文/Webikeバイヤー:もぐぅ

絶対に折りたくないクラッチ・ブレーキレバー

オフロード走行時の転倒は珍しいことではない。バイク自体は頑丈なのでめったに壊れることはないが、操作のために必要なクラッチ・ブレーキレバーは立ちごけ程度でも当たり所によっては簡単に折れてしまう。バイクはピカピカでも、エンジンがいくら元気でも、操作ができなければ車輪の付いた鉄・アルミの塊を押して帰るしかない。

「絶対にレバー折りたくない……」そう思っていたところ、「折れない」という驚愕の前宣伝があるレバーを見つけた。
今回はその紹介と、実際にひどい目にあってもらい「折れない」が事実かどうか検証していく。

折れないレバーがあるらしい

さて、今回主役のレバーはPOLISPORT(ポリスポーツ)という世界中のオフロードバイクユーザーを支えているポルトガルのブランドの商品。POLISPORTはレバーの他にもお手頃価格なフルカウルセットや異形ヘッドライトをはじめ、各種プロテクションパーツを広くラインナップしている。

ポリスポーツの商品

該当のレバーのPOLISPORT公式サイトでの表記は以下の通り。

『UNBREAKABLE LEVERS』 = 『折れないレバー』

「折れない」と言い切っていた。
形あるものいつかは壊れる。そんな世の中なので絶対に「折れない」ということは無いのだろうが、どれだけ「折れない」のか、かなり気になる。

POLISPORT:ピボットレバーセット

商品名 :ピボットレバーセット
商品構成:クラッチレバー×1 ブレーキレバー×1
Polisport独自の“Aero Parts Technology”を採用し、純正レバーのフィーリングを維持しながら、極限のコンディションでも使用中に曲がることのない、壊れにくいレバーを開発。レバーは純正のパーチとマスターシリンダーに装着できるように設計されており、ピボット部はCNC削り出しのハイグレードアルミ製を採用。クラッチ側、ブレーキ側ともにショートな3フィンガータイプ。レバーは外側に可動するピボットタイプで、クラッシュ時の破損を防止する。

商品紹介・取り付け動画

気になる適合車種。下記例はごく一部にすぎない。
地元ヨーロッパのKTMやHusqvarnaなどのメーカーはもちろん、HONDAやYAMAHAといった日本メーカーの主要なオフロードコンペティションモデルはだいたい抑えている。

シリーズ適合車種例
YZ125(15-21) / YZ250FX(15-21) / CRF250R(07-) / KX250F(05-18) / RMZ250 (05-20) / 250EXC(14-22) / TE250(19-21)etc...

ピボットレバーセットのカラーラインナップは、ブラック、ホワイト、ゴールド、ナードグレイ、そしてOEMカラー(レッド)

今回取り付けを行ったHONDA CRF250RXの純正レバーとの比較を行った。
純正レバーより若干短い3フィンガータイプとなっている。

ハウジングとつながる根元の部分は美しく強度も高いCNC削り出しのアルミ製。取り付けを行った際、精度もかなり良いと感じた。

CRF250RXは標準でレバーのハウジングと一体型の専用ハンドガードが着いている。このレバーセットは純正ハウジングにボルトオンで使用できるので、お気に入りのハンドガードもそのまま装着できる。
レバーの根元の機構的に、全体の重量は純正レバーより僅かに重い。しかし、レバー部分単体だけでみるとおそらく純正レバーより軽い。レバー比の変化もあって操作感としては軽くなった印象を受けた。

実戦で検証!”あ・え・て”転びまくってみる。

検証内容

ピボットレバーを装着し、いま大人気のアマチュアエンデューロレース WEXの神立大会に出場した。
このコースは嫌らしい登りのガレが名物。転倒すれば容赦なく尖った岩にバイクが叩きつけられる。

