ホンダは3月20日に開幕した大阪モーターサイクルショーにて「CBR400R FOUR・Eクラッチコンセプト」を世界初公開した。昨年9月の中国・重慶ショーで発表された「CBR500R FOUR」の国内版で、ホンダとしては36年ぶりに新登場する直4・400ccフルカウルスポーツだ。具体的なスペックなどは未公開だが、現時点で判明している情報をお伝えしていこう。
目次
ホンダの新型400cc4気筒、開発の主軸はCBR
ホンダから久々の直4・400ccフルカウルスポーツが登場した。昨年9月に重慶ショーで発表されたCBR500R FOURの日本仕様となる「CBR400R FOUR Eクラッチコンセプト」だ。
同時登場のCB400スーパーフォア・Eクラッチコンセプト(以下CB400SFコンセプト)に話題が偏りがちだが、車体やエンジンを共用する今回の2台で、開発の主軸となったのは実はこちら。中国の若年層に向けた400〜500ccクラスのフルカウルスポーツがまずは企画され、その派生機種としてネイキッド版が開発されたのだという。
ちなみにホンダから直4・400ccのフルカウルスポーツが登場するのは1990年のCBR400RR(NC29)以来、なんと36年ぶり。ただし、後述するがCBR400R FOURはレプリカやスーパースポーツではない。スポーツ性と万能性を併せ持っており、CB400ファミリーにラインナップされてきた“スーパーボルドール”に近い存在と言える。
初心者にも扱いやすい、オールラウンドスポーツ400
現状ではCB400SFコンセプトと同様、CBR400R FOURもコンセプト車という扱いのため、オフィシャルの情報はほとんどない。ホンダのプレスリリースに載っている情報も以下の一文だけだ。
そのため、以降の解説はWebikeプラスが開発者からの取材で得た情報とお断りしておく。
まずは車両のコンセプトだが、“RR”を名乗らない車名からも想像できるように、CBR400R FOURはカリカリのスーパースポーツではなく、オールラウンドな性能を持つフルカウルスポーツという立ち位置。現行の4気筒400ccフルカウルといえば77psを発揮するカワサキのニンジャZX-4Rだが、そちらとはだいぶスタンスが異なる。
これはCBR400R FOUR(の中国仕様であるCBR500R FOUR)のメインターゲットである中国の若年層に起因する。彼らはバイクをコミュニケーションツールの一つと捉えており、性能やスピードにはあまりこだわらないのだという。そこでホンダは、彼らの初めての1台となりうるCBR400(500)R FOURをにオールマイティな乗りやすさを与え「若いライダーに今後10年、20年と、乗り続けてもらう入り口となるバイクを目指した」という。
そのコンセプトはルックスからも伝わるだろう。カウルの面構成は金属加工機で削り出したようなシャープさを持ち、ワイドなLEDヘッドライトもレーシーさよりも高級感や質感の高さが印象的だ。これもきらびやかなフルカウルスポーツを好むという中国のユーザー層を意識したもので、サイドパネルの造形など、太陽光の当たり方で表情が大きく変化する点も特徴である。
共通の車体構成を用いながらフルカウルとネイキッドを造り分けるにあたり、開発陣は費用対効果を加味しつつ、各々に求められる特性を追求しており、エンジンの基本特性や前後のサスペンション設定などは共通だ。
そこで、開発の流れとは逆になるが、以降はCB400SFコンセプトに対し、CBR400R FOURがどんな違いを持つのかをレポートしていこう。
前傾姿勢を生むハンドル位置と専用シート
ステップ位置はCB400SFコンセプトと共通設計だが、ハンドルポジションを変更することで、CBR400R FOURはやや前傾姿勢となるライディングポジション設定。もちろんコンセプトを踏まえ、ガチガチの前傾姿勢とはしていない。
シート高は2車で同一(数値は非公開)だが、股下にあたる部分を2気筒並みにスリムに絞り込むことで、前傾姿勢に伴う着座位置の変化に対応するとともに、ライダーの自由度を向上させ、より幅広いユーザー層をカバーできる設計となっている。
独自装備のラムエアで高回転の伸びを追求
搭載されるエンジン本体はCB400SFコンセプトと同一で、500cc版からはボア・ストロークの両方を変更して400cc化されているのも同じ(詳細な排気量は非公開。詳細はCB400SFコンセプトの記事参照)。しかしCBR400R FOURでは専用装備としてラムエアが追加されており、スポーツモデルらしい高回転域での伸びを実現しているという。
ただし、吸入口の造形はスタイリングを加味した設計で、極端な過給効果を狙ったものではない。スペック上の出力数値もCB400SFと同等に落ち着きそうだ。車名通り、Eクラッチはもちろん装備されており、電子制御スロットルと併せてより緻密な連携制御が予測される。
排気システムでは、サイレンサーの形状をフルカウルスポーツに見合うデザインへと変更。エキゾーストパイプはCB400SFコンセプトとほぼ共通だが、サイレンサーとの接続部分は調整が施されている。また、フルカウルを装備したことで得られる空力特性も走行性能に寄与しており、CBRのスポーティな走行特性に見合う操縦性がもたらされている。
デザイン性を重視した専用シートレール
ダイヤモンド型のメインフレームの基本構造や剛性はCBR/CBで共通化だが、シートレールは個別に仕様変更されている。CB400SFコンセプトがタンデムや積載といった実用性を意識し、水平基調のテールデザインを採用するのに対し、CBR400R FOURは鋭く跳ね上がるリアカウル造形の実現にこだわっており、そのデザインを成立させるため、2台のシートレールはそれぞれ専用形状とされている。
サスペンションについてはフロントにKYB製、リアに中国ローカルメーカー製のショックユニットを採用、セッティングも含めてCB400SFコンセプトと同一だ。しかし、CBR400R FOURは前傾したライディングポジションでフロントタイヤの分担荷重が増加しており、これが空力特性と組み合わさることで、フロントの接地感やハンドリングはCB400SFコンセプトと異なるスポーティな特性に変化しているという。
Eクラッチ“専用”もあり得る?
CB400SFコンセプトの記事でも触れたが、CBR400R FOURも価格や発売時期は未定。ただし希望を込めてCB400SFコンセプト(の市販版)を100万円切りと予測すると、CBRはEクラッチ仕様で105〜110万円といったあたりか。いずれにせよライバルのニンジャZX-4R(117万7000円〜)よりは身近なプライスとなるだろう。
MT仕様の存在も気になるが、これは今回の取材では回答を得られず。あえて言わないということは…。CB/CBR650Rやレブル250はEクラッチ車の販売割合が8〜9割に達しているそうだから、今回の4気筒400ccエンジン車は“Eクラッチ車のみ”という設定もありえるかもしれない?
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