、仕上げの研磨や研磨剤の拭き取りに使えるモップバフという内容です。

こちらのアタッチメントのセット1つで一通りの研磨が出来るようなラインナップになっています。
付属の研磨剤に関しては金属パーツ向けなので、塗装面を磨く場合は用途に合った研磨剤を用意したいところ。
またバフなどに関しては、オプションとして用途別に粗さの違うスポンジバフなどをラインナップしています。

今回はセットに含まれているスポンジバフとモップバフに加えて、オプションのスポンジバフ(ハード)を使用します。

電動ポリッシャーで研磨をする際に気をつけること!

ポリッシャーを使う際には手で研磨する際とは違ったポイントに気をつけなければいけません。

1.押し付けすぎに注意

ポリッシャーで塗装面などを研磨する場合、バフを押し付ける力が強いと塗装面を削り過ぎてしまいます。
また無塗装の金属パーツなどに関しても、バフを押し付けすぎると摩擦によって加熱してしまい、焼け痕が残ってしまうことがあります。

2.高速回転させすぎに注意

ポリッシャーを研磨せずに空回しで高速回転させてしまうと、バフを取り付けるベースのパッドが損傷することがあります。
今回使用するPROXXONのマイクロポリッシャーはバフ自体が小さいので、通常サイズのポリッシャーに比べると損傷の可能性は小さいですが、気をつけるにこしたことはありません。

3.液剤のつけすぎに注意

バフにつけるコンパウンドなどの研磨剤は「もうちょっと要るかな?」と思うくらいの量に留めておきましょう。
バフを回転させる都合上、液剤の量が多過ぎると猛烈な勢いで周りに飛び散ります。

お見苦しい画像で申し訳ないのですが、こちらは作業後の筆者の股間です。
このように液剤が多いと気づかないうちに周りに飛び散り衣服についてしまいます。
更に液剤の種類によりますが、往々にして洗濯してもなかなか落ちませんので気をつけましょう。

4.プレスラインやエッジの研磨に注意

車両の塗装の暑さ、つまり塗膜は大体80μmから130μmと言われています。
μmは1mmの1/1000の大きさです。つまり塗膜が100μmの厚さだとすれば、ミリメートルで換算すると「0.1mm」となります。
塗装の研磨ではその塗装を数μm程削るのですが、外装パーツやタンクのプレスラインもしくはエッジ部分は他の部分より塗膜が薄くなっています。
塗膜が100μmの厚さだと仮定すると、通常では下地素材から塗装まで70μmから80μmで、そこからクリアが30μmから20μmほどです。
前述したプレスラインなどでは更にそこからクリア層の塗膜が薄くなるので、平面と同じような力加減で研磨すると塗膜を削りすぎてしまいます。
なのでそういった部分は軽めに、撫でるように気をつけて研磨しましょう。

塗装面を磨いてみよう!

電動ポリッシャーで研磨する場合の注意点を踏まえつつ、研磨作業に移ります!
研磨工程に移る前に、軽く車両を水洗いして表面をキレイにしておきましょう。
まずここで研磨する箇所は「タンク」と「シートカウル」です。

タンクの上面はこのような状態で、かなり多くの線キズが入っています。

磨きキズのようなものも入っています。
タンクはバイクの中でも存在感のあるパーツな上、更に内ももやタンクバッグなど、擦れたり物が当たってしまったりする機会が多い箇所なので、車両の見栄えに大きな影響を与えます。

シートカウル側も大きなキズが入っています。
こういったキズをどのくらいの作業時間で、かつそもそもキレイにキズを消したり出来るのか?といった部分を検証します。

今回塗装面に使用するコンパウンドはこちらの「GLARE(グレア)マイクロフィニッシュ」です。
グラスプレキシンという独自素材が配合されており、塗膜の表面を整えてツヤを取り戻してくれます。
詳しくはこちらの記事でご紹介していますので是非ご覧ください。

塗装面にまず使用するバフはセットに付属しているスポンジバフ”ミディアム”です。

バフにコンパウンドを適量塗布して研磨していきます。ここでコンパウンドなどの液剤が多いと盛大に液剤が飛び散ります。

研磨前後の比較がしやすいようにマスキングをしてタンク上面から研磨スタートです。

回転速度の調節はこちらのノブを使います。トリガーなどによるコントロールではないので「研磨中に速度調整出来るのかコレ?」と思ったのですが、慣れてくると「右手でポリッシャーを保持しつつ左手で速度調整」といったような操作が出来るようになります。

というわけで研磨終了です。
「もう終わり!?」と思うかもしれません。
ですが1kg以下の電動ポリッシャーを特に力も入れずにスイスイと研磨しているだけなので、特に苦労も疲労もなく10分程度で作業が終わってしまうのです。
新車のよう!とまでは行きませんが、労力に対して圧倒的にコスパの良い仕上がりではないでしょうか。

