前回2019年のモーターサイクルショーで話題になったSHOEIのHUD(ヘッドアップディスプレイ)付きスマートヘルメット「IT-HL」が、より製品版に近づいていた!

3月19日に開幕した大阪モーターサイクルショーのSHOEIブースには、IT-HLの後継にあたる「OPTICSON(オプティクソン)」が参考出品され、ヘッドアップディスプレイの疑似体験ができるコーナーも用意されていた。

オプティクソンの電子機器部分を取り出して、デモブースを展開

走行中にナビゲーションの情報などを受信・表示できるヘルメットは一般的に「スマートヘルメット」と呼ばれ、近年は積極的に開発が進んでいる。中には発売に至る製品もあるが、老舗ヘルメットメーカーの製品が待たれている状況だ。

SHOEIは、2019年1月に米国の家電見本市で「IT-HL」を初公開。後の東京モーターサイクルショーにも共同開発するNSウエストが出展する形で国内でも出品された。

そして、3年の開発期間を経てオプティクソンが大阪モーターサイクルショーで初公開。コロナ禍ということもあり、残念ながら着用してのデモ体験は叶わないが、機器部分をそのまま外に出した体験コーナーが用意された。

体験コーナーでは目の前に走行中の視界がモニターで映し出され、右目部分に設置された透明のディスプレイにナビなどの文字情報が浮かび上がるようにセット。スピーカーも設置されており、完全にヘルメット内の機能が再現されていた。


OPTICSON(オプティクソン)[SHOEI] 帽体はオリジナル形状でほぼ完成、現在は電子機器部分の煮詰め中という。アゴの部分にHUDの機器やセンサーが内蔵されている。


左サイドにはインカム形状の通信装置が設置されている。前後にボタンがあり後方の丸ボタンで表示を変更することができる。マットブラックのカラーバリエーションも展示された。


右側に置かれている長方形の箱はバッテリーでヘルメット外から電源を確保する仕様となる。稼働時間などは不明。


SHOEIブースの一角に用意されたオプティクソンの体験コーナー。モニターに映し出された走行映像を見ながらヘルメット内の状況を再現している。

走行中の視界に文字や記号が浮かび上がる!

デモブースを体験してみての印象は、「視界に文字や記号が浮かび上がる!」という当たり前のものだった。だが、この当たり前のことがヘルメット内の狭いスペースで実現できるのだから凄い。

右目の前に設置されたディスプレイは透明度が高く、表示がなければ普通のヘルメットとほぼ同じ視界。そして、ルートなどナビの情報が表示されると、視界に文字だけが浮かび上がるような感じだ。

目の前の交通に視線を置きながら、音声とともに右左折や目的地に至る距離を文字でも把握することができるので、より正確にかつ安全に走行ルートをたどることができるだろう。

文字類の表示はHUD(ヘッドアップディスプレイ)によるもので、自動車ではフロントガラス部分などに映し出す。これを開発するNSウエストは、スピードメーターやHUDの専業メーカーで、2019年のIT-HLもSHOEIとNSウエストのコラボで開発された。そして今回のオプティクソンに至るまでタッグを組んで開発しているのだ。


デモブースで使われたオプティクソンのHUD部分。アゴ部分にあるのがHUDの照射装置で、右目部分の透明のディスプレイに文字情報を映し出す。


インカム部分の丸ボタンで表示を目的地到着予定時刻、目的地までの残距離、スマホ充電残量、ヘルメット充電残量、時計をローテンションで切替できる。


このように右目の前に透明のディスプレイが位置するようにし、目の前のモニターに映し出された走行映像を見る仕組みだ。映像とナビ表示や音声は同期している。

発売は年内? 価格は15万円前後と予想

オプティクソンは、SHOEIのフルフェイスヘルメットの中ではGTエアーシリーズと同じツーリングフルフェイスに属するという。GTエアーIIは、SENA製のインカム「SRL2」を内蔵できるようになっており、オプティクソンはそれの一歩先を行く仕様となる。

ナビゲーションのアプリは、ナビタイムの「ツーリングサポーター」をオプティクソンに対応するようにしている。ツーリングサポーターは、iOSとアンドロイド版が用意されているのでスマホさえ用意すればオプティクソンを可動できる。

気になる発売時期や価格について、SHOEIからのアナウンスは今のところない。編集部としては年内発売、価格は15万円前後という予想だ。続報に注目して欲しい。


大阪モーターサイクルショーで取材に応じてくれたSHOEI商品企画部の前田浩さん。普段はオプティクソンを着用してテスト走行も行っている。「帽体とは別アプローチで安全性を追求するのが狙い」とオプティクソンのコンセプトについて語る。

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コメント一覧
  1. 匿名 より:

    使ってみたい
    ただ、15万円出してもSHOEI的には「3年で耐用年数くるから買い替えてね」でしょ?
    実際はもっと長く使えると思うけど。

  2. 匿名 より:

    それよりもクーラー付きのメットを早く出せ

  3. 匿名 より:

    HUDやハンズフリーはもちろんヘルメット組み込みによる利便性が気になるところだが、さらにそこにドライブレコーダーは標準で欲しい。

  4. シェイシェイ より:

    老眼でもみえるのかな

  5. F774GS より:

    >ナビゲーションのアプリは、ナビタイムの「ツーリングサポーター」
    はい、解散

  6. 匿名 より:

    お前はバイクのらなくていいよ

  7. 匿名 より:

    老眼です。実機を体験しました。文字がボヤケます。

  8. 匿名 より:

    なぜナビタイムなんか使わなければならないの?
    普通にGoogleMapが映る製品作ってくれればいいのに

  9. 匿名 より:

    ビジュアルのみ欲しい

  10. 匿名 より:

    見て担当の人に話聞いてきたけど、まだ実用販売は無理っぽい印象。スマフォのミラーリングは考えてなくあくまでも独自でいくとの事。eyerideのHUDを現在使ってるがいまいち使いにくいから期待してるんだが。

  11. から より:

    スマフォってどこのおじいちゃんですか?

  12. 匿名 より:

    耐用年数来るので差し替え式にしないと駄目

  13. 匿名 より:

    相手の戦闘力は出ますか?

  14. 匿名 より:

    戦闘力53万までは表示されました

  15. 匿名 より:

    前行ってるバイクの戦闘力が高すぎると爆発するんやろ?

  16. ショウヘイ鉄カブト より:

    出せもしないような製品出していきがるな!どうせまた延期の悪循環なんだろうが!笑わせやがる。

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