ファンティックのNewモデル「ステルス500」は、新設計の463㏄水冷単気筒エンジンを搭載するスポーツストリートモデル。価格は1,265,000円(税込)で、現在予約受付中だ。カラーはブラック&アシッド・グリーンとレーシングホワイト&レッドストライプの2色をラインナップ。イタリアで行われた試乗会のレポートとともに、このモデルの魅力をお届けする。

間もなくリリース! ファンティックの新型モデル


イタリアで1968年に創業して以来、ヨーロッパ、そして世界の若者を魅了するボーイズレーサーを世に送り出してきたファンティック。キャバレロに代表されるスクランブラー・モデルや、トレールモデルのXEFなどが、公道用スポーツモーターサイクルとして多くのユーザーに愛されている。

ファンティックはオフロードブランドと見られがちだが、MoroGPのMoto2クラスに5シーズンもの間参戦しており、昨年は初の世界チャンピオンを獲得しているように、オンロードのスポーツ・モーターサイクルの楽しみをよく理解しているブランドでもある。

そんなファンティックのニューモデル「ステルス500」は、最高出力45ps/8,000rpmを発揮する新設計の463㏄水冷単気筒エンジンを搭載し、車体は147kgと軽量。「ストリート」「レイン」「トラック」「カスタム」と4つのライディングモードが搭載され、各モードごとにトラクションコントロール、コーナリングABS、エンジンマップが最適化されている。

価格は1,265,000円(税込)で、輸入元のモータリストにて現在予約を受付中。カラーはブラック&アシッド・グリーンと、レーシングホワイト&レッドストライプの2色がラインナップされる。このステルス500の先行試乗に参加したドイツ人ジャーナリスト・クラウス=ネネヴィッツのレポートをお届けする。

ステルス500・イタリア試乗会レポート


ファンティックがこのモデルに「ステルス」の名を与えたのは、その衝撃的な性能が市場に予想していなかったかのような不意打ちのインパクトを与える、という意図があったからに違いない。
存在感の高いフォルム、素晴らしい走りは間違いなくしっかりと“目に焼き付く”ほどに顕在化したマシンであるのに、なぜ「ステルス」、すなわち隠密、秘匿、こっそりと、といった意味を持つ名前を与えられたのかを考えると、そんな開発陣の想いが想起されてきた。

そう、イタリア中部の素晴らしいワインディングが続くパッソ・デッロ・スピノで与えられたこの最新モデルの試乗機会は、まさに事前の予想をはるかに超えるほどの楽しさに終始する一日となった。

ヒルクライム・レースの舞台としても知られるこのツイスティなワインディングは、扱いきれるパワーを存分に発揮しながら、思うがままにこのマシンを走らせることができる、最高のシチュエーションだった。沿道にはポリツィアが配置され、私たちテスターがマシンを走らせると手を振って応えてくれる。そういう意味でも見えるマシンでのライディングなので、発売前らしい“ステルス性”は全く確保はされていなかったが、素晴らしいハンドリングを試すには最高のシチュエーションだった。

ストリート・スポーツらしい伸びのあるキャラクター

新設計のエンジンはMM460と呼ばれる、新しいキャバレロに搭載されたものと基本設計は同一ながら、ストリート向けにピストンを20g軽量化することで振動はさらに抑えられ、回転フィールは一段とスムースに進化している。最高出力は45psを8,000rpmで発揮。最大トルクは42.5Nmを7,000rpmで発生しており、キャバレロと比べてもパワー、トルク共にわずかに向上している。

ファンティックのグループ会社であり、ヨーロッパの多くのモーターサイクルブランドにエンジンを供給することでも知られる「モトーリ・ミナレッリ」の手によるこのエンジンは、実際の走行でも非常に力強い印象を与えてくれる。


トランスミッションはキャバレロから変更なし。ステルスとの相性も良好で、俊敏な走りを支える。ファイナルレシオのみややロングに設定され、ストリートスポーツらしい伸びのあるキャラクターを加えている。

気持ちよくスロットルを開けていくと、この元気な単気筒エンジンはレブリミットの9,500rpmまで一気に吹け上り、全回転域で軽快さと爽快感を演出。クラッチとシフターの操作感も非常にソフトで、冷間時でもニュートラルは容易に見つけられる。

Moto2ノウハウを活かした超軽量車体

オフロードイメージの強いファンティックなだけに、スポーツストリートは大丈夫なの? という疑問の声には明確な答えが用意されており、Moto2クラスへのレギュラー参戦はひとつの答えといえる。Moto2はシャシーもエンジンもファンティック自身が制作しているわけではないが、チームとして参戦していることから、その経験は間違いなく生産車にフィードバックされている。