エンデューロレースは転倒・スタックを避け、淡々とマラソンのように走り続けるほうが良い成績が出る。らしい。
しかし、転ばないように走っていては「折れないレバー」の検証ができない。そこで今回は恥をしのんで、検証のために”あ・え・て”転びまくってみることにした。

検証結果

お腹いっぱい転んだ。本当にひどい目にあった。

スロットルホルダーが割れ、グリップが裂け土が入り込み、アクセルが回らなくなった。お気に入りだった純正ハンドガードも無惨にもげた。
正直、ここまでの短いオフロード人生で、ここまで車両と心をボコボコにされたのは初めて。

ここまで転ぶと真っ先に逝ってしまいそうなレバーだけが無事だった。すごい。本当に折れない。
検証としてはこの上無い素晴らしい結果となった。が、レバーの代わりに筆者の心が折れる結果となった。

なぜ折れないのか?

レバーは根元から折れてしまうともう走れない。万が一転倒した際にレバーが折れてしまわないように、致命傷を負わないようにメーカーは頭を捻っている。

代表的なものといえばZETAの可倒式レバー(画像左)。転倒した際に関節が機構的に折れることで力を受け流し破損リスクを抑える。
他にオフロード界隈で有名なものといえば、形状記憶素材を使用したARCのレバー(画像右)。強い衝撃を受けた際にあえて曲がるようになっていて折れることはなく、放っておけばそのうち元に戻るというもの。

画像はCRF250RXの純正クラッチレバー。先端付近にスリットが入っている。あえて先端のみ折れやすく作ってあり、根元から折れ走行不能になる最悪の事態を回避できる。

POLISPORTのレバーが折れない理由は2つある。
1つ目は「ピボット」と名がついている通り、レバーが前側にかなりの範囲可動する構造になっていて力を受け流せるようになっている。

2つ目は、見た目によらず素材としての強度がとにかく強いこと。まず、人の手では絶対に曲がらない。

ここまで来ると、どこまでやれば折れるのか、気になってきた。

力づくで検証!どこまでやればこのレバーは折れるのか?

どこまでやれば折れるのか、万力に固定して、バイスプライヤーでひっ掴み力づくで曲げてみた。

「ぬおおぉぉぉ……」

あ、これ想像していたより全然強い……。パワー系競技の経験があり、力には多少の自信があった筆者だが、正直かなり苦戦した。
最終的にはテコの原理も利用して、ようやく曲げることができた。

「っしゃー!」

達成感を覚えるレベルだった。
ある一定のところまで曲がると、この樹脂部分がパキッと一気に割れた。中にはおそらく鉄だろうか、樹脂部分と比較すると少し柔らかかく粘りがある金属が入っていた。この金属素材を軸に、強度の強い樹脂パーツで補強、という構造のようだ。

もし走行中に転倒して折れたとしても、先っぽがなくなってしまい走行不能……というケースは避けられそう。
しかし、本当に大きな衝撃を受けた場合、レバー部分の強度が高すぎたがために逃げ切れなかった大きな力が大元のハウジングに伝わって破損してしまうケースも考えられる。ここは一長一短といったところ。

結論!このレバーはこんな人におすすめ!

ここまで「実戦使用で転びまくる」「力づくで曲げる」という、検証と称した2つのひどい目にあってもらった。検証を通して、本当にこのレバーの「折れない」理由がまじまじとわかった。

このレバーは以下のような人に特におすすめしたい。

  • 絶対にレバーを折りたくない人
  • 純正のハウジングをそのまま使いたい人
  • オープンエンドのハンドガードにこだわりがある人

特に3つ目。
ハンドガードは大きくクローズドエンドとオープンエンドの2つのタイプがあり、後者はレバーがむき出しになってしまうためレバーが折れるリスクが高い。
しかし操作性や見た目の都合上、クローズドエンドよりオープンエンドのほうが好きだと言う人は多い。折れにくいレバーは、そんなオープンエンド好きな人にとっては最適解の一つかもしれない。

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