当記事は2022年3月27日に「ベストカーWeb」に掲載されたものです。 ●文/沼尾宏明 ●写真/沼尾宏明

ディスプレイや通信システムを内蔵し、ナビなどの情報を視界に投影する「スマートヘルメット」。SHOEIが「OPTICSON(オプティクソン)」をモーターサイクルショーに参考出品し、大いに話題を呼んだ。

会場の体験ブースで使い心地をチェックし、気になる価格や発売時期も探ってきた!

過去のIT-HLから3年分の進化、より製品版に近い

HUD(ヘッドアップディスプレイ)にナビなどの情報を表示できる「スマートヘルメット」。HUDの形状やシステムによって違いはあるものの、運転中の視線移動が最小限のため、安全性を向上できるのがメリットだ。ベンチャー企業から発売に至ったケースもあるが、大手ヘルメットメーカーからは今だ市販化されていないのが現状。公には、日本のSHOEIが唯一開発を進めている。

SHOEIは、2019年1月に米国の家電見本市で「IT-HL」を初公開した。マツダやダイハツなどの車載メーター&HUDメーカーである「NSウエスト」との共同開発によるもので、同年の東京MCショーにも展示。筆者も体験済みだ。

そして3年の開発期間を経て、2022年の大阪&東京MCショーに、IT-HLの発展版であるオプティクソンが初披露された。NSウエストとの共同開発は継続中で、より市販版に近いバージョンと言える。

IT-HLはヘルメットを着用してのデモ体験が可能だったが、今回はコロナ禍でもあり、残念ながら着用は不可。機器部分をそのまま外に出した体験コーナーが用意された。


OPTICSON(オプティクソン)の帽体は新設計。現在は主に電子機器部品をテスト中という。会場には白のほか、ツヤ消しブラックも展示

右目の視界にナビの情報が浮かび上がる!

オプティクソンはご覧のとおり、右目に某漫画の「スカウター」風HUD、帽体左側にインカムのような操作デバイスがある。アゴ(チンガード)にブルートゥースモジュールや投影装置などの電子システムを収納。帽体にスピーカーとマイクも内蔵される。

仕組みとしては、チンガード上部から右目のスクリーンに向けて、プロジェクターのように映像を照射。ライダーの目には前方に虚像として情報が浮かんで見える。ヘルメットとスマホはブルートゥースで接続し、スマホのナビアプリなどの情報を投影。アプリは、ナビタイムジャパンの技術協力で開発された専用品だ。

帽体は従来のIT-HLから変更され、ソフトも修正。重量は未公表だが、同社製ネオテックIIなどのシステムヘルメットとそれほど変わらない程度という。なお、チンガードにユニットを内蔵するため、既存のヘルメットに後付けで装着はできない。


チンガード上部の穴からスクリーンに向けて、プロジェクターのように映像を照射。透明なHUDに情報が映し出される

映像は小さくてもクッキリ、しかも視界のジャマにならない

体験してみると、映像が見えるのはかなりピンポイント。顔を上下左右に動かして見える位置を探したが、一度位置が決まれば、ずっと見えていた。今回はHUDに手を触れられなかったが、実際はHUDの位置を調整することになる。

映像を言葉で表すのは難しいが、主観では50cmほど先に約2cmの表示が浮かんでいる感じ。表示はデモ画面より小さい印象ながら、輝度が高く、ハッキリ見える。

交通の流れに視線を置いたまま、矢印と曲がるまでの距離を示すターンバイターン式のナビが表示され、スピーカーからの音声案内もある。表示内容はシンプルながら、ナビとしてはしっかり使えそうだ。何よりハンドルマウントのスマホのように視線を下に動かさずに済むため運転に集中でき、長時間走行もラクだろう。


ブースではシステムを丸ごと壁に展開。穴の向こう側のモニターに映し出された走行映像を見ながら体験する。映像とナビ表示&音声は同期され、使い勝手を疑似体験できた

筆者は他社のスマートヘルメットをテストした経験がある。その際は周囲が明るいとHUDが外の光を透してしまい、映像が見づらい現象が起きていた。オプティクソンでは、チンガードのセンサーが周囲の明るさを検知し、輝度を自動調整するため、見やすさをキープしてくれるという。

また、HUDの明るさはスモーク、クリアシールドでも自動調光され、スマホで任意に調整できるよう開発中とのことだ。

12~15万円程度で年内には発売なるか?

オプティクソンのコンセプトは、「アクティブセーフティ」の考えに基づく。帽体で万一の際の安全性を確保しながら、ヨソ見を防止して事故自体が起きる確率を減らすことを狙う。

価格や発売時期に関しては未定だが、「12~15万円程度を意識しながら」開発中。高額に思えるが、ツーリング系ヘルメットのGT-エアーIIと専用インカムのセナSRL2を合計すると、約9万円になる。これにHUDが追加されると考えれば決して高すぎるわけではないだろう 今回展示されたオプティクソンは製品版に近い仕上がりと思われ、当webとしては「年内」の発売を予想したい。未来が現実になる日は近いハズだ。


SHOEI商品企画部の海老沢孝さんにお話を伺った。オプティクソンは公道テストも盛んに実施しており、自ら実走にも参加する

コメント一覧
  1. 匿名 より:

    パイオニアのNP1のバイク用が出来たら良いなぁ。音声のみでナビとAlexaの様に会話して案内するの。

  2. 匿名 より:

