梅雨に限らずゲリラ豪雨など、落ち着かない天気が続きます……少しでも快適に過ごすにはバイク用のレインウェアは欠かせません。
今回はレインウェアの簡単な選び方と、レインウェア・レイングッズをご紹介します。

【レインウェア】選び方のポイント

レインウェアを選ぶときに押さえておきたいポイントを紹介します。ここさえ注意すれば失敗することはありません!

サイズ選びは1~2サイズ大きめにしよう

レインウェアは服の上から重ね着するので、ぴったりサイズだと窮屈です。

普段着の1サイズ~2サイズ大きめを選ぶと脱ぎ着もしやすくて快適です。

ちなみに私はLがジャストサイズですが、XLのレインウェアを着ています。
多少余裕のあるサイズ感ですが、靴を履いたまま脱ぎ着できて楽ちんです。
余った袖や裾のバタつきが気になる人は、ベルクロで留められるアジャスター付きがオススメです。

『耐水圧』と『透湿性』は走行シーンに合わせて選ぶ

耐水圧はどのくらい必要?

「耐水圧」とは、どのくらいの水の圧力に耐えられる防水性かを示す数値です。この数値が大きくなるほど防水性が高いウェアといえます。耐水圧試験の方法はJIS規格によって定められており、試験により一定基準に達したレインウェアには耐水圧の表記がされています。 一般的な耐水圧で耐えられる雨の目安は下記のようなイメージです。

  • 300mm・・・小雨に耐えられる
  • 2,000mm・・・中雨に耐えられる
  • 10,000mm・・・大雨に耐えられる
  • 20,000mm・・・嵐に耐えられる
  • 一般的なナイロン傘の耐水圧は250~500mm程度で、耐水圧が低くても充分に雨から守ってくれることが分かります。
    しかし、レインウェアは人が着用して使うものなので、人の動作や物との接触によって圧力が増します。

    では、バイク用のレインウェアとしてはどれぐらいの耐水圧が必要なのか。
    最低でも8,000mm、通勤通学などの日常使いなら20,000mm、絶対に浸水を許さないのなら30,000mm以上は必要です。
    バイクは徒歩や自転車と違いスピードが出る乗り物のため、走行時の雨の勢いは静止時の何倍にもなります。
    緊急時や少しの走行であれば8,000mm以下でも浸水してくることは無いかもしれませんが、30分以上の走行や高速での使用などを考えれば20,000mm以上のものを選ぶのが無難です。

    透湿性はどのくらい必要?

    耐水圧とともに重視したいのが「透湿性」です。
    透湿性とは、衣服内の水滴にならない蒸気状態の汗を生地が外に出す度合いのことで、簡単に言ってしまうと「湿気を外へ逃がす数値」です。具体的には「24時間に何グラムの水分を外に出すのか」ということを数値で表しています。
    この透湿性の目安として、人が日常生活でどれぐらいの汗をかくかまとめたのが下記のイメージになります。

    バイク用レインウェアの最大の特徴は、「透湿性が登山用やアウトドア、ワーク系レインウェアと比較して高い」ということ。
    上記のイメージを見て、「バイクは軽い運動なんじゃないの?」と思われる方もいるのではないでしょうか。雨の日にレインウェアでバイクに乗ったことがある方なら分かると思いますが、レインウェアの中は汗とジメジメした環境でかなり蒸れます。(夏場なおさら!)
    雨水の侵入を徹底的に防ぐため、しっかり前を締めて首元までガードしているので熱がこもりやすいのです。
    それゆえにバイク用では透湿性が高いものが多く、雨は防ぎながら湿気や汗は外部へ放出。生地も高品質なものや機能的なベンチレーションを採用しているモデルもあります。

    レインウェアのジメジメを払拭するベンチレーション

    透湿性を飛躍的に高める工夫として、バイク用のレインウェアでは背中側にベンチレーションが設けられている商品が多くあります。
    雨は防ぎつつレインウェア内の熱気を外へ逃がしてくれるので、梅雨の季節から夏、秋にかけて快適さが段違いです。

    使用するシチュエーションに合わせて最適なものを選ぼう

    【通勤/通学・バイク配達員】毎日バイクに乗るライダー

    とにかく雨でも毎日乗る方に必要なスペックは以下です。

  • 耐水圧20,000mm以上
  • 透湿性5,000~10,000g以上
  • 浸水しないように縫い目の少ないシームレス構造を採用したレインウェア
  • バタつき防止機能付きで走行性が安定
  • リフレクター付きで夜間の走行でも安心
  • 毎日のように使うことを考えると、耐水圧はもちろん梅雨から秋雨の時期まで快適に過ごせる高い透湿性は重視したい点です。
    また、シームレスやバタつき防止ベルト、リフレクターと機能面も考慮すべきポイントです。