車体構成を見てもそれは明らかで、頑丈なスチール製トリレスフレームがステアリングヘッドとステッププレート(ファンティックのお家芸でもあるアルミ削り出しの高品質、高剛性のパーツでもある)を結び、ここにリアフォークとサブフレームがマウントされている。軽量なアルミホイールは17インチとスポーツバイクの文法通り。マスの集中化は12Lの燃料タンクをシート下深くへと潜り込ませたデザインからも推し測れる。

年末に登場すると言われているフルフェアリング装備の「イモラ」も含めた新しいファミリーの開発にあたり、ファンティックは徹底した軽量化にも注力。車両重量(ガソリン抜き装備)は147㎏と、同クラスのライバルと比べても10〜20kg以上も軽量な仕上がりだ。

当然、この軽さは大きなメリットとしてあらゆる場面で体感できる。取り回しは非常に軽く、都市部の渋滞路でもおもちゃのように軽く扱える。用意されたワインディングでもその敏捷さは変わらず、わずかな入力で素早くバンクし、そのまま次のコーナーへ矢のように飛び込んでいく。500㏄クラスはヨーロッパではエントリーモデルだが、この楽しさはベテランライダーもうならずにはいられない。

安心感を与える足周り

この走りを支えているのは前後130㎜のストロークを持つサスペンションだ。ファンティック自身が設計し、その経験を反映してセットアップされており、調整機構こそ簡素なものの(リアショックのプリロードのみ調整可能)、実用上は全く不満のない設定だ。フロントフォークは41㎜のインナーチューブ径を持つ高剛性な倒立式で、快適性とスポーツ性を両立させた、素晴らしいセッティングが施されている。

心地よい走りに安心を提供するブレーキシステムは、フロントに大径320㎜のシングルディスクとラジアルマウントキャリパーを採用。剛性感抜群のフロントエンドは安心してフルブレーキを行うことができ、リアの230㎜系ディスクブレーキにより、延々と続く峠の下りでも、最後まで安心してブレーキを使い続けることができた。

路面との対話はピレリのディアブロロッソIVタイヤが行いますが、きわめて深いバンク角まで安心して持ち込める特性が自慢で、軽量な車体との相性も抜群。もちろん直進安定性も十分以上で、路面状態が悪いところでもラインが乱れることはほとんどなく、高速域でもイタリアン・スーパースポーツらしい安定感を維持してくれる。もちろん「アウトバーン推奨速度」まで車速を伸ばしても、その安心感は変わることがない。

取り回ししやすいエルゴノミクス

シート高は810㎜と高すぎず低すぎずで、マシンの中心にライダーをうまく配置している。1365㎜のホイールベースは実に優れたバランスで、大柄なライダーでもシート上で自由に身体を入れ替えられる。ステップバーやハンドルとの位置関係もバランスがよく、長時間の走行でも疲労は最小限。振動も少なく、エキゾーストサウンドは抑制が効いた心地よい音量にまとめられている。

エレクトロニクスは最先端で「ストリート」「レイン」「トラック」「カスタム」の4つのモードが搭載されている。各モードごとにトラクションコントロール、コーナリングABS、エンジンマップが最適化され、組み合わせに頭を悩ませる必要はない。

その一方、カスタムモードならトラクションコントロールやリアABSをカットできるため、マシンを自分自身で制御したいライダーをも飽きさせることもない。5インチのTFTディスプレイは視認性が高く、ユーザーインターフェイスも直感的でわかりやすい。USB給電ポートはステアリングヘッド直後、フレーム左側に用意されている。

満足度の高い1台に仕上げられた「ステルス500」

総評すれば、ファンティック・ステルス500はビギナーからリターンライダーまで、さらにはスポーツ志向の高いライダーであっても十分以上に楽しめる、非常に満足度の高い1台に仕上がっている。これだけの商品がこの価格で用意されるとは! 驚くほどの魅力を備えたモデルといっていい。

そう、ステルスというよりは、500㏄以下のスポーツモデルの中でも最前列グリッドに堂々と並ぶ実力派マシンであることは間違いない。今はミドルクラスでは貴重なピュアイタリアンスポーツとして、ファンティックを成功に導いていくことを願わずにはいられない。

ステルス500・主要諸元

・全長:1967㎜
・ホイールベース:1,368㎜
・シート高:810㎜
・車重:147㎏(乾燥)
・エンジン:水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ 463cc
・最高出力:45ps/8,000rpm
・最大トルク:425.Nm/7,000rpm
・燃料タンク容量:12.0L
・変速機:6速リターン
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=110/70-17、R=150/60-17
・ボディカラー ブラック&アシッド・グリーン、レーシングホワイト&レッドストライプ
・価格: 1,265,000円(税込)

<モータリスト>https://motorists.jp/

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