
日本の誇り。
それは日本には世界に名だたるバイクメーカーが4つもあり、しかもそれぞれがスーパースポーツと呼ばれる最速のカテゴリーで世界中のライダー垂涎のモデルをラインナップしているということだ。
各メーカーは、このカテゴリーにMotoGPやスーパーバイク選手権(SBK)、全日本ロードレース選手権(JSB)や鈴鹿8耐といった最高峰のレースで培った技術を惜しみなくフィードバックさせ毎年進化させ続けている。
今でこそKTM、BMW、アプリリアといった海外メーカーもこのカテゴリーに力を入れ、日本メーカーに比肩するモデルをラインナップしているが、レース結果などからやはり日本メーカーには一日の長があると言えよう。
スーパースポーツ(SS)は、誰よりも速くコースを駆け抜け、レースで「勝つことのみ」を目的に作られたマシンだ。
1リッターのエンジンで180馬力以上を絞り出し、パワーウェイトレシオ(1馬力あたりの車重)は1kg/PSを切る化け物だ。
クルマでもパワーウェイトレシオが2kg/PSを切る市販車は、特殊な車両以外存在しない。
その為「熟練ライダーじゃないと乗れる代物ではないのかな?」と、躊躇する声が聞こえてくるのも事実だ。
だが安心してほしい。できるだけ万人が楽しく乗れるようにフォローしてくれているのが日本メーカーの素晴らしいところなのである。
近年のモデルでは、一般道でのワインディングや高速ツーリングもしやすいように制御する電子デバイスやモードスイッチを備えており、想像以上に取っ付きやすくなっている。それに加えてスリッパークラッチ、トラクションコントロールシステムなど、スポーツライディングを楽しく・速く・安全にこなせる装備も充実してきた。
レースベース車としても使用されるSSの車体は、当然ながらサーキットで最高のパフォーマンスが出せるよう設計されており、ライディングポジションはレースマシンそのものだ。
街乗りやツーリングで使う機会が多い方は、実際に跨ったり試乗をしてから決断されたほうがいいだろう。
国内最高峰のバイクレース 全日本ロードレース選手権JSB1000クラスでは、4メーカーのワークスマシンが正に抜きつ抜かれつを繰り返し、1位~4位が国内4メーカーだったというレースは少なくない。
定められたレギュレーションの中で、各メーカーのエースライダーが搭乗したスーパースポーツマシン同士の性能差はもはやほとんど無いのかもしれない。
「手首を捻れば異次元加速」そんな世界最高品質の日本製スーパースポーツバイクは、「非日常を所有する」という魅力に溢れている。
手の届く価格で、非日常の世界をこれだけ簡単に手に入れることができるのは日本だけなのかもしれない・・・
目次
KAWASAKI ZX-10R 新車・中古車をさがす
MotoGPマシンZX-RRに用いた倍速ジェネレーターに代表する新しい技術を惜しみなく盛り込み、2004年にデビューしたカワサキSSの新たなフラッグシップモデル。
開発コンセプトに掲げる「サーキットナンバーワン」の通り、カワサキらしい硬派なモデルである。
2011年にフルモデルチェンジを行い、エンジン、フレーム、サスペンションが一新された。
予測型レースタイプトラクションコントロールシステムやパワーモード、オーリンズとの共同開発による電子制御ステアリングダンパーといった最新電子デバイスも装備している。
現行モデルでは4メーカーで唯一200PSオーバーのスペックを誇る(イギリス仕様)。
全日本ロードレース選手権(JSB)では、カワサキ チームグリーンのエースライダー柳川明選手が駆るZX-10Rが、2009年から2013年にかけてシリーズ2位~3位の成績を5年連続で残している。
また、市販車ベースの最高峰レースであるWSB(SBK)では、ZX-10Rを駆るイギリス人ライダーのトム・サイクスが2013年シリーズチャンピオンとなった。
2013年 市販車で世界一速かったバイク、それがZX-10Rであったと言っても過言ではないだろう。
YAMAHA YZF-R1 新車・中古車をさがす
ホンダCBR900RRが示した「大型バイクでも本格スポーツ走行が楽しめる」というイメージを、更に確固たるものにしたのがYZF-R1だろう。
