レトロで可愛いフォルムが人気のホンダ「モンキー125」と「ダックス125」。どちらも排気量125cc、価格は同じ49万5000円ですが、バイクとしての乗り味や必要な免許、使い勝手には意外なほど大きな違いがあります。
当記事では、これら2台のどちらを買うか迷っている初心者に向けて、走行性能やタンデムの可否、航続距離などの違いを徹底解説。「自分にはどっちが最適なのか」がすぐわかる比較ガイドをお届けします。

スタイルはオマージュした名車を再現

両モデルは、それぞれスタイルが異なりますが、それは元祖となるバイクが違うからです。

どちらも、昭和の名車をオマージュしているので、昔からのバイク好きならご存じでしょうが、モンキー125は1967年に登場した「モンキー(Z50M)」、ダックス125は1969年に誕生した「ダックスホンダ」を源流としています。

いずれも、50ccのレジャーバイクと呼ばれるジャンルに属し、コンパクトに折りたためることで、クルマに載せて運べるレジャーバイクとして世界的な大ヒットを記録しました。

ホンダ・モンキー125

ホンダ・モンキーZ50M(1967年)

ホンダ・ダックス125

ホンダ・ダックスホンダ(1969年)

ちなみに、モンキーは、元々、遊園地の子供用アトラクションとして誕生した乗り物を公道向けにした仕様です。モンキーに続くレジャーバイク第2弾として販売されたダックスホンダは、胴長で低重心な姿がダックスフンドに似ていることから命名。後にダックスの車名に変更されました。

両モデルは、そんな名車たちのフォルムを再現しつつ、最新装備をまとって現代に復活させたことが共通点です。いずれも、排気量を125ccに拡大し車体も大型化したことで、元祖たちのようにクルマへの積載はできなくなりました。でも、レトロで小粋な雰囲気を継承した、現代版レジャーバイクという点は同じです。

なお、両モデルのボディサイズやシート高、車両重量などは以下の通りです。

【モンキー125】
全長1710mm×全幅755mm×全高1030mm
シート高776mm
車両重量104kg

【ダックス125】
全長1760mm×全幅760mm×全高1020mm
シート高775mm
車両重量107kg

車体はダックス125の方がやや長いですが、そのほかのサイズはほぼ同じ。車両重量も両モデル共に軽いため、駐車場などでの取り回しも楽なことがうかがえます。また、低めのシート高で足つき性がいいことも同様で、初心者でもかなり扱いやすいバイクたちだといえます。

運転できる免許が異なる

一方、両モデルは、運転できる免許に違いがあります。

モンキー125:「小型限定普通二輪免許」以上のMT車が運転できる免許
ダックス125:「AT小型限定普通二輪免許」以上のAT限定免許でも可能

モンキー125は、排気量125ccまでのすべてのバイクに乗れる小型限定普通二輪免許か、それ以上のMT(マニュアル・トランスミッション)車を運転できる二輪免許が必要です。一方、ダックス125では、AT(オートマチック・トランスミッション)車限定のAT小型限定普通二輪免許でも運転ができます(AT限定普通二輪免許やAT限定大型二輪免許でも可)。

これは、排気量は同じでも、モンキー125がクラッチとシフト操作で変速するMT車(5速ギア)なのに対し、ダックス125は、変速時にクラッチ操作が不要な自動遠心クラッチ搭載車(4速ギア)だからです。

AT小型限定普通二輪免許は、免許取得の際の技能講習が、MTのバイクも運転できる小型限定普通二輪免許よりも少ない設定となっています。そのため、免許取得にかかる時間や費用を抑えることができ、より取得しやすい免許だといえます。つまり、乗る前提となる免許のハードルがより低いのは、ダックス125の方だといえるのです。

モンキー125とダックス125では運転できる免許にも違いがある

クラッチ操作の有無が乗り味も変える

両モデルのエンジンは、どちらも123cc・空冷4ストローク単気筒を搭載。最高出力6.9kW(9.4PS)、最大トルク11N・m(1.1kgf-m)といった出力のスペックも同じです(発生回転数のみ違う)。

でも、走行中の変速操作には違いがあります。

まず、5速MT車のモンキー125は、アクセルとクラッチレバー、シフトペダルを駆使することで、自分で「バイクを操る喜び」を味わえることが魅力です。ただし、それぞれの操作をスムーズかつ上手くやらないと、エンジンが急に止まる「エンスト」を起こす場合もあります。とくに、細い路地などで低速のUターンなどをやる場合、エンストすると立ちゴケしてしまうリスクもあります(車体が軽いため、足で踏ん張って立ちゴケを防ぎやすいモデルではありますが)。