タンク横も比較のためにマスキングをして作業を始めたのですが、あまりにも手間がかからずキレイになっていくので……

タンク全体を磨いてしまいました!
比較になってないじゃないかと怒られしまいそうなのですが、スイスイと電動ポリッシャーで研磨する手が止まらなくなってしまいました。
ミディアムのスポンジバフでも小キズはかなり消せてしまうことがわかりました。

お次はもっと手強そうなキズが入っているシートカウルを磨いていきます。

塗装面のツヤは戻ったものの大きいキズは消せませんでした。

ここで思いついたのがハードタイプのスポンジバフを使うという方法です。
ただ塗膜を削る力が強いので、バフを押し付ける力に注意しつつ作業します。

ハードタイプのスポンジバフを使ったところキズが消えてしまいました!
手でキズ消しコンパウンドとスポンジやタオルで同じ作業をしようと思ったらどれだけかかるのでしょうか……
所要時間としては15分程でここまでの仕上がりになりました。

続いてシートカウル右側の擦れたようなキズもハードタイプのスポンジバフで研磨すると、転倒によって塗装が剥がれた部分以外はある程度キズを消すことが出来ました。
恐らくもっと時間をかけて丁寧に作業すれば更に仕上がりは良くなると思われますが、それにしてもコードレスかつポリッシャー自体が軽量なお陰で、研磨作業が圧倒的に楽です。
これなら「普段の洗車後にチョロっと研磨とコーティングしちゃお」と思ってしまうかもしれないくらいには手間と体力を使いません。

金属を磨いてみよう!

次はマフラーなどの金属面を研磨します!
見事なまでにステン焼けで真っ茶色になっていますが、これをマイクロポリッシャーでどれだけ落とせるのでしょうか?

金属面の研磨に使用するコンパウンドは、日本人に最も馴染み深い金属磨き「ピカール」です。
オーソドックスで入手性の高い金属みがき+マイクロポリッシャーの組み合わせでどこまで金属の輝きを戻せるのでしょうか!

早速ですがこちらが結果です!所要時間は5分でこの輝き!!
作業していた筆者が最も驚きました。
本当に短時間で特に力も入れずに研磨しただけでこの結果です。中古で買ったマフラーなので「元の色ってこんな感じなんだ」という感動を味わっていました。
ハードタイプのスポンジバフを使えば、先程ではかなり大きな塗装面のキズも消すことが出来ましたし、更にはステン焼けも簡単に取れるので、オプションパーツの中でもこちらはマストバイなアイテムではないでしょうか。

これに気を良くしたので別車両のエキパイの研磨にも挑戦してみることにしました。
車両はドゥカティの899パニガーレです。この部分のみカウルに隠れず外に露出しているので、「ステン焼け+サビ」というような状態になっています。

結果としてはこのようなものになりました。
ステン焼けは取れたものの、サビが焼き付いてしまっている部分にかんしてはポリッシャーのみでは落とし切ることは出来ませんでした。
サビなどが表面に載ってしまっている場合は、サンディングディスクなどの更に目の粗いアタッチメントをしようすると落ちるので、用途と場面に合わせて使い分けましょう。

更にメッキパーツであるヘッドライトリムも研磨してみます。
先程と同じくピカールとハードタイプのスポンジバフで研磨します。

所要時間はなんと3分!
サビがメッキの下地まで侵食してしまっているわけではなく、表面に乗っているだけの状態では一瞬で研磨が終了します。

更に片側3分で全周この輝きに!手で磨いた場合は3倍近くの作業時間になるのではないでしょうか。

番外編:クルマのこすり傷を消せる?

クルマのリアバンパーに残ってしまったこすり傷はこちらのマイクロポリッシャーで消せるのでしょうか。
ミディアムタイプのスポンジバフで検証してみます。

数秒で消えました。
塗装自体にキズが入っているわけでなければ、手軽にキズ消しが可能です。
バイクだけでなくクルマの場合も、クルマを収容出来る電源設備の整ったガレージはなかなかありませんので、コードレスタイプのマイクロポリッシャーであれば作業の敷居が下がりますね。

もう素手での研磨には戻れない!

丸一日PROXXONのマイクロポリッシャーを使用した感想としては「もう手作業で研磨とか考えられない……」というものがあります。
ステンマフラーの磨き作業やコーティング前の塗装研磨作業など、辛い体勢に体を痛めながらする作業のストレスすべてから解放されるのです。
少々お値段は張りますが、価格以上に愛車の輝きが上がります。なぜなら研磨作業が辛くないから!
愛車はピカピカにしたいけど手作業はちょっとめんどくさい、そんなユーザーの方におすすめです。

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