ミシュランのビッグアドベンチャー用タイヤでライダーから熱い支持を受けているのがミシュラン アナキーアドベンチャー(MICHEILIN ANAKEE ADVENTURE)。このタイヤは前モデルとなるアナキー3から正常進化を遂げたモデルで、ロードでのツーリングはもちろんのこと、林道ツーリングでも存分に活躍してくれる性能を持つタイヤである。

今回執筆を担当するWebike Plusスタッフ・中村はこれまで2度ほどアナキーアドベンチャーを装着してきた。ここでは、現在進行形で装着しているBMW・R1200GSによる使用インプレッションをお届けしたい。

「アナキーアドベンチャー」ってどんなタイヤなの?

アナキーアドベンチャーは、オンロードとオフロード性能を高次元でバランスしたミシュラン最新のトレイルタイヤだ。
ミシュランの公式サイトには以下のように特徴が語られている。

【アナキーアドベンチャーの特徴】
・最適化されたグリップ性能+雨天時や濡れた路面で高いウェットグリップ性能を発揮
・高い安定性を追求+優れたコーナーリング性能
・妥協のないオフロードでのトラクション性能
・オートバイメーカーが純正装着用タイヤとして採用

この表を見ていただけると一目瞭然だが、アナキーアドベンチャーの同社内ではオン・オフ両方を楽しめる万能タイヤという位置づけであり、オンロード特化型の「ロード6」、本格的にオフロードで遊べる「アナキーワイルド」の中間のポジショニングにあたる。

なお、前作となるアナキー3はオンロードとオフロードの比率が9:1。一方、アナキーアドベンチャーは8:2。つまり、アナキーアドベンチャーはオフロード比率が高められて開発されている点も見逃せないポイントだろう。

ちなみに、この比率は「使用用途」を表したもので、走行距離100kmで例をあげるとロード80km、オフロード20kmぐらいの使用で走行されることを考慮し開発されているというもの。そのため、絶対的な性能比という話ではないそうだ。

簡単にまとめると、アナキーアドベンチャーは「オンロードでのツーリングもしたい」、でも「ちょっとしたダートも走りたい」という相反する2つの要求を満たす二刀流タイヤなのである。

アナキーアドベンチャーはBMW「R1250GS」、モト・グッツイ「V85TT」トライアンフ「タイガー900」に純正装着されており、メーカーからのお墨付きを受けていることも付け加えておこう。

GSで北海道を3000km走るなら、何を履くべきか?

自分は昨年10月に2週間ほど北海道ツーリングに行ってきた。

久しぶりに長い休暇がとれ、めったにない機会だった。季節はすでに秋であったが、目的地は迷わず北海道に定めた。事前の下調べでは走行距離は3000km以上。タイヤは出発前の時点ではかなりの摩耗具合。そこでセレクトしたのが、ここでも紹介しているアナキーアドベンチャーなのである。

選んだ理由はいたって簡単。ロードももちろん走るが、北海道ならではのダイナミックな林道も楽しみたかったから。

北海道の林道は、1本1本が関東と比べ圧倒的に長い! 熊も遭遇率が高いのでリスクはその分あるのだが、GSに乗っていたら、そりゃ林道も入りたくなる。自分はけっしてオフロードが得意なライダーではないが、林道は好きなのだ。でも、北海道は林道だけではなく、ワインディングだって楽しみのひとつ。そして、拠点と拠点を移動するため長い航続距離がある。だから、オールラウンダーであるアナキーアドベンチャーを選んだ。

自分は以前、BMW・F700GSでもアナキーアドベンチャーを装着していたので、特徴は理解しているつもり。同タイヤは林道ツーリングでもある程度の満足感がある。そして、ロードでの走破性はというと、見た目こそブロックタイヤだが、オンロードも非常に快適だったことを忘れてはいない。

北海道を3000kn走ったとしても、林道の総走行距離は300㎞以下だという予測もあり(実際、100kmちょっとだった)、走行距離の大半はアスファルトが占める。ロングツーリングにおいて、ロードでの快適性は超重要! オフロードでの楽しさは一瞬であり、北海道の移動区間はひたすら長く(つまりロードの時間が長い)なるので、万能型のアナキーアドベンチャーはベストな選択だったように思う。

 

ここで、今回あらためて感じたことをまとめてみたい。

やはり、ロードでのグリップ感は心地よく、フツーにロードタイヤと変わらないというのは、以前と同様で自分の第1印象である。ウェットグリップも素晴らしく、自分は雨の日だからといって特別、意識をしていない。雨の日もフツーに運転している。

また、高い静粛性を誇り走行ノイズが少ないこと、ロードでの高いグリップ感を持っていることなど、「ブロックタイヤなのに、ブロック特有のネガがない」ことは、同タイヤの大きな魅力だろう。ハンドリングについても、パターンを見ていなければ一般的なロードタイヤと思い込んでしまうほどである。少なくても、自分のようないたって普通のツーリングライダーにはそう思えてしまう。

結果、北海道ツーリングはオンもオフも楽しめ、無事にツーリングは終わった。現在、走行距離は6000kmほどだがまだまだイケそうで、ライフが長いことも特長のひとつと言えよう。

アナキーワイルドとアナキーアドベンチャー、履くならどっちか?