モンキー125は、シルバーカラーのエンジンを搭載

一方、ダックス125は、左手のクラッチ操作が不要な自動遠心クラッチと、頻繁なシフトチェンジがいらない4速ミッションを搭載。変速時にクラッチレバーを握ったり、アクセルを戻すなどの操作が不要なため、エンストの恐れはありません。この点は、ビジネスモデルの「スーパーカブ」シリーズと同じです。

ダックス125のエンジンは、ブラックカラーを採用

ただし、極低速での車体コントロールが難しく感じることもあります。たとえば、渋滞路で10km/h以下でノロノロと走る場合、モンキー125なら半クラッチも使うことで、細かい速度調整ができ、比較的スムーズな走りをしやすいといえます。

対して、クラッチ操作のないダックス125は、アクセルワークとブレーキだけで速度調整を行うため、極低速域でギクシャクするケースもあります(ライダーの慣れや個人差もあるため、一概に言えませんが……)。

ともあれ、モンキー125は、MT車ならではの走り方に慣れてしまえば、自在に操る感覚とスポーティな走行を楽しめるのが魅力。一方のダックス125も、アクセルを回すだけで速度がのっていくスクーターとは異なり、4速のギアを使い分ける必要はあります。ただし、MT車と違いクラッチ操作がないことで、誰でも乗りやすく、しかも長距離などでも疲れにくいバイクといっても過言ではないでしょう。

実はタンデムNGのモンキー125。ダックス125は?

両モデルの大きな違いには、ダックス125は二人乗りOKですが、モンキー125は二人乗りがNGであるということも挙げられます。

どちらも原付二種クラスに属するため、道路交通法上は二人乗りもOKなクラスに属しています(原付一種は不可)。でも、もともと「一人乗り」のバイクとして設計されたモンキー125の場合、法規上の乗車定員は1名。そのため、後席のライダーが足を載せるタンデムステップは未装着ですし、シートも一人乗り仕様となっています。

モンキー125のシートまわり。タンデムステップなど二人乗り用の装備はない

一方、二人乗りも可能なダックス125は、2名乗車を考慮した長めのシートを採用。タンデムステップや後席ライダーが握るためのグラブバーなど、一般的な原付二種と同様、二人乗り用の装備を施しています。

ダックス125には、2名乗車を考慮したシート、タンデムステップやグラブバーなど、二人乗り用の装備が付いている

ちなみに、同じ原付二種でも、一人乗り用のモンキー125で二人乗りをしてしまうと「定員外乗車違反」に該当。検挙されると、以下の罰則が科せられます。

【定員外乗車違反の罰則(バイクの場合)】
反則金:二輪車6000円、原付車5000円
反則点数:1点

また、原付二種バイクに乗り、一般道で二人乗りをするには、免許取得年数が1年以上である必要があります。これに違反すると以下の罰則を科される場合があるので注意しましょう。

【大型自動二輪車等乗車法違反の罰則(バイクの場合)】
反則金:二輪車1万2000円
反則点数:2点

1回の満タンで走れる距離も違う

両モデルは原付二種なので、高速道路こそ乗れませんが、一般道を使ったツーリングを楽しむライダーも意外に多いバイクです。バイク旅を楽しむ場合、燃費や1回のガソリン満タンで走行できる距離などが気になるところですが、両モデルのカタログ上の燃費や燃料タンク容量、航続距離は以下の通りです。

【モンキー125】
・燃料消費率(WMTCモード値):68.7km/L
・燃料タンク容量:5.6L
・1回の満タンで走行できる距離:384.72km

モンキー125のメーター内には燃料計も装備

【ダックス125】
・燃料消費率(WMTCモード値):65.7km/L
・燃料タンク容量:3.8L
・1回の満タンで走行できる距離:249.66km

ダックス125のメーターも燃料計付き

上記の「1回の満タンで走行できる距離」は、両モデル共に「燃料消費率×燃料タンク容量」で計算したものです。あくまでカタログ数値上の計算なので、実際の走行では天候や乗り方などで変わりますが、基本的に燃費がよく、燃料タンクも大きいモンキー125の方が、1回の満タンで走行できる距離は長くなる傾向だといえます。

操る快感ならモンキー125、安心感ならダックス125

両モデルは、スペックや価格は同じでも、中身を紐解けばそれぞれ全く異なる魅力を持った個性派だとお分かりいただけたと思います。

バイクらしい「操る快感」やソロでのロングツーリングを楽しみたいなら、モンキー125。免許取得の手軽さやエンストしない「安心感」、そして二人乗りの利便性を求めるなら、ダックス125といったところでしょうか。

免許取得の手軽さやエンストのない安心感ならダックス125

もちろん、スペックや用途に合わせてロジカルに選ぶのもバイク選びの醍醐味ですが、趣味の相棒だからこそ「見た目の一目惚れ」で決めてしまうのも大正解。どちらを選んでも、あなたのバイクライフを最高にハッピーにしてくれること間違いなしです!

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