2026年8月16日、富士山麓・朝霧高原スタックランドファームオフロードコースで「第53回朝霧高原スクランブル大会」が開催された。

40周年を迎えた今年。筆者は昨年に続き1963年式のSUZUKI SPORTS80K11「セルペット」で朝霧クラスに参戦!

ところが、前日のゲリラ豪雨で大会事務所が浸水するほどの大雨に……。

今年40周年を迎えた朝霧高原スクランブル大会

40周年大会、いざ朝霧クラスへ!

1966年以前の車両を中心に、当時のスタイルで走る「朝霧クラス」は、朝霧高原スクランブル大会の名物クラスだ。

真夏に革ツナギを着て、60年以上前のバイクで、岩場や急勾配のある不整地を走る。

……正直、どう考えても普通のモトクロスより過酷である。笑

今回の相棒は、昨年と同じ1963年式のSUZUKI SPORTS80K11、通称「セルペット」。

実はこのバイク、私にとっては少し特別な一台だ。

第51回大会で朝霧クラスに初挑戦した際、当時のチャンピオン車両だったこのセルペットを譲っていただいた。

そして昨年、このバイクで初めて朝霧クラスを走り、まさかの3位入賞。

今年は40周年という節目の大会で、もう一度このセルペットと走ることになった。

昨年は表彰台に上がるという出来過ぎな結果だっただけに、今年はどうなることやら……。

Instagram「朝霧高原スクランブル大会」
https://www.instagram.com/asagirikougenscramble

↓昨年の記事はこちら
"コスプレ"モトクロスレース?第52回朝霧高原スクランブル大会「朝霧クラス」を走ってみた

私の愛車SUZUKI SPORTS 80K11(1963年式)

昨年はこの車両で奇跡の?3位入賞!

しかし、今年の朝霧は甘くなかった

大会前日。

朝霧高原をゲリラ豪雨が襲った。

あまりの雨に、大会事務所が浸水するほど。

そして迎えた大会当日。

コースには、前日の雨をたっぷり含んだ泥が待ち構えていた。

ただでさえ、朝霧のコースは普通のモトクロスコースとはひと味違う。

岩場あり、アップダウンあり、狭いセクションあり。

そこへ大量の泥が加わる。

まさに「スタックランドファーム」という名前そのもののコンディションだ。

昨年も十分に過酷だった。

でも今年は……

「これ、本当に走れるの?」

というレベル。笑

コース内の様子(こちらをタップでYouTubeへ)

前日のゲリラ豪雨で荒れたコースを確認する参加者

前日は冠水していた駐車スペースも、当日朝には水はひいていた

いよいよ「朝霧クラス」スタート!

スタート前。

エンジンを暖めながら周囲を見渡すと、今年も60年以上前のバイクたちがずらり。

SUZUKI、HONDA、YAMAHA、BRIDGESTONE、TOHATSU、そしてFUJI……。

現代のモトクロッサーとはまったく違う、個性豊かなマシンが同じスタートラインに並ぶ。

そして、40周年大会のスタート!

通称「赤とんぼ」と呼ばれる1955年式のYAMAHA YA-1が多数参加!

こちらは公道ではまずお目にかかれない…日米富士自転車株式会社製「ビリヤスE型」

第1ヒート、なんとか5位でゴール

スタートしてみると、やっぱり泥がすごい。

タイヤは滑る。

バイクは前に進まない。

そして、セルペットは1963年式。

現代のオフロードバイクのような強烈なトラクションも、軽快なサスペンションもない。

ライダーが頑張れば頑張るほど、バイクが「そんなに無理させないでください」と言っているような気がする。笑

それでも、昨年の経験がある。

無理に速く走ろうとせず、転ばないことを最優先。

泥の状態を見ながら、アクセルを開ける。

足を出す。

バランスを取る。

そして、また進む。

そんなことを繰り返しながら、なんとかチェッカーまでたどり着いた。

第1ヒートは5位。

まずは無事にゴールできたことにホッとした。

革ツナギに手作りのタスキゼッケンという…コスプレスタイルが本クラスの正装
Photo by @164.oji

決死の表情で走る私…第1ヒートはなんとか5位でゴール

第2ヒート、朝霧の洗礼を受ける

そして第2ヒート。

ここからが本番だった。

コースコンディションは相変わらずの泥。

特に滑りやすい登りでは、少しでもラインを外すと一気にグリップを失う。

慎重に進んでいたつもりだった。

……が、やっぱり朝霧はそんなに甘くない。

ズルッ!

