1979年式ヤマハXS750Specialをストリートボバースタイルにカスタム。自家塗装のタンクやエングレービングを施したポイントカバーなど、個性的なスタイルに仕上げられている。今回は、このXS750Specialをご紹介する。
(トップ画像:Photo by ヒカル)
目次
XS750Specialとは?
ヤマハXS750Specialは、1978年から国内販売が始まったアメリカンスタイルのモデル。747ccの空冷4ストローク並列3気筒DOHCエンジンを搭載し、後輪への駆動にはシャフトドライブを採用している。
当時の国産大型バイクでは4気筒モデルが多いなか、3気筒+シャフトドライブという個性的な構成が特徴。独特のエンジンサウンドと乗り味も、XS750Specialならではの魅力といえる。
今回紹介するのは1979年式。そんな個性的なXS750Specialをベースに、ストリートボバースタイルへとカスタムしている。
購入のきっかけはGX750
オーナーであるTaichiさんがXS750Specialに興味を持つようになったのは、数年前のこと。
同系統のエンジンを搭載するGX750を所有する友人に乗せてもらったことがきっかけだった。
空冷3気筒エンジンにシャフトドライブというマニアックな作り。そして、独特の音と乗り味に惹かれたという。
その後、5年ほど大型バイクから離れていたが、今年、病気による入退院を経験。
「一度きりの人生、乗りたいバイクに乗らないと後悔すると思って」
そう思ったタイミングで、ヤフオクに出品されていたXS750Specialと出会い、即決で購入した。
Instagram「Taichi」
https://www.instagram.com/taichi_xtrastray750sp
36年間眠っていた車両
購入後、このXS750Specialには驚きの過去があることが分かった。
平成2年にナンバー返納されて以来、実に36年間眠っていたのだ。
Taichiさんの生まれは平成3年1月。
つまり、自分が生まれる直前から、このバイクはずっと眠っていたことになる。
「自分が生きている間ずっと眠っていたバイクということに衝撃を受けました」
長期間保管されていた車両だけに、納車までには整備も必要だった。
キャブレターはフルオーバーホール。すべてのオイル類を交換し、錆びていたブレーキディスクなどのパーツも交換した。
こうして整備を終え、36年間眠っていたXS750Specialは、再び元気に走り始めた。
旧車感を残したストリートボバースタイル
カスタムの方向性は、ストリートボバースタイル。
周囲にチョッパー乗りが多いこともあり、ラビットバーやプラグホルダー、携行缶など、チョッパーテイストのアイテムも取り入れている。
一方で、灯火類や純正キャストホイールはあえて変更せず、XS750Special本来の旧車らしさも残した。
現代的に作り変えるのではなく、1979年式という車両の雰囲気を活かしながら、自分らしいスタイルに仕上げている。
ホンダ・スティードのタンクを自家塗装
カスタムの中でも特に目を引くのが燃料タンク。
ホンダ・スティード純正タンクを加工して取り付け、塗装はすべて自家塗装で仕上げている。
ツートンカラーをベースに、あえてストロボカラーを一部に取り入れ、黒の塗装が剥がれて下から別の色が出てきたような雰囲気をイメージした。
さらに、カラーの境界には五線譜をモチーフにしたデザインを配置。
楽器メーカーとしても知られるヤマハらしさを、さりげなく取り入れた隠れたこだわりだ。
家紋と音叉マークを組み合わせたポイントカバー
もうひとつのこだわりが、ポイントカバー。
デッドストック品を入手し、バイク仲間のヒカルさんにエングレービングを施してもらったという、こだわりのパーツだ。
デザインのモチーフにしたのは、家紋の「向かい鶴」。
そこにヤマハの音叉マークを組み合わせ、オリジナルデザインに仕上げた。
自分だけのデザインを考え、それをヒカルさんに形にしてもらったポイントカバーは、XS750Specialの中でも特にお気に入りのひとつ。
既製品を取り付けるだけではなく、仲間とのつながりも詰まった、自分だけのパーツに仕上げている。
Instagram「ヒカル」
https://www.instagram.com/hikarusr400
カスタム詳細
・タイヤ:前後DIRTMAN ビンテージブロック
・タンク:ホンダ・スティード純正タンクを加工して装着
・タンク塗装:自家塗装
・ポイントカバー:デッドストック品、エングレービング by ヒカル
・キックペダル:SR用真鍮ペダル
・ブレーキペダル:GX750用
・シート:白バーチカルタックロールTTシート
・マフラー:2本出しキャブトン(右2in1/左1)
・ハンドル:ラビットバー、セルフカット
・グリップ:白の樽型
・ミラー:キジマ製クランプミラー
・油温計:RR社 車種専用油温計
・吸気:パワーフィルター化
・プラグホルダー:3連タイプ
SR用の真鍮キックペダルはブレーキペダルとの干渉があったため、別型のGX750用ブレーキペダルに交換している。
こうした現物合わせの工夫も、旧車カスタムならではの楽しみだ。
すべての出会いが、この一台につながった
このXS750Specialには、車両そのものだけではなく、ここに至るまでの5年間のバイクライフも詰まっている。
以前はハーレーに乗っていたものの、諸事情により手放すことになった。
その後、TWのDIYカスタムで遊ぶようになり、そこから「みんなの単気筒」の朝活ミーティングにも参加。
そこで仲間と出会い、国産旧車に興味を持つようになった。
さらに、仲間たちのバイクやカスタムから刺激やインスピレーションを受け、それが今回のXS750Specialのスタイルにもつながっている。
「ハーレーを泣く泣く手放してから、TWのDIYカスタムで遊んでいなかったら、ミンタンさん(筆者)の朝活に参加して、みんなと出会うこともなく、国産旧車に興味を持つことも、カスタムの刺激やインスピレーションを受けることもなかったと思います」
「この5年間のすべての出会いのおかげでできたバイクです」
そう話すTaichiさん。
このXS750Specialは、単にヤフオクで見つけたバイクをカスタムしたものではない。
これまでのバイクとの付き合い、仲間との出会い、そして自身のバイクとの向き合い方の変化。
そのすべてがつながって完成した一台なのだ。
「何これ?」と聞いてもらえるのが嬉しい
空冷4ストローク3気筒にシャフトドライブという個性的な車体構成。
そこに、自家塗装のタンクやオリジナルのエングレービング、ラビットバーなどを組み合わせたXS750Specialは、街中でも目を引く存在だ。
「何これ?って聞いてもらえるのが嬉しいし、褒めてもらえるのも嬉しいですね」
個性的なバイクだからこそ、そこから会話が始まり、新しい出会いにもつながっていく。
そして、これからTaichiさんがやってみたいのが、このXS750Specialでさまざまな場所へ旅をすること。
36年間眠っていた1979年式XS750Special。
ようやく走り始めたこの一台が、これからどんな場所を走り、どんな出会いを生み出していくのか。
これからのバイクライフが楽しみな一台だ。
Instagram「みんなの単気筒」
https://www.instagram.com/minnano_tankito
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