
ホンダ モンキーは乗る人だけでなく、周囲の人をも笑顔にしてしまうバイクです。
その魅力は何と言っても、小さくてペットのようなかわいらしい車体であること。さらにそれに加えて、"モーターサイクル"としての面白さに溢れていること!
実用性や利便性はたしかに原付スクーターなどに劣るかも?しれませんが、そうした評価とは別の、趣味性の高さで人気なのがモンキーなのです。
今回は、そんな"究極の趣味バイク"としてのモンキーの魅力について迫ります。
|1| 小さくてかわいい!みんなを笑顔にしちゃうサイズとデザイン
|2| 乗ってて楽しい!「バイクでスポーツしているぜ」感が濃厚
|3| 部品交換が楽しい!原寸大のプラモデル感覚でイジれる
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目次
【ホンダ モンキー】
ディテール&試乗インプレッション
同じ50cc原付の代表的存在であるスクーターと比べると、メットインも無いし荷物のせるスペースもない、走行性能も低い、なのに価格は高い・・・と乗り物としていいところが無いんじゃないか?なんて思うかも知れません。
でも乗り物の良さって実用的であって利便性があることだけなんでしょうか?
モンキーが発売から50年もの間ずっと販売されてたくさんの人に愛されてきたことは、「そうではない楽しさも大事だよね」と教えてくれています。
今回の記事では、FI化されたモンキーの最終年式である50周年アニバーサリー仕様に、乗って触って走ってインプレッションします。
スタイリング:小さくてもちゃんとバイクのカタチ
全長1.3mと、動物の猿としては大きいかもしれませんが(笑)、バイクとしては破格の小ささです。
まるで子供用の自転車のようなサイズですが、それもそのはず。
モンキーは元々遊園地の子供用遊具として開発されたのが発端の車両です。
その愛らしいスタイルが大人にもウケて、公道用車両として発売されました。
様々な変遷を受けて、このカタチになったのは2009年のことです。
これまでのキャブレターからFI化され、当時の排ガス規制に対応しました。
基本的な車体構成を踏襲しながらも、タンクやシートのイメージチェンジが大きなものでした。
この50周年アニバーサリー仕様では、国内販売の初代であるZ50M型のイメージをモチーフにした赤白カラー!
レトロ感あるなんとも愛らしいデザインですよね。
デザイン:50周年アニバーサリーの専用装備はコレだ!
初代Z50Mをイメージしたという赤白ツートーンボディーカラー以外にも、この50周年アニバーサリー仕様の専用装備はいくつもあります。
こうした限定モデルならではのマニア心をくすぐる専用カラーや装備が多いこともモンキーシリーズの特徴ですね。
■専用カラーのタンクサイドには復刻デザインのウイングマークバッジ
■運転していても目に入るタンク上には、50周年専用ステッカー
■車体左側のサイドカバーには、凝った造りの50周年記念エンブレムが。キラキラ感がナイスです!
■シートはなんともかわいらしいチェック柄。初代Z50M型モンキーのイメージを再現してます
他色のモンキーに乗るオーナーも羨ましがるような、50周年を飾る素敵なデザインの専用装備ですよね!
実はこれらの装備は純正部品として、部品単位で購入できたりもするんです。
(ウェビックのショッピングサイトでも、モンキー50周年アニバーサリーの専用部品を販売する予定です)
そうした純正部品をうまく流用して、自分だけのオリジナル仕様を作るのもモンキーならではの楽しみ方かもしれませんね。
灯火類:クラシカルな形状でかわいらしさ◎
ヘッドライトとウインカーは丸型のかわいらしい造形のもの。
明るさは必要十分なものですが、小さい車体をしっかり夜にもアピールしたいのであれば、より強力な光量のアフターパーツがたくさんあります。
そうした自分仕様に様々なものを交換するのもモンキーの楽しみの一つですね。
テールランプも小振りでクラシカルな形状です。
消費電力低下や球切れの心配を少なくするためにLED化するのが定番ですね。
メッキされたウインカーボディもクラシカルでいい雰囲気ですね。
ハンドル、メーター:折りたためるハンドルにビックリ!メーターはシンプル
ハンドルは、低い車体からググっとアップされてます。
普通の体格の方であれば、シートに座ったときには自然に掴むことのできるポジションに。
ただし押し引きの際には、ちょっと低くてやりにくさも感じるかもしれませんね。
スイッチ類はシンプルで、左グリップ側のみにつきます。
ヘッドライトの上下、ウインカー左右、ホーンのみのシンプルさ。
ウインカースイッチは左右に動く方式ですが、可動部が少ないのとキャンセルボタン式ではなく消し忘れしがちなので気を付けたいところです。
そしてモンキーならではの「ハンドルを折りたためる機能」があるんです!
