■文:中村浩史 写真提供:ACTIVE https://www.acv.co.jp/

発売以来、大人気のCB1000F。徐々にオーナーの手にも行き渡り始めてた今は「ちょっとここを……」という意見も出てくる時期でもある。ハイパープロ、ゲイルスピードなど数々のカスタムパーツを開発販売するACTIVEが、その「ちょっと」を対策したデモバイクに試乗する機会を得た。

またがった瞬間から「あれ? 違う」と気付かされる

発売以来、大人気のCB1000F。ホンダ・フリーク待望の、名車CB-Fをオマージュしたネイキッドで、CBR1000RRのエンジンをベースとしながらも凄過ぎないパフォーマンスも好評だ。販売中のストリートファイタースタイルを持ちCB1000Fのベースとなった兄弟車・CB1000 HORNETより穏やかなパワーで、CB1300 SUPER FOURより50kgも軽い車体もいい。

CB1000 HORNETとほぼ同等の車体、重量は数kgだけCB1000Fの方が重いのだけれど、不思議とCB1000Fの方が軽量にすら感じる。パッと乗ってすぐに素性の良さがわかるところもCB1000Fの魅力だが、乗り込むにしたがって、やはり少しの違和感を持ち始めるオーナーも多いようだ。かく言う筆者も、ノーマル車もカスタム車も、短期間にかなりの距離を乗り込んで、思うことも生まれた。

「私は、初めてCBに乗って、街乗りをしてツーリングに出て『足まわりがちょっと不安、接地感が感じられない』と感じたんです。今回のCB1000Fベースのカスタムはまず、そこを改良する方向で仕上げてみました」とは、アクティブ開発部の宇田さん。

アクティブでは、カスタムの素材になる車両について、実際に走り込んでからカスタムの方針を決める。そこで宇田さんが感じた印象が、足まわりの動きだった。

そこでアクティブでは、その足まわりをブラッシュアップして運動性能をワンランク上げることに重点を置き作業をスタート。同社お得意の手法で、前後ホイール、フロントフォークのインナーキット、リアショック、スイングアームを交換。ブレーキまわりもローター、キャリパーともにグレードアップしている。

「とにかくもっと車体を動かしたい。オーナーさんの乗り方や体格に合わせて調整できる仕様として、不安なくロードグリップを上げる方向にしています」(宇田さん)

アクティブ開発部の宇田さん

今回の試乗の舞台は愛知県にあるSPA西浦モーターパーク。まずは一般道をイメージしてスピードを上げず、コーナー数が多く、回り込んだレイアウトのコースを周回してみる。

アクティブが手掛けたこのCB1000Fは、乗り始めにシートに跨るだけでノーマル車との違いが伝わってくる。特にリアショックがふわりと沈み、乗り心地の良さを想像させた。これは、ノーマルのバーハンドルからコンバーチブルステムキットを介してセパレートハンドルとして、ライディングポジションが大きく変わっていることも、そう感じた要因だろう。

走り出すと、加速でギュッとリアが沈み、アクセルオフできれいにフロントが沈む動きがよくわかる。さほどスロットル開度が大きくない走行でも、サスの動きは分かりやすい。動きのイメージでいえば、フロントもリアも、ギュッと沈んでゆっくりと戻る感じ。一般道での40〜50km/h程度でもわかる動きだ。

さらにスピードを上げてスロットルのオン/オフ、ブレーキングをハードにし始めると、サスのそうした動きはもっと顕著になる。乗車位置を始めライダーが動いても、タイヤはしっかり路面を捕らえ続ける。10数年ぶりに走った今回のコースでも、最初から不安なくバイクをコントロールできる車体に仕上げてあるのだ。

周回を重ねて、特にリアサスの動きが感覚についてこないシーンがあったので、ピットで宇田さんに症状を伝える。具体的にはコーナー立ち上がりでのスロットルオンの瞬間、もう少しリアタイヤを路面に押しつけたい。一瞬タイムラグの間にリヤタイヤが外に逃げようとする挙動を説明すると……。

「ではセットを少し変えてみましょう。まずは、リアタイヤへの対処としてリアサスの低速圧側減衰を2クリックかけ、そのあと重心をあげる目的で前後のプリロードをかけてみましょう」と、宇田さん。もちろん、僕の乗り方が正解なわけではないけれど、上手なライダーも、そうでないライダーも気持ちよく走れるようになるのが、ハイグレードサスペンションの利点なはずだ。

それでコースインすると、それまでの周回とは明らかに違う車体の動きを体感できる。すると今度はフロントフォークの伸び側が早く感じられるようになったから、ノーマルフォークに装備される減衰力調整で伸び側の減衰をかけてもらう。うーん、こっちは大き目に振ってもらっても分かりづらい。これはノーマルとリプレイスサスの違いなのだろうか。

