昨日インドで発表されたヤマハYZF-R2。その詳細が発表された。注目は新開発の204cc・DOHC水冷単気筒エンジンで、26.5psのパワーはYZF-R15(155cc)の19psを大きく上回り、しかも電子制御スロットルに上下クイックシフターと電制も充実。クラスを大きくリードする豪華装備が自慢だ。

〈概要&装備〉200cc級とは思えぬ満載艦!

YAMAHA YZF-R2

 

インドで世界初公開されたヤマハYZF-R2/M。現地では一般的な所得でも手の届くプレミアムクラスとして、200cc前後の排気量帯が人気を博している。ヤマハはこのクラスに水冷155ccのYZF-R15を持ち、販売でも長らくクラスをリードしてきたが、実質的な後継機となる204ccのYZF-R2により、R15が築いた地盤をより強固にすることを狙う。

そのデザインは最新YZF-R系の流れを汲むスポーティかつシャープなもの。M型ダクト内にプロジェクター式LEDライトを仕込み、両脇にやはりLEDのアイラインを配したルックスは兄貴分のYZF-R25/R3に通じるものだ。

面白いのはスチール製ダイヤモンドフレームの丸パイプを露出している点。YZF-R系は鉄製でもプレスフレームだったり、パイプでもカバーでプレス風に見せることが多かったが、やや古典的な丸パイプをあえて見せたことで、わずかにクラシックな雰囲気も漂っているのが面白い。

YAMAHA YZF-R2M

YAMAHA YZF-R2

YAMAHA YZF-R2

 

装備面の充実ぶりもR2の特徴。スマホ連動&ターンバイターンナビ対応の5インチフルカラーTFTメーターはもう当然として、クラス初という上下双方向のクイックシフター、さらにスマートキー(R2M)、トラクションコントロール、電子制御スロットル、ストリート/スポーツ/レインの3モードを持つYRC(ヤマハライドコントロール)に前後ABSなどなど。「装備面でライバルには負けぬ!」という、ヤマハの鼻息の荒さが伝わってくる。

メーターはフルカラー液晶。6速全開で最高速度は137km/h?

3グレード中、上位2グレードに上下双方向クイックシフターを標準装備。

スポーツ性の高さが強くアピールされている。

〈エンジン〉“クラス最強”を謳う204cc単気筒

注目のエンジンは新開発の204cc水冷単気筒。YZF-R15系のOHC4バルブ+可変バルブに対し、DOHC4バルブでフィンガー式ロッカーアームを持ち、可変バルブは非装備という構成だ。ボア✕ストロークは66✕59.6mmで、R15の58✕58.7mmに対しかなりショートストローク傾向に振られている。スペック比較は以下の通り。

・YZF-R2:26.5ps/10000rpm・1.9kg-m/8000rpm(インド仕様)
・YZF-R15:19ps/10000rpm・1.4kg-m/7500rpm(日本仕様)

26.5psの最高出力をしてヤマハは“クラス最強”を謳っており、DOHCやショートストローク化も含めてスポーツ性に振ってきたことは明白。ちなみに129.9psのリッター当たり出力はR15の122.5psを大きく上回っており、12000rpmからのレッドゾーンもR15より1000rpm高い設定。圧縮比は11.5でヤマハは“高圧縮”とPRするが、これはR15の11.6とあまり変わらない。吸気音にはチューニングを施すなど、感性面も追求されているようだ。

電子制御スロットルの採用も大きな特徴。エンジンの味付けや排ガス規制対応には有利ながら、コスト的にはかさむアイテムだけに、これを200cc級に投入するのはそれなりの生産数を踏まえてのことと考えられる。このエンジンを搭載した派生機種が登場するのは間違いないだろう。

YZF-R2のエンジン概要。「Class-Leading Power」と喧伝される。

〈車体&ライポジ〉パワーウエイトレシオもクラスNo.1

フレームは新設計で、スチールパイプ製のダイヤモンド型。R15に対して2.8kg軽量化しつつ、エンジンを剛性部材として使うことで車体剛性に寄与させている。

KYB製の37mm径倒立フォーク(R15にはないプリロード調整を備える)や、リンク式のリヤサスペンションといった足回りのアウトラインはR15と共通。スイングアームはR15と同様のアルミダイキャスト製ながら“MotoGPインスパイア”なスポーティなデザインへと進化。前100/80-17、後140/70R17のタイヤサイズはR15と共通ながらリヤタイヤはラジアル化されており、フロントキャリパーにはニッシン製のラジアルマウント4ポッドを奢られる。

インド仕様の装備重量は149kgで、同141kg(日本仕様)のR15と比べると微増となるが、ヤマハではクラス最軽量を謳っており、同じくクラス最強のエンジンとの組み合わせによる5.62kg/psのパワーウエイトレシオ、これによって生み出される加速性能もクラスNo.1と説明している。

R2のフレームはスチールのダイヤモンド型。エンジンを車体の剛性部材として利用する。

フロントブレーキはニッシン製のラジアルマウント4ポッド。リヤは1ポッド。

 

810mmのシート高はR15から5mmダウン。ライポジは「R1やR6などのフラッグシップSSから着想を得つつ最適化」とされており、トップブリッジ下のハンドルバーはR15よりライダーに近づけられるなど、スポーティさを強調しつつも、快適性を損ねない程度のポジションとなっているようだ。

グレードはYZF-R1Mを彷彿させるカラーリングの「YZF-R2M(25万3000ルピー≒約42万円)」を最上位機種に、「YZF-R2クイックシフター(23万9500ルピー≒約40万円)」、STDな「YZF-R2(23万500ルピー≒約38.5万円)」の3段構え。前2車はクイックシフターを標準装備する。さらにオプションでウイングレットやシングルシートカウルも設定。現状では日本発売に関する情報はないが、YZF-R15を上回る“ちょうど良さ”を持っていそうなだけに、ぜひとも導入を期待したい。

ライポジもR1やR6にインスパイアされたというスポーティなもの。

 

YZF-R2M:スマートキーやプリロード調整可能な前後サス、専用カラー/エンブレム、調整式レバーなどを備える最上位グレード。

 

YZF-R2 Quick Shifter:racing-blue

YZF-R2 Quick Shifter:Matte White Pearl

 

YZF-R2(STD):Dark-Bluish-Gray

YZF-R2(STD):metallic-black

 

オプションのウイングレットは950ルピー(約1590円)という驚きの価格。

インドでの発表会にはヤマハの設楽元文社長も参席。インド市場への入魂ぶりが伝わる!

ヤマハYZF-R2・主要諸元(インド仕様)

・全長✕全幅✕全高:1980mm✕700mm✕1140mm
・軸間距離:1340mm
・シート高:810mm
・装備重量:149kg(R2Mは150kg)
・エンジン:水冷4サイクル単気筒DOHC4バルブ 204cc
・最高出力:19.5kW(26.5PS)/10000rpm
・最大トルク19.1N・m(1.9kg-m)/8000rpm
・燃料タンク容量:12L
・変速機形式:常時噛合式6段リターン
・ブレーキ(F/R):シングルディスク/シングルディスク
・タイヤサイズ(F/R):100/80-17/140/70R17

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