株式会社プロトが今年から国内導入を始めたブランド「MORBIDELLI(モルビデリ)」。その第1号がクルーザースタイルの「C252V」だ。見た目の通りロー&ロングのボディ、造形美のあるVツインエンジンを持ちつつ、排気量は250cc。誰もがこの高級感に手が届くのが嬉しい。今回はそんなC252Vの試乗レポートをお届けしたい。

⚫︎写真:山内潤也

イタリア名門ブランドが形を変えてリジェネレーション

C252V(2026)モルビデリ発の新型ミドルクルーザー。とても250ccには見えない迫力の車格、スタイルが魅力。価格は75万9000円。

モルビデリというブランドは、もともとはイタリア・ペーザロを拠点としたメーカーで、1970年代にはロードレースでの活躍で知られていた。2021年からは中国・銭江集団がその名を継承し、スクーターや小排気量モデルを欧州向けに投入していたが、近年はリッタークラスのアドベンチャーモデルやクルーザーもラインナップし、ハイスペック路線も開拓を始めている。

そんなモルビデリから日本に上陸したC252Vは、現在の同社が得意としているミドルクラスのクルーザー。エンジンは水冷249ccVツイン、出力は26PS/9000rpmとクラスでは標準的なものだが、空冷風のフィンやメッキを多用したカバー、さらに2本出しの迫力あるエキゾーストシステムを装備。電子制御にはトラクションコントロールも備えるほか、ベルトドライブを採用しているのもポイントだ。

ホイールベースは1490mmと大型バイク並み。低く構えたポジションでロー&ロングなシルエットを実現している。

ディテールにも手抜きはなく、美しい切削ホイールやフィンを見せつけたエンジン、そして倒立フォークも標準装備。クラスを超えた高級感だ。

しかし最も大きな特徴は、やはりその大柄なボディ。一見するととても250クラスには見えない迫力は、リッタークルーザーと同様の2mを超える車体長からきている。それでいて前後ホイールは16インチの小径サイズにファットなタイヤを履き、ファクトリーカスタムめいたまとまりのよいスタイル。コクピットもシンプルで、フラットなドラッグバーにデジタルの丸型1眼メーターを装備し、クラシカル……というよりスタイリッシュ。存在感のある派手なマシンと聞いて感じる、ゴテゴテした装飾の過剰さはなく、武骨な雰囲気さえ漂わせるのが、やはり"らしい"要素だ。

全体に言えるのは驚くほど高級感があるところだ。ホイールの切削面や細かなステッチが施されたシートなど、ディテールの仕上がりはビッグバイク同様の手抜きのないもので、250ccクラスにありがちなエントリーモデルという雰囲気は薄い。それどころか、クルーザーに憧れのあるライダーにとっては、十分すぎるほど必要な要素を満たしているといってよいだろう。

空冷風だがエンジンは水冷Vツイン。プッシュロッド風の造詣も施されている。出力は26PS/9000rpmを発揮。

駆動はベルトドライブで、静粛性は極めて高い。クルーザーならではのコダワリポイントといってよいだろう。

前後ホイールは16インチ。切削ホイールはクラシカルかつ存在感があり、カスタムクルーザーではおなじみの装備。

メーターはフルカラーデジタル一眼。フラットなバーハンドルとバーエンドミラーで、とにかく低いポジションとなる。

パワーはクラス相応ながら心地よいサウンド ポジションの余裕で鷹揚に走ろう

そんなC252Vに跨ってみる。足つきのよさは見た目通りだ。シートは座り心地がよいものの不必要にワイドではなく、またカバー類も邪魔をしないため、素直な足つきといっていい。シート高は690mmで、この数値は同じ250クルーザーであるホンダ・レブルと同じ。筆者の身長は165cmだが、膝には十分な余裕があり、私より低身長なライダーにも不安はないだろう。また引き起こしでは、200kgの車重を感じさせない重心の低さで、軽々と起こせるのもよいところだ。

筆者は身長165cm。ポジションは意外に素直な位置で、フォアコン気味なステップも遠すぎず。

シート高は690mmで、これはホンダ・レブルと同じ。足つきのフィーリングは似ているが、その個性はもちろん全く異なる。

シート高はレブルと同じながら、しかし全く違うのがライディングポジションだ。C252Vはフォワードコントロールを採用しており、ステップ位置はかなり前方。ペダル類も高く、腰を引いた姿勢となる。それでいてワイドなドラッグバータイプのハンドルは遠く、必然的に胸を開き、低く構えた姿勢となる。このスタイルはいかにもスポーツクルーザーといった感覚だが、ステップの距離はほどよいため、足をつっぱったり、腰をひどく曲げたりする無理な体勢にはならない。

走り出すと、加速感やパワーは250なりとはいえ、心地よい振動ともに加速していくフィーリングは楽しいもの。長いサイレンサーのおかげで排気音は落ち着いているが、低音の響きはライダーにもしっかり伝わってくるため、ゆるやかに流していてもハッキリ感じることができる。そしてクルーザーでは気になる操作性は思った以上に素直だ。ホイールベースの長さを感じさせない旋回性もあり、台湾チェンシン製のタイヤはグリップも良好。重い車重にも関わらず軽快な切り替えしが可能で、このあたりはクラス相応の扱いやすさだ。

ルックスの存在感とコントローラブルな操作性が両立するモルビデリ・C252。現行の250ccクラスクルーザーでは唯一といっていい重厚なスタイルが琴線に触れるライダーは、必ず存在するだろう。

ほどよい鼓動感と車体の軽さで運動性能は十分。ロングサイレンサーのおかげでサウンドはややおとなしめに感じる。

MORBIDELLI C252V(2026)主要諸元

・全長×全幅×全高:2,230×865×1,090mm
・軸間距離:1,490mm
・最低地上高:173mm
・シート高:690mm
・装備重量:200kg
・エンジン:水冷4ストロークSOHC4バルブV型2気筒 249cc
・最高出力:19kW[26PS]/9,000rpm
・最大トルク:25N・m[2.5kgf・m]/5,500rpm
・燃料タンク容量:15.5L
・変速機形式:常時噛合6速リターン
・ブレーキ形式(F/R):油圧式シングルディスク/油圧式シングルディスク
・タイヤサイズ(F/R):130/90-16 M/C 67P / 150/80-16 M/C 71P
・販売価格:75万9000円

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コメント一覧
  1. 匿名 より:

    ドライブベルトが劣化して交換時期を迎えた時に果たして部品が出るのだろうか?

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