
手軽かつ便利な移動手段として、通勤通学や業務使用まで幅広く使われる原付スクーター。
その中でも、国内で最も長い期間販売されている車種が、この「ジョグ」シリーズです。
ジョグシリーズは、近年の環境変化による原付の販売台数減少が起きる中でも、複数のグレードがラインナップされ多くのユーザーのニーズに応えてきました。
今回のインプレッションでは、その中からスポーツグレードであるジョグZRと、豪華装備版グレードのデラックスを取り上げ、装備や仕様の違いについても触れながらその魅力について解説します。
また普段は原付一種(50cc)ではなく原付二種(125cc)に乗る筆者ですが、通勤と街中での試乗の際に「原付一種ならではのメリット」があることにも気付かされました。
そんなフツーのライダー目線でのレポートをお届けします!
ジョグ ZR/デラックスのココがイイね!
- メットインとコンビニフック2か所の使い勝手がイイ
- 静かで軽やかな4ストエンジンが、想像以上によく走る
- 安心できるスタイリングで、どんなシーンでも浮かない
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目次
デザイン:どこでも馴染むスタイリングは安心感がある
正しくみんなが想像する原付スクーターを形にした、と言いたくなるような安心感のあるスタイリングです。
例えば、通勤のスーツ姿や通学の制服でも浮いてしまうことなく街中に馴染むのは、長年ジョグシリーズが培ってきたデザインが世の中に受け入れられているからでしょうね。
これがもし最新スポーツバイクだったらそうはいきません。
場所や人を問わず、嫌味の無いデザインというのは一朝一夕で完成するものではないのだと感じます。
※画像はジョグZRです
プレーンなボディのデザインは、ジョグをベースモデルとした、ZRとデラックスともに共通のもの。
カラーリングやちょっとした装備の違い(後述します)でも、落ち着いた感じになったり、若々しさを強調したりとガラッとイメージが変わるので、購入の際には見比べたいですよね。
個人的には、駐輪場で自分の車両を見失わないような(笑)カラーが欲しいかなと思ったら、さすがデザインに定評あるヤマハさん!
こんな目立ちそうで素敵なカラーのモデルもあるんですね!!
画像:ヤマハ発動機サイトより
積載性:メットイン+コンビニフックの使い勝手がいい!
シート下のメットインスペースは、約18Lの容量があります。
画像はジェットヘルメットを入れた例ですが、フルサイズヘルメットもよほど大きい帽体でなければ収納可能です。
実際に通勤に使ってみた際には、ヘルメットの頭が入る空間を上手く使ってレインウェアとブーツカバーも入ってしまいました。
またフロントポケットも大きくて、500mlペットボトルを2本収納可能でした。
グローブやタオルなんか入れとくにも便利そうですよね。
コンビニフックもとても便利です。ハンドル下とシート下の2か所に装備されています。
通勤バッグを下げたり買い物袋を下げたりなど、積載用ボックスなどと違って出し入れが面倒でないのもいいですよね。
当然フラットな床面なので、荷物も置きやすいです。
日頃はカブで通勤する私も、こういうスペースがあるのが非常に羨ましくなりますね。スクーターもいいなあ・・・
灯火類もほぼ共通、安全に配慮されてます
灯火類は、ウインカーレンズの色やヘッドライトリフレクターの色が違うなど多少の差はありますが、基本的には共通の装備です。
リヤスポイラーのあるZRは、ストップランプにLEDを採用したハイマウントタイプのものを追加装備しています。
フロント、リヤともにウインカーは横側にレンズが回り込んでいて、前後方だけでなく側方の車両からも視認しやすい形状/発光となっています。
制限速度が30km/hで四輪などに追い抜かれるケースが多く、また車体が小さくなかなか視認されにくい原付スクーターにとっては、こうした安全上の配慮も安心できるポイントですね。
給油口は車体後部でシート開閉の面倒いらず
給油口は車体後部の外付けされたタイプです。給油ためにシート開閉をする必要もないので面倒いらずですね。
車体も低いので満タンを確認するために覗くのもラクな位置です。
ただし後部に荷物を積載してしまったときには、いったん荷物を降ろしてから・・・ということにもなるので給油と荷物積載の順番は考えたいですね。