ハンドル付け根にある、この黒いノブをクルクル回すと締め付けがゆるんで・・・
こんな感じにハンドルを下側に折りたたむことができます。
これは「レジャーバイク」として登場したモンキーが、四輪自動車などへの積載して使うことを想定されてた名残りですね。
実際にセダンのトランクでも積むことができるほど、コンパクトになりますよ。
そしてライトケースにと一体化したメーターもとてもシンプルなもので、走行距離(オドのみ)、速度だけの潔さです。
警告灯は左から、ウインカー点滅、ニュートラル、速度(原付のため30km/h以上はピカピカ点滅します)。
メーター右下の給油警告灯は、2009年以降のFI化されたモデルから装着されました。
ハンドルやメーターも、様々なメーカーから発売されているので、カスタムが楽しくなりますね!
積載/収納:リアキャリアを標準装備、工具ボックスもかわいいです
小さな車体なので、積載性と収納はあまり多くは望めません。
メッキされたリヤキャリアを標準で装備。フックもついているので、ネットやゴム紐をうまく使えばそこそこのサイズの荷物は積載可能。
ただし荷物を積みすぎて重心がどんどん後ろになると、ただでさえショートホイールベースでフロントアップしやすい車両がさらにその傾向が強くなるのでご注意を。
あと車両を持ち上げる(笑)ときにも、便利な持ち手になります。
キャリアの再度には、小さなツールボックス(工具入れ)が装備されています。
登録や自賠責の書類を丸めて入れたり、車載工具の収納ができます。
20年前に発売された30周年アニバーサリーモデルは、このツールボックスも専用カラー(赤)が装着されていました。現在は廃盤のレアな部品ですが、マニアの方はこだわりたいパーツのひとつですよね。
ヘルメットホルダーのキャリア横に装備されています。
低い車体なので、ヘルメットを引っ掛けると地面との隙間があまりありません。
取り外し時は大事なヘルメットの塗装面が地面と擦れないように気を付けましょう。
足回り:ソフトなサスペンションと、小さなブロックタイヤ
サスペンションは良く動くソフトなもの。フワフワピョコピョコした動きが車体と似合っていて、乗っていても外から見ていてもかわいらしいです。
フロントサスペンションは一見倒立サス風ですが、中身はバネのみの簡素なもの。オイルダンパー機構がついたものがカスタムパーツとして各社から発売されているので、よりしっかりした乗り心地を好む場合には交換してもいいのではないでしょうか。
またリヤサスペンションは左右2本式のもの。車体イメージの要素に大きく関わってくるスプリングの色も、お好みのものに交換することもできますよ。
またスイングアームをより長いものに変更すると、直進安定性がビックリするほど向上したりもします。
タイヤは8インチのブロックタイヤです。
車体からすると少々太目なタイヤなので、頼もしいイメージになりますね。
少しゴロゴロ感はありますが、空気圧が前輪100kPa(1.00kgf/c㎡)、後輪125kPa(1.25kgf/c㎡)と低いのでショックをよく吸収してくれますよ。
思ってる以上にモンキーの乗り心地がいいのは、ここにも秘密がありそうですね。
足つき:高身長の方は膝曲がりがキツそう・・・
小さな車体なので乗車姿勢が気になりますが、シートとハンドルの高さがしっかりと設計されているので、平均的な身長の方までなら問題なく乗れるのではないでしょうか。
いつもこの試乗記事で「足が短くて地面についてない」例として出される私ですが(笑)、今回ばかりはもちろんベッタベタです!
