ミシュランが2月16日にロード6/ロード6GT(ROAD 6/ ROAD 6 GT)を発売。ロードシリーズは20年以上にわたりラインナップされてきたスポーツツーリングタイヤで、新作は高いドライグリップとともにウェット路面での安定したグリップ力と高速安定性を向上させている。ここでは、さまざまな路面状況でも安定したパフォーマンスを発揮する定評のロードシリーズ最新作・ロード6/ロード6GTの解説と試乗インプレッションをお届けする。

4年ぶりのモデルチェンジでウェットグリップ、耐摩耗性、高速安定性が大きく向上

ツーリングでストレスを感じることなくバイクライフを楽しみたい、タイヤが摩耗しても高いパフォーマンスを維持して安心してライディングを楽しみたいというライダーの要望に応えるように開発されているのがミシュランのロードシリーズ。ドライ&ウェット路面での安定したパフォーマンスや高い耐久性と均一摩耗、優れた高速安定性などを好バランスで実現している。ロード6は、前作のロード5からウェットグリップ、耐久性、高速安定性をそれぞれ5~15%向上させている。


2018年に発売されたロード5以来4年ぶりのモデルチェンジを果たしたロード6。ウォーターエバーグリップテクノロジーを継承しつつ、トレッドデザインを最適化している。サイドウォールにはロゴが映し出されるプレミアムタッチデザインを採用。


前作ロード5と新作ロード6(黄色線)の比較。ウェットグリップ性能:15%向上 、耐摩耗性能:10%向上、高速安定性:5%向上と5項目中3項目を大きく向上させている。

【Webikeスタッフインプレ】Z900RSやトレーサー900でロード5/ロード6の新旧比較、R1250RTでロード6GTをテスト

私は公道向けのメインマシンには昔からミシュランを選ぶことが多く、現在の愛車MT-09にはスポーツ寄りのパワー5(POWER 5)を履いてツーリングやライディングスクールなどに使っています。Webikeの販売ランキングでは常に上位にランクインしているロードシリーズがアップデートしたと聞いて、どのような変化・進化があるのかを比較するため試乗会に参加してきました。

2018年に登場した前作ロード5の試乗会に参加した時の印象は、ウェットグリップや乗り心地の優しさが際立っており、ツーリング向けのタイヤというカテゴリーの中での完成度の高さに大変驚きました。路面の環境変化が激しいツーリングや街乗りにおいて性能のバランスが良く、ベストバイとしてロード5を多くのお客様にもお勧めしてきました。

そしてもう、ロード6の登場です…!

このロード6でアップデートしてきたポイントに注目して試乗してきました。メディア向けのテストでは20台ほどの試乗車を用意してきたミシュランの本気度が伺えます。新旧タイヤを履いた2台の同一モデルの乗り比べとして、私は今回Z900RSとトレーサー900でロード5/ロード6の新旧比較、またBMWのR1250RTではロード6GTをテストしました。


テスターはWebikeスタッフの楠山泰生。ツーリングやサーキット走行、オフロードも楽しむ中級レベルのベテランライダー。前作ロード5の試乗会にも参加した。

【ワインディングインプレ】フロントが軽い! ヒラヒラとリーンしインフォメーションも明確に

前作ロード5は、走り出しからフレンドリーな感覚です。乗り心地はカドが取れていて、ハンドリングはニュートラル。長距離を走っても疲れにくいタイヤですね。コースインして3分ほどで、ステップが接地するようなペースにしても急激に滑るようなことは無く、エッジグリップはパワー5に近いものを感じました。やっぱりロード5で完成形になっていると感じます。

ロード6は、ハンドリングで例えるなら、フロントタイヤの空気圧が少し高くなったような感覚があります。普通のツーリングを想定して、景色を観ながら風を感じるようなゆったりとしたペースで走行すると、同じバイクでも重量が軽くなったように、ヒラヒラとフロントが入っていきます。あわせて路面のインフォメーションはやや明確になり、ハンドルに伝わってくる路面のザラザラ感を感じます。