バイクが滑った。

そして、そのまま転倒。

地面に足をついて踏ん張ろうとするも、足がズブズブと泥の中に埋まっていく……。笑

自力ではどうにもならず、マーシャルの方に助けていただき、なんとかリスタート。

昨年は2ヒートとも転倒せず完走できたが、今年はついに朝霧の洗礼を受けてしまった。

泥まみれになりながらバイクを起こす。

「もう、これ以上は無理かも……」

そう思いながらも、再び走り出す。

こういうところが、朝霧高原スクランブル大会の怖さであり、面白さなのかもしれない。

一番路面状態のマシなゴール前でも転倒者多数…
Photo by @164.oji

上級ライダーも転倒し泥だらけ…

速さだけではない、朝霧というレース

普通のレースなら、速く走ることが一番。

もちろん朝霧もレースなので、速いライダーは速い。

でも、この大会にはそれだけではない魅力がある。

60年以上前のバイクを、今の時代にもう一度泥だらけにして走らせる。

当時のスタイルで着飾ったライダーたちが、笑いながら、そして本気でコースを攻める。

そして、走り終わればみんな同じ泥だらけ。

年齢も、バイクのメーカーも、速い遅いも関係なく、「古いバイクで走る」という一点でつながっている。

大会の主旨にもある「同好者の輪と和を広げる」という言葉が、まさにこの場所にはある。(朝霧高原スクランブル実行団)

80歳を超えるベテランライダーも華麗な走りをみせる!

表彰式ではライバル同士が笑顔で称え合う姿も!

40年続いてきた理由

1986年に始まった朝霧高原スクランブル大会。

今回で第53回、そして40周年。

40年間という時間の中で、バイクも、ライダーも、時代も変わった。

それでも、古いバイクを走らせたい。

仲間と一緒に楽しみたい。

そんな気持ちは、今も変わらない。

むしろ、60年以上前のバイクが現役で泥の中を走っている姿を見ると、「旧車」という言葉だけでは表現できないものを感じる。

これは単なるレースではない。

古いバイクを「保存する」のではなく、「走らせる」。

その文化を40年間守り続けてきたことこそ、この大会の一番すごいところなのかもしれない。

レース前に仲良く談笑する選手達

ハードなコースとは裏腹に、ラジオ体操から始まり、地元の名産品のお土産もたくさん用意されている、アットホームなイベント

来年も……出るのか?

第2ヒートで転倒し、泥まみれになり、身体もバイクもボロボロ。

ゴールした瞬間は思った。

「もう来年は出なくていいかな……」笑

でも、しばらくすると不思議とまた走りたくなる。

今年もこうして朝霧を走ったことで、改めてこの大会の楽しさを感じることができた。

たぶん来年も……

また「出たくない」と言いながら、エントリーしている気がする。笑

40周年を迎えた朝霧高原スクランブル大会。

50年、60年と、この場所で古いバイクたちが泥だらけになって走り続けてくれることを願いたい。

そして私も、もう少しだけこの「ドMな遊び」に付き合ってみようと思う。

来年もまた、朝霧で会いましょう。

40周年。次の10年も、この景色が続きますように。

Instagram「みんなの単気筒」
https://www.instagram.com/minnano_tankito

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コメント一覧
  1. 匿名 より:

    ぽえむ?

  2. のぶこ より:

    参加した人しか分からない、ずっと関わってきたからやっぱり楽しい•••が伝わりました。暫く地元の草レースから離れてましたが、見学&お手伝いから復帰しようかしら。

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