    【日帰り・泊りのツーリング】使用頻度が高く、持ち運ぶことも多いライダー

    レインウェアの使用頻度が高く、バッグなどに入れて持ち運ぶことも多いライダーは、以下のポイントをおさえると良いでしょう。

  • 耐水圧20,000mm以上
  • 透湿性10,000mm以上
  • 軽くコンパクトに収納可能
  • ちょっとした物をしまうポケット付き
  • 【レイングローブ】選び方のポイント

    グローブの種類をおさらい

    まずはグローブの種類についておさらい。バイク用のグローブは大きく分けて「メッシュグローブ・3シーズングローブ・ウインターグローブ」の3種類。
    革なのか、化学繊維なのかという違いもありますが、簡単に言えば『使用に耐えられる季節での区分け』ということです。

    その中で、グローブに防水機能が付いているのか、付いていないのかという違いが存在します。メッシュグローブに防水機能が付属していることはほぼありません。
    夏の暑い中ではメッシュグローブが快適ですが、風をよく通すのに防水も完璧!という魔法のような素材は残念ながらありません。

    「レイングローブ」という雨専用グルーブ

    そこで『レイングローブ』という雨専用のグローブが存在しています。主に夏や3シーズンで使うことを想定しています。
    ウインターグローブには「防寒」という重要な役目があり、保温材が封入されていることが多く、合わせて防水機能が付加されている商品も多く存在しています。
    用途や季節によって、防水機能付きグローブ、レイングローブという専用品、場合によってはグローブの上にかぶせるようなタイプの「レインカバー」を使い分けることが快適な雨ライディングに繋がります!

    サンドイッチされているフィルムが「防水」効果を担う

    バイク用グローブの場合、防水性能は生地にサンドイッチされる防水フィルムが担う形になります。
    高機能素材の「ゴアテックス」を使用するグローブもありますが、グローブ内部に、一枚薄い防水フィルムのグローブが入っている、というイメージがわかりやすいと思います。
    「ネオプレン」「ウェットスーツ」という素材も、雨用として耳にすることがありますが、防水フィルムが無いウェットスーツ素材は雨が染み込んでしまうため注意が必要です。
    また、ほとんどの防水グローブの場合、表の生地はしっかりと水を吸い込んでしまうので、どうしても「重くなる、握ると水が滴る」というのは避けられません。

    速度が出れば出るほど、求められる耐水圧は大きい

    防水膜が採用されるグローブの場合、おおよその耐水圧は10,000mm以下、ゴアテックスなどの高機能素材の場合20,000mmほどだと想定されます。 グローブを握る手は常に走行風に晒されるため、雨の勢いは静止時の何倍にもなります。
    高速道路などをよく走るという用途であれば、高機能素材を使用したグローブの購入がおすすめです。

    レイングローブならではの嬉しい機能

    雨専用ということもあり、バイク用のレイングローブには雨の中でこそ役に立つ機能が盛り込まれている商品があります。
    この機能は欲しい!と思ったら装備があるかどうかをチェックしてみるとより選びやすくなるでしょう。

    • シールドワイパー
      バイク用のレイングローブと言ったらコレ!バイクのシールドの雨粒を一気にワイピング。霧雨などの細かい雨粒もまとめてオサラバできます。
    • リフレクター
      雨の日は想像以上に視界が悪くなり、後続車からの視認性を上げることが事故防止に繋がります。グローブにもリフレクターが付いている場合は安全性も向上。
    • スマホタッチ対応
      いまやグローブの必須装備となりつつあるスマホタッチ機能。スマホが防水なら雨でも使う!というユーザーにこそおすすめしたい機能です。

    【防水機能付きライディングシューズ】選び方のポイント

    走行中いきなり雨に見舞われてしまい靴がビチャビチャ…なんてことはツーリングに出掛ければしばしばあります。靴はともかく靴下にまで浸水していると気分はだだ下がりですね……
    また、濡れた靴底でステップに足を置くのも意外と怖いものです。雨でも快適に走行出来るレインシューズの要チェックポイントをお伝えします。

    靴の中の熱気を逃がす高機能素材たち

    バイク用のシューズは基本的に1年間を通して使用します。冬の寒い時期には靴下を重ね着したり、カイロを使ったりと意外と温度調節はきくものです。しかし、夏はどう頑張っても暑いものは暑い! ライディング用のシューズは夏の季節にあわせて、透湿性の高いものを選ぶのがおすすめです。また、梅雨からはじまり、夏、秋雨と、バイクに最適なシーズンは急な雨がつきものです。 雨により、シューズの中が湿気で蒸れると臭いのもとにもなり、良いことは一つもありません。
    防水素材を使用し、湿度も逃がしてくれるライディングシューズは意外と多いのです!