ペースをあげて積極的なライディングをしていくと、やはりフロントタイヤの変化を感じました。ブレーキを残しながらリーンしていくと、剛性面の向上があったのか、潰れるような感覚が減っていることに気付きます。

リアタイヤについてはドライ路面でのワインディングでは、ロード5との違いを私は感じ取ることができませんでしたが、充分なグリップ感です。普段私が使っているスポーツタイヤと同じように、バンク状態から立ち上がりにかけてビッグバイクのトルクをかけていくと純正タイヤよりもタイヤの潰れを感じさせながら、安心感をもって立ち上がっていくことができますよ!


Z900RSでは、主にワインディング想定のコースを走行。

【ウェット性能インプレ】ウェットでもここまでイケるんだなと感心するレベル

ウェット路面では停止距離などにロード5/ロード6に大きな違いを感じるには至りませんでしたが、どちらも想像以上に短い距離で止まれます。

例えば緊急回避の急ブレーキなどで事故になるか事故未遂で済ませられるかの違いがタイヤの低温グリップとウェットグリップの良しあしで差が出るとすれば、ロード5/ロード6は、安全&安心に繋がるタイヤだと言えるでしょう。トレッドのデザインも近年のミシュラン特有のパターンイメージを踏襲しつつ、ウェットに強そうなアップデートがされています。

濡れた路面でのスラロームについても、ロード5/ロード6の強みである高い排水性能のおかげで、想像以上にバンクさせ、リズミカルに走行できました。新旧の違いでいえば、雨天ライディングでよく使う「バンク角10度ぐらいの時の溝の割合=排水性」が向上しているそうです。

スラローム中に、あえて少し強めでラフなスロットル操作をするとさすがにリアがスライドの兆候を見せますが、ここまでイケるんだなと感心するレベルでした。


ギア2速、50〜60km/hからのフルブレーキ体験では、ABSが一気に介入してレバーやペダルがブルブルと振動しながらも安定して停止することができた。


ロード6のトレッド全体に対する溝面積の割合=ボイドレシオは14%を確保。黄色線がロード6で浅いリーンアングルでの溝面積がロード5に対して増加しているのが分かる。ウェット路面で安定したパフォーマンスを発揮する。


ミシュランウォーターエバーグリップテクノロジーはロード6でも踏襲。タイヤ内部に向かってサイプの幅が広がるように設計されたデザインは、摩耗後もウェット路面で高い排水 性能を確保する。

【高速インプレ】高速でのレーンチェンジで車重が10kg軽くなったようなフィーリング

高速周回路では100km/h程度での周回と、レーンチェンジを想定したテストコースを走行しました。

加速も減速もせずに、目線を送ってゆっくりと車線変更するような場面では、ロード5とロード6の違いは感じることはありません。しかしハンドル入力&ステップ入力を併用してアグレッシブに一瞬でレーンチェンジをするような操作においては、車体の重量感が5%(重量で例えれば10kg)ぐらい軽くなったような感覚です。

前述しましたが空気圧を少し高めたのか、と錯覚するような変化に近いですね。どっこいしょ!からよいしょっ!にかわった感じです。重量級のバイクに、安定感のなかに少しだけ機敏性も持たせたい、という要望に対するミシュランの答えなのでしょう。


トレーサー900やR1250GTで高速周回路を走行。切り返しが軽い!

【ロード6GTインプレ】重量級のモデルには強化されているロード6 "GT"がマッチ

ロード6GTも試乗しました。こちらは重量級モデルを想定し、ポリエステルカーカスをリアに1枚追加して構造が強化されています。

例えば夏の長距離タンデムツーリングで高速道路の休憩時にリアタイヤをチェックした際にセンターの表面が荒れてしまった経験をお持ちのかたへ。タイヤの荒れはハイパワーによる温度上昇だけではなく、重量によるタイヤ変形からの温度上昇もありますよね。タイヤが溶けると結果的にライフが短くなってしまいます。