    これで新たな市場を作ってもすぐに中華メーカーがそこそこなHUDを格安で売り出してシェア奪い取られて終わりの流れが見えるな…。

    出来ればオプティクソンを発売してから間も開けずに機能を思いっきり削った外付けのHUDをSHOEI自身が発売してその流れをなんとか止めてほしいな。

  3. 匿名 より:

    これで新たな市場を作ってもすぐに中華メーカーがそこそこなHUDを格安で売り出してシェア奪い取られて終わりの流れが見えるな…。

    SHOEI自身も早めに格安そこそこなHUD売り出した方が良さそうだけどね。

  4. 匿名 より:

    メガネでも使えるのかが気になりますね
    ヘルメットは安全性が第一なので、SHOEIの様なメーカーが出してくれるのは有り難いですね。

  5. 匿名 より:

    マップがNAVITIMEベースなのが嫌だ

  6. 匿名 より:

    こういうのって、事故の時に目に刺さったりしないの?
    シールドは強度も柔軟性もあって簡単には割れないけど、こういうのは見るからにヤバそう。

  7. 匿名 より:

    新製品に対してもネガティブコメントばっか
    YouTubeなどでゲームやガジェットの公式動画を作る際に日本語版だけコメント不能にするのが習慣になってるのがよくわかる民度である

  8. 匿名 より:

    デザインは好きだけどね。まあ誰が見てもスクリーン部分の強度は不安を覚えるだろ

  9. ひでぼー より:

    モーターサイクルショーで見ましたけど
    未来感は高いと思いますが、
    折角なら後方カメラをつけてその映像を出してくれると良いかと。
    真後ろが見えるのはバイク乗りの夢。
    事故防止にも役立ちそうだし
    何より白バイの追尾も発見しやすいかも。
    今後に期待します‼️

  10. 匿名 より:

    盗難対策はどうすたらいいのかな

  11. 匿名 より:

    HUDは投写投影するモノなので、門外漢のヘルメットメーカーが無理して内蔵しないで、バイク側に搭載するような形で対応すべき。
    ヘルメットにはBluetoothの送受信機能を標準搭載し、スピーカー・マイク・入力装置のオプションを、統一感のあるデザイン含めて提供して欲しい。
    スマホを使うか、専用機でNP-1やHUD等をバイク側に搭載して使用するかは、ユーザーが自由に選択すべき。

  12. 匿名 より:

    モーターサイクルショーで体験しましたが、かなり見辛くまだまだ実際に使える域には達していないと自分は感じました。
    自分は視力自体はかなり良いのですが、色覚が弱い方なのでそれでなのかも?
    何にせよ自分のように合わない人はいると思います。

  13. 匿名 より:

    走行中に「視界」以外に必要な情報ってある??
    ナビをチラ見しただけで事故を起こすシングルタスクの人間がざらにいるっていうのに、こんな常時情報過多になるようなモノは事故を助長するだけ。
    輩の四輪のスマホ見ながらの運転だけでも迷惑しているんだけどね。

  14. 匿名 より:

    ナビなんてどうでもいいけど、バイクとの通信規格を作ってもらって、ギアポジと速度なんかを確認できるようにしてほしい。

  15. 匿名 より:

    賛否両論あるんでしょうね、そりゃ〜今までに無かったものだもの賛否両論あって当たり前!
    だけど「あったらいいなぁ〜」を形にしようとしているSHOEIさんに頑張れ!っと言いたいです。
    最初はどんな物だつて実用的じゃないだの危ないだの下らないだの言われるもの、それは歴史が証明してるでしょ?

  16. 角野 善二 より:

    もう、既に販売されていますか?販売されているなら、おいくらですか?

  17. 角野 善二 より:

    もう、既にカートヘルメット仕様は、販売されていますか?販売されているなら、おいくらですか?

  18. ましこ より:

    そのナビをチラ見して視線移動を極力減らすために開発してるんでしょうに。
    まぁ新製品が出始めの時はこうやって賛否両論はあるけど、新しい技術で市場が活性化するのは良いことですよ。

  19. 匿名 より:

    インカム機能があるならB+LINKに対応させてほしい

  20. 青空 より:

    車に搭載されている飛び出し危険察知情報や追突防止警報など、そういう安全対策情報を写し出してほしいな。あと別の人ま書いている後方映像。
    ナビなんて常時必要ないし。

  21. ちき より:

    老眼でも大丈夫かな……

  22. 匿名 より:

    帽体は消耗品だから出来れば既存のヘルメットに装着できるタイプの方がありがたいなぁ

  23. なんてこった より:

    目に突き刺さりそうで怖いね。
    運転中にこんなところに何を表示し、そして見ようと言うのか?
    ナビなのか?
    ここまでして見なくてはならないものとは一体なんなのか?
    だがしかし、ひたすらに
    このギミックは憧れではある。
    多分、買わないと思うけどね。

  24. 匿名 より:

    ドラゴンボールのようで好き

  25. 匿名 より:

    SRLのマウント部分上手いこと流用してNEOTECⅡとかGT-AIRⅡに後付け出来たら化けそう
    上から50Kでも装着できるようにして

  26. 匿名 より:

    スクリーン投影だと結局スクリーンに焦点を合わせなければならないので、
    網膜投影型を開発してほしい

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