一方で、アクティブCB1000Fでいちばん印象に残ったのはスイングアーム。バンクしているところからアクセルを開ける瞬間に、トラクションコントロールが介入してくるのだ。これは、宇田さんによるとスイングアームの縦剛性を上げ、横剛性を下げるような設計のため、ノーマルと相対的にタイヤの接地感がよく感じられて、いつもより早く大きくアクセルを開けているからだ、という。

バンク中にアクセルを開けるとタイヤが滑るかも……と思うレベルが引き上げられているのだという。つまり、アクセルを開けるのが怖くない、そんな足まわりなのだ。

ここまでの通り、サスペンションとスイングアームの効果を大きく感じた今回の試乗。もしサーキット走行をメインとするならば、もう少し攻めた角度(セパハンは垂れて、ステップはUP&BACK)が好みだが、アクティブがターゲットとしているワインディングでのスポーツ走行にはちょうどいいポジションだ。

前後ホイールが軽量化されていたり、パフォーマンスダンパーの効果でバランスよくレベルアップしているのだけれど、闇雲にサーキット性能を上げるだけでなく、ストリート向けに、いろんなレベルのライダーにも不安なく乗れるCB1000Fに仕上げたのがよく分かったアクティブのデモバイクだったのである。

ACTIVE CB1000F カスタムの詳細に迫る

前後ホイールは同社ブランド、GALE SPEEDのアルミ鍛造Type-J。ネオクラシックなイメージの十文字スポークキャストで、サイズはフロント:3.50-17、リア:5.50-18。純正ホイールと比べフロントで0.22kg、リアで1.98kgの軽量化が図れる。前後セット27万6100円〜。

ブレーキまわりはGALE SPEEDのクロスロックディスク(4万700円/1枚)にラジアルマウントのビレットキャリパー(6万500円/1個)の組み合わせ。マスターシリンダもGALE SPEED製ラジアルポンプVRD(5万2800円)だ。

32.5mmと35mm(純正値同等)からフォークオフセット値が選べるコンバーチブルステムキットは、今回は32.5mmのショートオフセット仕様で試乗。ステムキットは、トップブリッジ、アンダーブラケット、ハンドル、クラッチワイヤーやブレーキホースがセットになって19万8000円。トップブリッジ&セパレートハンドルのみでも購入可(11万円)。

エンジン、マフラーはノーマルのまま。CB1000Fのエンジンは低回転からのトルク型だと思っていたものの、純正のままでも中回転〜高回転の伸びも気持ちよかった! 各ギアで10,000回転まで引っ張っての加速は快感でした。

中空構造の「口の字断面」として、ノーマルよりも横剛性を落としたというスイングアーム。今回はACTIVEのもうひとつの人気商品、プレスフォーミングスイングアームよりもCB1000Fのスタイリングにマッチしているための採用だったという。

HYPERPRO製リアサスは日本の道路事情や日本人の体格にあわせたジャパンスペック。コンスタントライジングレートと呼ばれる不等ピッチスプリングを使用することで、乗り心地は軽く、高荷重時には踏ん張る設定となっている。価格は16万3900円〜。

エンジン左サイドから専用サブフレーム(価格未定)とパフォーマンスダンパー(4万4000円)を望む。パフォーマンスダンパーは車両の固有振動を抑え乗り心地を良くして、特に長距離走行で効果を発揮できるもの。各車種用をラインナップするアクティブのヒット商品だ。

あえてCB750F系のジュラ鍛セパレートハンドルを思わせる形状としたというセパレートハンドル+トップブリッジキット(11万円)。ノーマルのアップバーハンドルよりも攻めの姿勢で走りたいライダーへ。

あえてCB750F系のジュラ鍛セパレートハンドルを思わせる形状としたというセパレートハンドル+トップブリッジキット(11万円)。ノーマルのアップバーハンドルよりも攻めの姿勢で走りたいライダーへ。

いかにも空冷ネイキッド的ムードを盛り上げるアルミ削り出しバックステップキット(5万5000円)。同社製セパレートハンドルと共に理想のライディングポジションを創出する。チェンジロッド、ブレーキホース、ブレーキスイッチはノーマルをそのまま使用可能で、フルードを抜いての作業も不要だ。

飛び石などによるラジエターフィン変形やコア破損を防ぐラジエターコアガード(2万6400円〜)。CB1000FではSEタイプには標準装備されるが、STDには装着されない。両サイドまでカバーするフルジャケットタイプなのが、アクティブ製の大きな特徴だ。

純正のTFTメーター前に鎮座するサブモニターと思しきものは開発中の新型QSTARZ、GPSラップタイマー。バイク向けの小型モデルとのこと、続報を待て。

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