    おすすめ高機能素材1.『GORE-TEX®』

    言わずと知れた高機能素材ですね。防水透湿性・防風性に優れた高機能素材で、スポーツウェアやアウトドア用品によく使用されています。
    バイク用のレインウェアやそのほか雨用のグッズでも、最近GORE-TEXが普及してきています。ちょっと高価ですが、迷ったらGORE-TEXが使われているものを選えば間違いないでしょう。

    おすすめ高機能素材2.『DRYMASTER』

    有名ブランドRSタイチの「DRYMASTER(ドライマスター)」。この生地はライディングシューズだけでなく、ウェアやグローブにも使用されるRSタイチオリジナルの生地。
    DRYMASTERの基準は、耐水圧10,000mm以上、透湿性10,000g以上とされており、レインウェアにも使用されるほどの耐水性を誇ります。

    おすすめ高機能素材3.『DRYSTAR』

    続いてはalpinestarsの「DRYSTAR(ドライスター)」。DRYMASTER(ドライマスター)と名前が似ていますが、似て非なる存在。
    DRYSTARはalpinestars独自の素材で、透湿防水のフィルム素材です。 DRYSTARのおすすめな点はフィルム素材なので、お手入れしやすいという特徴があります。気を付けていても水たまりなどでシューズに汚れが付いてしまうことはどうしても避けられません。 素材自体がさらっとしているので、汚れが吸着しづらく日常のお手入れが簡単です。

    使いやすさ・安全性も大切


    ライディングシューズは当然ながらバイクに乗っているときに履くもの。使い勝手が良く安全性が高いということは絶対条件です。 晴れていても雨が降っても使いやすく、安全であるための工夫がされているライディングシューズを選びましょう。代表的な機能としては下記のような機能があります。

    • ハイグリップソール
      ステップで滑りづらく、排水性があがるように設計された素材や形状。グリップ力と言う点では、雨の日だけでなく、晴れた日にも効果があります。
    • ミドル・ロング丈ブーツ
      雨上がりにレインパンツを脱いで歩くと水たまりなどで足首が濡れてしまう心配があります。丈が長いことで水の侵入を防ぐとともに、転倒時に足首をひねる危険性も低減します。
    • BOAシステム
      靴ひもタイプのライディングシューズは紐が濡れてしまうと、なかなか汚れが落ちづらいものです。BOAシステムは汚れの付着を防ぎ、脱ぎ履きも楽にしてくれます。

    雨対策におすすめなレイングッズたち

    防水機能付きウェア

    雨をしのぐ手段として「防水機能を持ったライディングジャケット」も選択肢に追加してみませんか?
    いざというときにレインウェアとして活躍してくれるため、(パンツは必要ですが)レインウェアを常備しなくてもよい、1着で2役を兼ねるため、荷物の数が減るので身軽になる、レインウェアに着替える手間が省けるなど、いろいろとメリットがあります。

    シューズカバー

    防水機能付きのライディングシューズには、ちょっとした雨を防ぐレベルの物から大雨でも浸水してこないような物までさまざまです。つまり「完全に浸水を防ぐ」ということは難しい。
    では、限りなく完全に雨水の侵入をシャットダウンしたいという方はどうすればよいのか?そういった要望に応えるのが『シューズカバー』です。シューズカバーは基本的に靴を履いたままでも着脱でき、穴が空かない限りは高い防水性能を誇ります。 靴は防水素材でなくてもシューズカバーをつけることで、大雨の中でも浸水してくることはありません。

    防水バッグ

    いつものツーリングや通勤・通学時に急な雨はつきもの。バイク乗りにとって、もし雨が降ってきても荷物を濡らさないために防水機能付きのリュックやバッグを選ぶのがおすすめです。

    撥水・防水ケミカル

    レインアイテムは長く使えば撥水・防水性能は落ちていきます。きちんと小まめなメンテナンスをすれば、その性能はしっかりと維持されます。 またレインアイテムだけでなく、日常使いのカバンや靴にも撥水・防水ケミカルは効果を発揮し、ヘルメットや車体にまで幅広く使えます。

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