容量は4Lあります。今回の試乗では40km/l近くの燃費を記録したので、150km程度の航続距離がありそうですね。
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バッテリー電圧低下時の始動用にキックも装備
しばらくエンジン始動させていなかった時など、バッテリーの電圧が低下してセルスターターが回らない際に備えて、始動用のキックも装備されています。
ただし極端に電圧が低下したり完全放電してしまった場合は、燃料ポンプが動かないためキックでも始動ができなくなってしまいます。
押しがけもできないスクーターは、バッテリーの状態には気をくばりたいところですね。
装備の違い:スポーティなZRと、実用性重視のデラックス
ジョグZRとデラックスの違いは、ひと言でいうと装備だけです。
基本的な車体デザインやエンジン、使い勝手などは共通なので、どちらを選んでもしっかりとした基本性能や利便性があります。
装備の違いをいくつかご紹介。
まずはフロントブレーキキャリパーの色です。
どちらもベースとなったジョグのドラムブレーキから、ディスクブレーキへとアップグレードされています。
原付とはいえ、いざという時の効きの安心感はありますね。
またホイールはどちらもベースモデルの鉄製からアルミ製にアップグレードされています。
そしてリアサスペンションにも違いがあります。
ZRはリザーバータンク付きのスポーツマインド溢れるもの。少し固めの乗り心地もスポーツスクーターの証しでしょうか。
一方でデラックスはベーシックなタイプのサスペンションです。
そしてメーターも基本機能は共通ですが、ZRはスポーティな文字盤でデラックスとの差別化を図っています。
外観上の大きな違いは、ZRのLEDストップランプ搭載のリアスポイラーと、デラックスがリヤキャリアを装備している部分です。
ZRはスポーツスクーターの象徴とも言うべきリアスポイラーを、グッと上に向かった角度で装着。ある種のヤンチャっぽさと若々しさをアピールしています。
一方でデラックスは、より実用上のメリットを増やすためにリヤキャリアを装着しています。大きな荷物があるときは重宝しそうですね。
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大人1人が乗るのに十分なスペースのシート
原付の行動範囲はそれほど広くないことを想定してるとはいえ、シートのスペースは十分確保されています。
足つきも平均的な体格の方ならベタ足で、男性でも足元には余裕があるでしょう(画像のスタッフは身長170cm)。
ただし180cm以上の体格になってくると、膝の曲がりが厳しいのとハンドルが低いので、疲れる乗車姿勢になってしまうそうです。
想像以上に良く走る水冷4ストエンジン
2000年代後半に排気ガス規制が強化されたため、これまでのパワフルな2スト原付は姿を消してしまいました。
それと比べると出力で半分程度の4ストエンジン車両を「どうせすごく遅いんでしょう?」とみていたのは事実です。
それが今回の試乗では、制限速度まではあっという間に到達する4ストエンジンの想像以上の走りに楽しくなりました。
燃費がいいことや、静粛性が高いことなど4ストエンジンのメリットを考えれば、これでちょうどいいと思える性能です。
さすがに上り坂のスタートなど、アクセル全開にしないと上らない(筆者の体重85kg)シーンもありましたが、普段の走行では、慌てず騒がず原付ならではの走行を楽しむことができました。
まとめ
ジョグシリーズの基本性能や使い勝手は、日頃からバイクに乗るものにも満足できるものでした。
私が原付免許を取った時代(25年前)にも、こういったみんなが納得できるモデルを初めての購入車両として選んでいたら、もっと両親を説得するのが簡単だったろうなと思います(笑)
SR400やセローなど、ヤマハはいいものを長い期間かけて熟成していく「ロングライフデザインが得意」というイメージがあるメーカーですよね。
このジョグも初代の発売から35年を迎えようとする中で、同様に日本の原付スクーターを代表する車種なっているのも納得できますよね。
ぜひその品質と使い勝手を味わってみてください。
撮影協力:ヤマハ発動機株式会社
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