いよいよ日本国内のディーラーでも展示販売&試乗が開始となったトライアンフのスラクストン400とトラッカー400。今春にスペインで開催された海外試乗会の様子も踏まえて、スクランブラー400Xのオーナー目線で改めて紹介しよう。

トライアンフ400海外試乗会に参加すべく、スペイン・マラガへ

世界的にもミドルクラス排気量のモデルが増えるなか、トライアンフ400シリーズにはスラクストン400とトラッカー400のニューモデルが加わって全4モデルのラインナップとなることが発表されたのは2025年夏のこと。2024年春にスクランブラー400Xを相棒に迎えていた私はこのニュースを聞いて、スラクストン400を真剣に一度考えた。

カフェレーサーの代名詞といっても過言ではない「スラクストン」の名をもつ1200ccモデルは2024年に生産終了のアナウンスがされたわけだが、400シリーズで復活してくるとはとても興味深い。個人的な話をすると、バイクに乗り始めて5年目。40歳で大型免許まで取得したものの、技量が足りないことは自分がよく理解しており、身の丈に合ったバイク趣味を長く安全に続けようと思うとミドル排気量がちょうど良いと思っている。だからこそ、このサイズ感なら私でもセパハンがより楽しめる気がしたのだ。

そう思っていたところに、トライアンフジャパンより「スクランブラー400Xに乗っているし、新しい400の海外試乗会行ってみない?」とお声がけいただいた。向かったのは、スペインのマラガだ。

筆者はスクランブラー400Xに乗り始めて約2年。ノーマルからの変更はエンジンガードとハイマッドガードの装着、チェーン交換のみ。走行距離は1万kmほど。

スペインのホテルに到着すると、ゲストを出迎えるかのようにエントランスに象徴的に置かれていたのはトラッカー400のレーシングイエローだった。

スペイン初日の夜、企画開発やデザインのプレゼンを聞く。スラクストン、トラッカーともに由来あるモデルであり、トライアンフの過去も振り返りながらエピソードなども紹介された。

グリーンが「スクランブラー400X」、レッドが「トラッカー400」、イエローが「スピード400」、紫が「スラクストン400」のジオメトリーを示した図。

翌朝オリエンを受け、いざ試乗へ!私たちのグループは、まずスラクストン400からスタート。今回一緒に参加したインフルエンサーのAnriさん(instagram@anritocamp)と一緒に写真を撮ってもらう。

進化した「TRシリーズ」エンジン、スラクストン400はバイクとの一体感に悦

試乗記に入る前に、少しおさらいしよう。398cc水冷単気筒DOHC4バルブ「TRシリーズ」エンジンを搭載したトライアンフの400ccモダンクラシックシリーズ。初期ラインナップはスピード400とスクランブラー400Xで、今回これにスラクストン400とトラッカー400が新しくラインナップした。

この400シリーズの4モデルはそれぞれキャラクターが異なるわけだが、まず注目すべき点はスラクストン400とトラッカー400は40馬力から42馬力に進化した「TRシリーズ」エンジンを搭載していることだろう。この海外試乗の話をいただいた時に、1番自分への懸念として浮かんだのが「40馬力のスクランブラー400Xに乗っているとはいえ、42馬力となった進化に私は気づくことができるのだろうか?」だった。

そんなわけでドキドキしながら走り出したわけだが、より高回転型となったスラクストン400を試乗して早々にその疑問は消え去った。街中での低速時はシングルらしい鼓動感と扱いやすい印象は変わらないが、郊外に出てアクセルを開けたときの反応はとても爽快感があり、力強く伸びやか。400ccクラスとは思えない加速感と難しさを感じさせない好バランスに、すぐにこのバイク好きだなと痛感した。

トライアンフのスラクストン400は、クラシックな丸形LEDヘッドライトとバーエンドミラーとのコントラスト、コンパクトなロケットカウルが印象的。タイヤはピレリ製ディアブロ・ロッソ・クワトロを採用しており、速く走ることへのピュアな思いが感じられる。

トライアンフ400ccモデルで唯一のクリップオンハンドル(セパハン)を採用しているスラクストン400は、後退気味にセットされたフットペグも相まってライディングポジションは自然と前傾になる。だが、そのポジションに不安を覚える必要はない。バイクの素直な挙動とパワーデリバリーの自然さが相まって、「自分のスキルが上がったのでは」と錯覚するほどの乗りやすさをもたらしてくれた。普段乗っているスクランブラー400Xとは異なる人馬一体感が、本当に楽しい試乗だった。

今回一緒に海外試乗に参加したインフルエンサーのAnriさん(instagram@anritocamp)。身長は167cm。

トライアンフのスラクストン400の足つき

シート高は795mm。ライディングポジションはスピード400に比べて、クリップオンハンドルが40mm狭く246mm低く設定され、リヤフットペグは86mm後方・27mm上方に配置。より積極的な前傾姿勢が求められる。

ゆったり大らかな気持ちをもたらしてくれるトラッカー400

トラッカー400は、ワイドでフラットなハンドルバー、スマートなタンクシルエット、サイドのゼッケンプレートなど、アメリカンフラットトラックのDNAを率直に受け継いだデザイン。シート高は805mmと、スクランブラー400X(835mm)より30mm低い。ライディングポジションはやや前傾で、肘を外に張るワイルドなスタイル。少しばかり戸惑いを感じたが、慣れるまでに時間はかからなかった。

