
文/Webikeバイヤー:あきら
野外イベントや、バイク関連でいえばサーキットなどでよく見かける持ち運び可能な発電機。
どこでも電気が使えるようになれば、アウトドアシーンの快適性は飛躍的にアップします。
しかし、発電機は決して安いものではありませんでした。
そんな中登場したのが今回ご紹介する発電機!
高性能でより持ち運びしやすい!そんな発電機が、破格の価格で登場してしまったんです……!
発電機の選び方
定格出力別の分類
定格出力別に大きく3つにわけられ、タイヤウォーマーを使用する方は中型(ミドルクラス)の発電機を選ぶ方が多いです。
大型 | 中型 | 小型 | |
---|---|---|---|
定格出力 | 3.0kVA~ | 1.6kVA~1.8kVA | ~0.9kVA |
使用可能 タイヤウォーマー数 |
3セット以上(EF5500iSDE) | 1セット | 小排気量車両用タイヤウォーマーに限り使用可能な場合がある |
電化製品 使用可能例 |
・IHクッキングヒーター(4800W) ・エアコン(1500W) |
・電子レンジ(800W) ・ホットプレート(1300W) |
・ホットプレート(800W) ・電気ポット(600W) ・コーヒーメーカー(450W) |
kVAという単位の変換は
1W=1VA
1000W=1kVA
で変換することができます。
大型の発電機の特徴
大型で付属のローラーを使用しないと動かすことができないほどの大型なもの。
タイヤウォーマーを3セット以上使用できるスペック(EF5500iSDEの場合)を持っているため、何種類ものタイヤを温める必要がある全日本ロードレースでよく見かけるものです。
中型の発電機の特徴
持ち運びが可能でタイヤウォーマーを1セット温めることができます。
レース前のグリッド上に持って行ってタイヤを温めるのも、このサイズのものです。
その他にも比較的消費電力の多い電化製品を動かすこともできるため、特に人気のあるサイズの発電機です。
小型の発電機の特徴
タイヤウォーマーは小排気量車両用タイヤウォーマーに限り使用可能な場合がありますが、多くのユーザーが中型のものを選択します。
持ち運びが容易で、照明やパソコン等の消費電力の少ない電化製品を動かすことができます。
人気のある中型(ミドルクラス)発電機がDAYTONAから登場
静音型インバーター発電機 DAYGENE1700(デイジェネ1700)
大人気バイク用品ブランド「デイトナ」から発電機が登場。
定価でなんと¥79,800(税込)
レースに参加し、発電機を使用してきたスタッフの多い弊社ですが、この価格を見たときどよめきが起きました。
そう……「安すぎる!」のです。
DAYGENE1700スペック表 | |
---|---|
定格出力 | 1.7kVA/1700W/インバーター方式 |
騒音レベル(7m) | 59dB(A)以下 |
装備 | AC100V(20A)2ポート シガーソケット(8.3A)1ポート USB(2.1A/1A)2ポート |
エンジン型式 | エンジン型式強制空冷4サイクルガソリンOHVエンジン |
総排気量 | 79cc |
燃料タンク容量 | 4L |
連続運転時間(エコモード時) | 50%負荷時= 7.0時間/25%負荷時=10.8時間 |
付属品 | オイルジョウゴ、ドライバー、レンチ、点火プラグソケット、USBシガーソケット(USB2ポート) |
使用可能タイヤウォーマー数 | 1セット |
電化製品使用可能例 | ・ハロゲン灯(1000W) ・電子レンジ(800W) ・炊飯器(1200W) ・ホットプレート(1300W) ・冷蔵庫(250W) |
デフォルトで2か所のUSBポートがあり、付属品でシガーソケットに差し込むことで使用できるUSBポートもあるため、初期状態で4つのUSBポートを確保することができます。
※画像はシガーソケットに付属品のUSBポートを差し込んだもの。
コンセントも合わせればさらに2ポート以上の増設が可能で6ポート以上使えるようになります。
インバーター発電機って?
パソコンやマイコン内蔵の電気機器を正しく稼働させるには周波数や電圧の変動が少ない。“良質な”電気供給が求められます。それを可能にするための装置が「インバータ」と呼ばれるものです。
参照:インバータとは - 発電機 - ヤマハ発動機株式会社 製品サイト
なんで静音性が必要なの?
近年では静音型の発電機が多くみられるようになりました。
アウトドアなど、不特定多数の使用する施設で騒音とならないよう考えられています。
同じ施設を利用する上で他のお客さんと騒音トラブルを起こしては、楽しいはずのアウトドアが嫌な気持ちで終わってしまうことになるかもしれません。
そういった騒音トラブルを回避するために、静音性の高さが重要となってきます。
定番の発電機「YAMAHA EF1600iS」との比較
横からのサイズ感比較
上から見た厚さの比較
スペック比較
デイトナが取り扱っているKOSHIN GV-16iも混ぜて主要なカタログスペックを比較していきます。
YAMAHA EF1600iS | デイトナ デイジェネ1700 | KOSHIN GV-16i | |
---|---|---|---|
重量 | 20kg | 18.3kg | 22kg |
定格出力 | 1.6kVA(1600W) | 1.7kVA(1700W) | 1.6kVA(1600W) |
最大音量比較 | 61dBA | 59dBA | 65dBA |
連続運転時間 | 4.2-10.5時間 | ※3.5-10.8時間 | 4.1-9.4時間 |
タンク容量 | 4.2L | 4.0L | 4.2L |
定価(税込) | ¥175,939 | ¥79,800 | ¥107,926 |
※50%出力時7時間の連続運転時間が可能と記載があったため、100%出力時に変換し連続運転時間を推測。
実際に作動音の比較してみた!