GTでは高剛性化によって、変形量が抑えられていることから重量車のハンドリング改善だけでなく、ライフの向上も期待できます。短時間のショートコース試乗ではロード6GTのコンセプトを使い倒すことができませんでしたが、ウェットの安心感やワインディングの軽快さはそのままに、ハイスピード&重量車への最適化を期待できるタイヤと言えます。

CB1300シリーズ、ZRX1200ダエグ、BMW Rシリーズ、FJR1300シリーズなどに荷物を積んで高速ツーリングをする方には、ぜひチョイスしていただきたいです。


ロード6GT(右)はポリエステルプライ(緑)を一枚追加することで、重量車に荷物を積んでタンデム走行するようなツーリングに対応。高い剛性と安定性を確保している。

【楠山インプレまとめ】これまで培ってきた基本性能に走りの楽しさを上乗せ

ロード6は、20年にわたるミシュランのツーリングラジアルシリーズの最新版として、その名に恥じない性能バランス(ライフ、低温時のグリップ、ウェットグリップ、疲れにくいハンドリング、磨耗時の性能低下抑制など)に加えて、構造や素材、パターンの更新によって走る楽しみ「フロント剛性の向上によるハンドリング改善」、「ウェットグリップのさらなる向上」を実現しています。特に重さのあるモデルになるほど、ロード6の進化を感じることができます。

試乗後にふと思いました。これを白バイが履いたら最強かもしれませんね!


サイズはフロント7サイズ、リア11 サイズの計18サイズを用意。250ccクラス向けの前後3サイズは、春頃入荷予定となる。

【原田哲也インプレ】ロード6は快適にツーリングできてスポーツもできる欲張りなタイヤ

ロード6は、幅広いライダーにお勧めできるタイヤですね。ロード5からロード6になって僕が一番変わったなと思ったのが、ハンドリングがロード6の方が割とクイックに動く感じがあるところです。なので、大きい重いバイクに乗っている方の助けにすごくなると思います。

レーンチェンジや向き変えでタイヤがヘルプしてくれるのでツーリングでの疲れも軽減してくれるのですが、タイヤが硬くなったかというとそうでもなく、それでいてシャキッとした感じが出ているので、そこは技術が凄いなと思いますね。

ロード6は、初期旋回が凄くしやすくなっているので、スポーティなツーリングも楽しめると思います。また、ウォームアップも従来と変わらないくらいすぐに温まるので、自走でサーキット走行会に参加するような方にもお勧めできますね。ファンレベルであれば、短い時間で終わってしまう走行会ではロード6のようなタイヤの方が楽しく走れると思います。


ロード6をテストする原田哲也氏。1993年WGP250チャンピオンで、現在はいちライダーとしてバイクライフを満喫している。

【岡田忠之インプレ】重量車でもコーナリングが楽しめるしっかりしたタイヤ

ロード6は前後ともしっかりした感じで、転がり抵抗が少なく感じます。トラクションだけでなくエッジグリップも向上しているので、より高いレベルで試したい方、例えばツーリングに行った途中でサーキット走行されるとか、そんな用途でも充分楽しめます。もちろんウェットでもパフォーマンスが伸びていますから、どんな状況でも楽しめると思いますね。

ロード6は、車重の重いリッターバイクが主軸になっていくと思います。ロード6GTも試しましたけど、ステップを擦るくらい楽しくコーナーを走れましたね。今度は逆に小排気量版も乗り比べをしてみたいなと思います。


全日本ロードレースGP250クラスで1989~1991年は岡田忠之氏(左)、1992年は原田哲也氏(右)がチャンピオンを獲得。4年に渡りタイトル争いを繰り広げた宿命のライバルも今では一緒にツーリングする仲だ。

 
今回紹介した製品はこちら
   
今回紹介したブランドはこちら
 
コメント一覧
  1. 匿名 より:

    少し前に旧モンキーのロータリーミッションを買って、初めて自動遠心クラッチ車乗りましたが案外楽しく乗れますよ。
    普段はクラッチ付きのバイクですがお散歩バイクに自動遠心クラッチすごく合ってると思います。

コメントを残す