タイヤはピレリ製MT60RSで、オンロード主体ながらラフな路面にも対応。

スラクストン400の試乗後だったからというのもあるだろうが、トラッカー400はフレンドリーさがより感じられた。通勤や日常使いから、週末の中距離ツーリングまで幅広く対応できることを考えると、非常におすすめだ。スクランブラー400Xと比べると足着きの不安が少ないことも、幅広いライダーへの間口を広げているといえる。

今回一緒に海外試乗に参加したインフルエンサーのAnriさん(instagram@anritocamp)。身長は167cm。

トライアンフのトラッカー400の足つき

スクリーンにも400のグラフィックがあしらわれている。片側2本出しマフラーは、スクランブラーXと同じタイプを採用している。

質実剛健な英国デザインが息づくトライアンフは価格設定も魅力

個人的には、トライアンフの質実剛健な佇まいがとても好きだ。実用性と頑強さを追求しつつも、洗練された品格を失わないスタイルは、この400シリーズにも息づいている。ブランドのラインナップのなかでは価格やスペックともにカジュアルではあるが、実車を見ていただくと質感やディテールへのこだわりは他モデルと遜色がない。

レブリミットの引き上げと高回転域での出力特性の見直しにより、エンジンのキャラクターが刷新されている。最高出力は従来比で約5%向上、9000rpm(従来は8000rpm)でピークとなっている。

スラクストン400のカフェレーサースタイルを引き立てるバレットタイプのシートカウル。

400シリーズ共通のアナログスピードメーターとLCDタコメーターを組み合わせたコックピット。USB-C充電ポートも装備。

トラッカー400は、印象的な400ゼッケンと彫り込みのあるニーグリップ形状のタンクがクール。

スラクストン400、トラッカー400はともに、フロントフォークがブラックアルマイト仕上げ。新デザインのホイールで、よりモダンな雰囲気が完成。

トラッカー400はファントムブラック、レーシングイエロー、アルミニウムシルバーの3カラー展開。80万9900円(ファントムブラック)、82万2900円(他2色)

スラクストン400はファントムブラック/アルミニウムシルバー、パールメタリックホワイト/ストームグレー、カーニバルレッド/アルミニウムシルバー、メタリックレーシングイエロー/アルミニウムシルバーの4カラー展開。84万9900円(ファントムブラック/アルミニウムシルバー)86万2900円(他3色)

スラクストン400の日本での販売価格は84万9900円〜、トラッカー400は80万9900円〜。80万円台で、デザインの完成度・装備・ブランド力のあるバイクを手に入れられるというのは大きな魅力。

スピード400とスクランブラー400Xは発売から2年で世界累計15万台を売り上げた。その成功を受けて戦略的に追加投入されたスラクストン400とトラッカー400は、トライアンフ400シリーズのさらなる追い風となることだろう。そんな期待を胸に、機会を改めて私はスラクストン400で箱根を走りたいと願っている。

スクランブラー400Xもちょうど慣らしを終えた頃からエンジンがとてもよく回るようになった。新車で手に入れたら、その過程含めて味わっていただきたいと思う。

トライアンフ スラクストン400とトラッカー400は真打ち登場か!?【バイク歴5年、スクランブラー400Xに乗るオーナーレビュー】ギャラリーへ (21枚)

この記事にいいねする


コメント一覧
  1. 匿名 より:

    もし俺がスラクストン400を買ったなら、真っ先にミラーを通常の位置に変える。

    見えやすい見えにくい云々じゃなく単純にクソカッコ悪い。

  2. 匿名 より:

    モンキー&ハンターカブが50万円の今、このパッケージングで85万円てかなりのバリュープライスですね。

    インド生産とは言えトライアンフの本気度が伝わってきます。

  3. 匿名 より:

    トライアンフは車両本体価格は安いんだよね。 乗り出しは別。

コメントをもっと見る
コメントを残す

トライアンフ Thruxton 400の価格情報

トライアンフ Thruxton 400

トライアンフ Thruxton 400

新車 4

価格種別

中古車 0

本体

価格帯 84.99~86.29万円

85.64万円

諸費用

価格帯 13.78~20.18万円

18.58万円

本体価格

諸費用

本体

万円

価格帯 ―万円

諸費用

万円

価格帯 ―万円


乗り出し価格

価格帯 98.77~106.47万円

104.22万円

新車を探す

乗り出し価格


乗り出し価格

万円

価格帯 ―万円

中古車を探す

!価格は全国平均値(税込)です。

新車・中古車を探す

トライアンフ Tracker 400の価格情報

トライアンフ Tracker 400

トライアンフ Tracker 400

新車 2

価格種別

中古車 0

本体

価格帯 80.99~84.99万円

82.99万円

諸費用

価格帯 16.18~17.78万円

16.98万円

本体価格

諸費用

本体

万円

価格帯 ―万円

諸費用

万円

価格帯 ―万円


乗り出し価格

価格帯 98.77~101.17万円

99.97万円

新車を探す

乗り出し価格


乗り出し価格

万円

価格帯 ―万円

中古車を探す

!価格は全国平均値(税込)です。

新車・中古車を探す