さて、そんな頼もしい旅の相棒であるアナキーアドベンチャーだが、どんな人に向くのだろうか? この問いに対して自分なりの回答をしてみたい。

まず、アスファルトでのツーリングがメインで、ダート走行を考えていないなら同社のスポーツツーリングタイヤ・ロード6で決まりである。自分がもし、林道ツーリングの魅力に憑りつかれていなかったら、コレ一択ではないだろうか? ロード3からこのシリーズにはお世話になってきたが、リニューアルするたびに目覚ましい進化を遂げており、非常に完成度の高いスポーツツーリングタイヤだと思う。

問題はここからである。ダート走行が使用用途に入ってきたときに、アナキーアドベンチャーか、アナキーワイルドかという迷いが生まれるかもしれない。

アナキーワイルドを選ぶ場合、以下の点を考慮してほしい
・競技やイベントに参加するなど、明確な目的がある
・とにかくオフロードを楽しみたい。ロードは快適でなくても「我慢」できる
・林道が近くにある、トランポがあるなど、ロードの使用用途が少なめ

以前、BMW・F700GSにアナキーワイルドを装着したことがあるが、これはBMWモトラッドデイズ@白馬でのヒルクライムに参加するためであった。まさにヒルクライムにチャレンジするという目的があり、すべてはこの日のために用意した決戦用タイヤという意味合いだった。結果は、前日の雨のためにウェットで転倒となってしまったが……。

アナキーワイルドを履いていると、林道がすべて! 装着期間内はできるかぎりオフロードへ繰り出したことを覚えている。

 

しかし、これがブロックタイヤのネガな部分なのだが、とにかくロードがツラい……。まず、高速道路は100㎞で怖くなってくるし、ロードノイズが大きく気になった。そして、ワインディングでは狙ったラインよりも大回りしているような違和感を覚え、スイスイといった感じとはお世辞にも言えない状態。ひとたび林道に入れば水を得た魚のように走れるのだが、アスファルトは苦手なのである。

結局のところ、「何を重要視するか」に尽きてしまうのだが、自分はロードでの快適性を選んだ。アナキーワイルドは、オフロードでの走破性は素晴らしくその瞬間は最高なのだが、オフロードを走っている時間や距離は、タイヤ装着期間全体の中でどれぐらいを占めているのだろうか? そう考えると、オールラウンダーであるアナキーアドベンチャーはバランスが取れている。

というワケで、特別な目的がないかぎり、自分の中ではアナキーアドベンチャーという回答に落ち着くのだ。

 

 

もっとバイクが楽しくなるから、オフ初心者にこそ履いてほしい!

R1200GS×アナキーアドベンチャーの組み合わせで、今でも林道をときどき走っている。自分はこれぐらいのゆるい道が好き

このアナキーアドベンチャーはロードでの走行性能もバッチリなので、アドベンチャーバイクでダートという未知の世界に入ってみたいと考えているライダーはぜひ1度、装着してみてほしい。タイヤを変えてみるだけでバイクのキャラクターが大きく変わるのだから、これは面白い気づきになるのではないか。

自分が林道に行き始めたころはノーマルのロードタイヤだった。そして、慣れない林道に悪戦苦闘。しかし、タイヤをオフロード寄りのものに変えてみると上達も早くなり、もっと走りに行きたくなっていた。タイヤを換装することで、自分の知らない世界に出会えた気がする

 

オフロードといっても、本格的な林道ツーリングでなくてもいい。初めはキャンプ場のちょっとしたオフロードでもその安心感や走破性を体感できるのではないだろうか? オフロードにまったく興味がなかった自分は未舗装路が現れると躊躇してしまうことがあったが、タイヤひとつで(厳密には2つだが……)バイクの印象が全然違ってくるから不思議である。初めは「怖いもの」だったダートが今では「ごちそう」に変わっているのは、少なからずタイヤへの安心感があるからだろう。

タイヤひとつでバイクのフィールドは大きく変わり、遊びの場は広がっていく。タイヤ選びというと興味・関心を示さないライダーも少なくないと思うが、せっかくアドベンチャーバイクに乗っているなら、アドベンチャーっぽいコトも楽しんでみてはどうだろうか? アナキーアドベンチャーはオールラウンダーという特性上、装着してもノーマルのロードタイヤと比べ違和感が少ないし、未知の領域であるダートではそっとサポートしてくれるはず。

アナキーアドベンチャーなら土を掻いて進む快感が体験できるので、オフロードにちょっとでも興味のある人はぜひ履いてみてほしい!

【MICHELIN ANAKEE ADVENTURE タイヤサイズ】

●Front
120/70R17 58V
110/80R18 58V
100/90-19 57V
110/80R19 59V
120/70R19 60V
90/90-21 54V

●Rear
130/80R17 65H
140/80R17 69H
150/70R17 69V
160/60R17 69V
170/60R17 72V
180/55R17 73V
150/70R18 70V

情報提供元 [ 日本ミシュランタイヤ ]

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