1998年にデビューした初代R1は、「ツイスティロード最速」という鳥肌が立つような開発コンセプトが掲げられた。
よく動く足回りとロングスイングアームは路面のうねりやギャップからくる衝撃を緩和させ、その追従性としなやかなイメージで「猫足」と呼称されたことも印象深い。
他社ライバル車種と競い合うように進化を重ねたYZF-R1は、2009年モデルからクロスプレーン型クランクシャフトを採用し特色を深めた。 MotoGPマシンであるYZR-M1譲りのクロスプレーン型クランクシャフトは、位相をずらしたシャフトとすることで4つの気筒を不等間隔爆発させ、スロットルを開けた際に滑らかにトルクを得ることができる。
ヤマハYSPレーシングチーム 中須賀克行選手が駆るYZF-R1は、2008年、2009年、2012年、2013年の全日本ロードレース選手権(JSB)においてシリーズチャンピオンに輝きそのポテンシャルの高さを証明してみせた。
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HONDA CBR1000RR Firebrade 新車・中古車をさがす
スポーツ走行を求めるなら「レーサーレプリカモデル以外に選択肢が無い」という時代に、突如として衝撃のデビューを果たした。CBR900RR 大排気量・大出力エンジン+軽量ボディ、そして16インチフロントホイールが生み出す扱いやすいハンドリングは、レプリカモデルではない大排気量車でもスポーツ走行が楽しめる!ということを世に知らしめ大きな話題になった。
1992年に初期型が発売され、モデルチェンジと共に車名も CBR900RR →CBR929RR→CBR954RR と変わり、2004年からは後継車 CBR1000RRへと進化した。
CBR1000RR 2005年モデルでは、MotoGP参戦チーム「レプソル・ホンダ」 のチームカラーを施した限定車が販売されたことで人気を集めた(ウェビックの代表も当時購入していた)。
2014年モデルでは初となるSPバージョンが発表され、前後オーリンズサスペンション、ブレンボ製モノブロックブレーキキャリパーを奢っている。また国内規制に対応し、最高出力も抑えた国内仕様が正式に販売されている。
レースシーンでは、F.C.C.TSR Honda 秋吉耕佑選手が、2010年、2011年の全日本ロードレース選手権JSB1000クラスを連覇した。また、2013年の鈴鹿8耐では #634 MuSASHi RT ハルク・プロのCBR1000RRがレースを征し、8時間00分01秒でチェッカーを受けるというドラマティックな優勝を飾ったことは記憶に新しい。
SUZUKI GSX-R1000 新車・中古車をさがす
1980年台から発売されたGSX-Rシリーズは、軽量なボディに加えてコンパクトで耐久性のある油冷エンジンを武器にレプリカブームの渦中で実力を発揮し続けた名車だ。
エンジンが油冷から水冷に変更された1993年以降の1100ccバージョンはツアラーとしての性格が色濃くなったが、2001年、ファン待望のスーパースポーツ「GSX-R1000」として復活した。
2007年モデルでは、エンジンの出力特性をハンドルのスイッチで切り替える機構をいち早く採用し注目を浴びた。
また、他社3メーカーのライバル車種が揃ってセンターアップマフラーを採用していた時でも、一度もそれを採用することがなかったところにもスズキならではの確固たる自信が感じられる。
国内レースでは、ヨシムラ・スズキや加賀山就臣選手率いるTeam KAGAYAMA により多く使用されたGSX-R1000が、鈴鹿300km耐久、鈴鹿8耐、全日本ロードレース選手権JSB1000クラスなどで絶大な人気と好成績を収めたことはもはや言うまでもないだろう。
2011年を最後に世界最高峰オートバイレースであるMotoGPから遠ざかっていたスズキだが、2015年に並列4気筒エンジンを積んだマシンでの復帰が発表されており、GPマシンから市販車へフィードバックされる技術が増えることは確実。今後も目が離せない。
◆【ZX-10R(2017)】フツーに乗れちゃう?!究極のスーパースポーツ