ちゃんとした音量測定器具は持ち合わせていないのて、スマホアプリを使用し同一条件で検証してみました。
測定条件はタイヤウォーマー1セットを接続して、負荷をかけた状態で測定します。
※測定環境、測定条件が異なるため、スペックデータとは異なります。
※画像の一部ではコンセントが接続されていませんが、測定時には接続しています。
通常時
47.8dB「静かな図書館」との表記になりました。
50dBの参考環境は「エアコンの室外機」「静かな事務所」となります。
今回は、この環境で発電機を作動させたときの作動音を測定していきたいと思います。
ヤマハ「EF1600iS」
79.0dBとの結果でした。
80.0dBが「窓を開けた地下鉄」「ピアノの音」とされています。
少し測定の距離が近かったため、大き目の数値となりました。
デイトナ「DAYGENE1700」
70.9dBとの結果でした
70.0dBが「掃除機」「騒々しい街中」「キーボードタイプの音」とされています。
キャンプ場で「掃除機」や「騒々しい街中」の音を発生させるのははばかられますが、ヤマハの発電機と同じ距離での測定をしているため、同様に大き目の数値となりました。
デイトナの発電機の音量測定は7mの距離から行われた測定値になります。
60dBの参考騒音例は「普通の会話」「チャイム」「時速40キロで走る自動車の内部」なので、7m以上離れていれば気にならない音量となりそうです。
音量比較を終えてみて
YAMAHAの発電機は現役で使用している中古を比較に持ってきました。
その為、作動音が新品のデイトナ発電機に比べると大きくなってしまうかと思われたが、どちらも静かな作動音でした。
※スペックデータの音量との差異は測定環境、測定条件が異なるため発生したものと思われます。
メンテナンス性
オイル交換
発電機は燃料を燃やしてエンジンで稼働しています。そのため、バイクと同じで定期的なメンテナンスが必要不可欠です。
発電機は静音性を確保するために、ケースで覆われているモデルが多く、設計次第でメンテナンス性に大きな差が出ます。
オイルの注油口はカバーを外すだけでアクセスできる仕様となっています。
プラグ交換
このカバーをスライドして外せば、すぐにプラグにアクセスできます。
イグニッションコイルを外すと、すぐプラグが見えます。
付属品としてプラグレンチも同梱してあるので、工具を購入する必要がありません。
プラグ交換とオイル交換は、ワンタッチでケースを外すことができるのでメンテナンス性が非常に高いです。
YAMAHAのモデル(EF1600IS)をオイル交換したことがありますが、外側のカバーをドライバーで外さなければいけないため、すこし手間がかかります。
インプレッション
ロードレース以外にも使える!?外で使いたい電化製品動かしてみた!
サーキットでのタイヤウォーマー使用以外にも、レジャーやアウトドアでの電源として使用できます。
業務用扇風機「強」はもちろん
スポットクーラーの最大出力「強風強冷」も動かすことができます
凍えるほどの威力を発揮していたので、問題なく使用できるようです!(撮影日:1月の雪が降った日)
ウェビックスタッフがオフロードコースの会場でインプレッション!
先輩がオフロードコースに行くと言っていたので発電機を持っていき、快適な生活を再現してもらいました!
「まさかオフロードコースで電子レンジと電気ケトルが使える日が来るとは……」
熱々のチャーハン、カップ麺の旨さが、疲れた体に染み渡る!
この発電機は精密機械への給電にも対応しているので、ウェビックスタッフもうひとつの趣味のドローンの充電もできる!
旅先でバッテリーを気にせずガンガン飛ばせる!
いま流行りのワーケーション!?
どんな秘境の地にいても、電気とネットがあれば仕事もウェビックでのお買い物もできる!
感想としては、一時的に電気が欲しい電気ケトルや電子レンジの使用に関しては最適でした。
一方、常に給電し続けなければいけない冷蔵庫などへの使用は最適とは言えないとの評価でした。
お湯を沸かす、その一点に関してはキャンプ用品のシングルバーナーの方がコンパクトで持ち運びも楽なためシングルバーナーに軍配が上がりそうです。
しかしながら、電源を確保することができれば他の選択肢を確保することができるので、災害時の備えにもつながります。
まとめ
YAMAHAの発電機には燃料の残量を見ることのできる燃料計が付いているが、デイトナの発電機には燃料ゲージがありません。
YAMAHAの発電機に慣れているスタッフたちは「燃料計がないのか...」とちょっとマイナスポイントだったようです。
とはいえ、この軽さと作動音の静かさには他社の発電機に負けない強さを持っています。
カタログスペック上は1.7kgの重量差がありますが、デイトナの方が大幅に軽く感じました。
撮影中に通りがかった他のWebike職員にも比較してもらいましたが、その軽さに驚いていました。
価格も以前より手が届きやすい価格帯になってきました。
サーキット使用やアウトドアに、万が一の災害に備えて家に置いておくのもおススメです。
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