今までで一番安心できる車体なのは間違いありません^ ^
逆に身長175cm以上の高身長のライダーには、キツそうなポジションです。
乗車時の膝の曲がりもキツく、短距離で疲れてしまうとのこと。
またハンドルが膝に当たってしまうために、左右折がやりにくく、膝でホーンボタンを「ププッ」と押してしまうこともあるそうです。
モンキーならではの、サーカスの熊が自転車に乗ってるような姿は、それはそれでかわいらしくはありますね(笑)
低い車体なので、ステップをぶつけないように気をつけましょう。
可倒式のステップではありますが、バンク角はあまり大きくありません。
エンジン:始動性も整備性もバツグン!な横型エンジン
エンジンは、スーパーカブなどにも搭載される50cc横型エンジンと基本を共通とするもの。
なので信頼性バツグンで燃費がいいのも、もはや説明がいらないほどよく知られた特長ですね。
始動方法はキックのみです(もちろん押しがけも可能ですよ)。
FI化された恩恵もあってか、気候の寒暖を問わずにキック一発で軽やかに始動するのも、進化された証しですね。
1.ギアをニュートラルにする
2.クラッチは握らずに
3.アクセルも開けず
4.そのままキックレバーを奥まで踏み下ろす
だけでトトトトッと軽やかに始動します。
※クラッチを握るとエンジン始動できない構造なので注意(一般的なマニュアルミッションバイクと違う点)
マフラーはオフロードテイストのアップスタイルです。
FI化された2009年以降の車両には触媒が装着されたため、シリンダー下に筒のようなものがあります。
低い位置にあるので、打ち付けないよう段差などは要注意です。
マフラーもカスタムパーツが豊富で、多種多様なスタイルのものが販売されていて交換することができます。
補器類のない空冷エンジンで、かつカウルなどカバーされたものがないため、整備性はバツグンにいいです。
難しい整備はバイクショップに任せるとしても、日々のメンテナンスや点検はできるだけ自身の手でやりたいもの。
モンキーのエンジンは小さくてむき出しなので、そんな作業も簡単に始めることができますよ。
"乗れるプラモデル"のようにイジる楽しみもあるモンキーだからこそ、エンジンや車体のメンテナンス性は大事ですよね。
走行:トコトコ走るのが楽しい!
さてキックでエンジンがかかったので、さっそく走り出しました。
走り出してすぐに感じたのが、FI化された50ccエンジンが少しだけパワフルかつ扱いやすくなったこと。
もちろん原付という範囲の中でのものですが、十分な速さがあります。
気付かないうちに30km/hの制限速度を超えてしまいよう、速度メーターや警告灯を見て気を付けましょう。
それもそのはず、数値的にも前モデルの3.1ps→3.4psへとわずかではありますが、パワーアップされています。
特に発進時の低速トルクと粘り強さが数段増している感じで、フロントアップがポンポンとカンタンにできてしまうほど。
また分厚いシートがとても優秀で、長い間乗っていてもお尻が痛くなりにくいです。
事実、私が所有するモンキーで往復800kmのツーリングをしたときにも、お尻は全然痛くなりませんでしたよ。
燃費は今回の試乗では約48Km/Lを記録しました。タンク容量4.3Lを考えると航続距離は200kmに届くかどうかというところでしょうか。
もし東京の日本橋をスタートしたとすると、なんと静岡県の藤枝市まで届く距離です。小さいのになかなかやるなー^ ^
おもちゃのような小さな車体ですが、運転というより操縦という言葉が似合うような「バイクでスポーツしてる感」に溢れています。
そしてメカニズムも、跨るシート、足の間にくるタンク、前後のサスペンション、マニュアルミッションなど、本格的なバイクの装備そのものなんですね。
そんなところが、いい大人でもニヤニヤしながら満足げに乗ってしまう理由なのでしょう。
決して限界性能が高い車体ではないですが、限られたパワーをうまく使えた時の喜びは、初めて自転車に乗れた少年の頃を思い出すような楽しさに溢れているに違いありません。
まとめ
最初の公道用モデルから50年販売され続けてきたモンキーも、ついに今年生産終了が発表されました。
長い間バイク好きだけでなく、それを見守る日本中の人を笑顔にさせてきたこの小さなバイクが、大きな足跡を残したことに間違いはありません。
既にプレミア価格がついている車両も多いですが、まだ新車を買えるチャンスもあります。
また中古車両も長年販売されただけに、数が豊富ですので、自分のお気に入りのモンキーを見つけてみてはどうでしょうか。
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撮影協力:株式会社ホンダモーターサイクルジャパン
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