ホンダは3月20日に開幕した大阪モーターサイクルショーにて「CB400スーパーフォア・Eクラッチコンセプト」を世界初公開した。昨年9月の中国・重慶ショーで発表された「CB500スーパーフォア」の国内版で、CB400SFとしては2022年の生産終了以来、4年ぶりの復活となる。現状ではコンセプト車であり、具体的なスペックなどは公開されていないが、現時点で判明している情報をできる限りお伝えする。

⚫︎写真:山内潤也/ホンダ

従来型比で2桁の軽量化を達成!

ついに注目の“新型スーパーフォア”が姿を現した。昨年9月に重慶ショーで500cc版が発表された際には恐ろしいほどの注目度を集め、Webikeプラスの記事も圧倒的なページビューを獲得した。その後も記事を作るたびに注目度の高さを感じてきたが、それはあくまでも500cc。ついに待望の日本仕様・400cc版の登場である。

待ち望んだ実車の印象は非常にシャープでいて、かつ400ccらしい軽快さも感じさせるもの。“ザ・スーパーフォア”と言える、期待を裏切らないデザインも好ましいものだが、出るところは出て、かつ絞る部分はぎゅっと絞られた豊かな抑揚が印象的だ。その絞り込まれたスリムさもあり、従来型よりも軽そうに見えるのだが、実際に車両車重は2桁もの軽量化を達成しているという(詳細は後述)。

HONDA CB400 SUPER FOUR E-Clutch Concept

HONDA CB400 SUPER FOUR E-Clutch Concept

HONDA CB400 SUPER FOUR E-Clutch Concept

車名の通り、現状ではコンセプトモデルとされているため、詳細な内容やスペックについての説明は一切なく、ホンダからの公式発表も以下のわずかな文章にとどまっている。

CB400 SUPER FOUR E-Clutch Concept は、 「Next Stage CB “すべての瞬間が、楽しさにつながる”」を開発コンセプトに、 「さまざまなシーンで乗っていて楽しいスタンダードネイキッドスポーツ」を目指しました。初代「CB400 SUPER FOUR(1992 年)」からの系統を受け継ぐ、汎用性の高いジャパニーズネイキッドスタイルを採用し、歴史ある CB のプロダクトブランドを進化させました。(ホンダのプレスリリースより転載)

というわけで、以降はWebikeプラスが開発者から聞いた内容をベースに、CB400スーパーフォア Eクラッチコンセプトの概要を説明していこう。

燃料タンクは豊かな抑揚とシャープなエッジが多用された、非常に表情豊かな造形。ワイドな左右への膨らみからの、4気筒とは思えないほど絞り込まれたタンク後端部に注目して欲しい。

500からボアとストローク、両方を変更

まずは先行発表済みのCB500SFと、今回のCB400SF・Eクラッチコンセプト(以下CB400SFコンセプト)の違いだが、基本的にはほとんど変わらない。倒立フォークやリヤの1本サス、ダイヤモンドフレームといった車体構成はそのまま継承されており、衆目を集めている四角い液晶メーターも500と共通。今回の取材車両がまとっていたシルバーの、いわゆるスペンサーカラーも全く同じだ。

外観で分かる違いはサイドカバーの車名ステッカーくらいで、あとはタイヤの銘柄程度。500で台湾のCSTだったタイヤは、CB400SFコンセプトではピレリ・ディアブロロッソ4とされているが、市販版では変わる可能性もありそうだ。

HONDA CB400 SUPER FOUR E-Clutch Concept

HONDA CB400 SUPER FOUR E-Clutch Concept

HONDA CB400 SUPER FOUR E-Clutch Concept

こちらは昨年9月の重慶ショーで発表されたCB500スーパーフォア。カラーリング含め、外観上の差はほとんどない。

CB400スーパーフォア Eクラッチコンセプトはピレリのディアブロロッソ4を履く。

CB500スーパーフォアのタイヤは台湾チェンシンの1ブランドであるCST。

注目はやはりエンジンの違いだろう。CB500SFも現状では502ccという排気量やDOHC4バルブ、6段ミッション(Eクラッチ)程度しか発表されておらず、ボア・ストロークや最高出力も未公開。400cc版は詳細な排気量すら未公開だが、500cc版からはボアとストローク、その両方が変更されているという。

これは400cc版として、日本のユーザーが求める特性に最適化した結果とのこと。コスト的にはボア、またはストロークだけ変更した方が有利だろうが、そうした手法は採っていないわけだ。カワサキが900ccのZ1を、国内仕様のZ2として750ccに排気量ダウンさせた際のエピソードを彷彿とさせる。

気になる最高出力も未公開だが、開発者の話からして従来型CB400SF(NC42)の56psを超えるのは確実。しかし史上最強のヨンヒャク・カワサキ ニンジャZX-4Rの77psを超えるほどのハイスペックではなさそうだ。日本のスタンダードネイキッドとして、もっとオールラウンドな性能を目指しているという。

HONDA CB400 SUPER FOUR E-Clutch Concept

この並列4気筒エンジンはNC42とは異なる完全新設計。刷新の理由は厳格化する排ガス規制への対応と、現代に求められるスタンダードなスポーツネイキッドとしての性能を根底から見直すためという。

具体的な内容はやはり語られなかったが、外観から分かるのはエンジン前後長を短縮するためのメイン3軸(クランクシャフト/メインシャフト/カウンターシャフト)の三角形配置やサイドカムチェーンの採用(NC42はセンターカムチェーン)、ダウンドラフト化&電子制御スロットルの採用、オイルフィルターの位置変更など。

その上で特筆すべきはホンダの最新技術「Eクラッチ」を設計段階から織り込んでいる点だ。従来はクランクケースの右側に配置されていたユニットを90度傾けてケース背面に配置し、エンジン左側からプッシュロッドでクラッチリフターを押す構造を採用。これによって従来型Eクラッチからは格段に進化した、エンジンと自然な一体感を持つレイアウトを実現している。

CB400SFコンセプトのエンジンは、Eクラッチを前提に設計。配置の工夫で張り出しはジェネレーターカバー同等に収められている。

こちらは従来型CB400SFのエンジン。クランクシャフトとメインシャフトの位置関係に注目。

CB400SFコンセプトではクラッチの位置(=メインシャフト)が大きく上に移動されている。

VTECは非採用だが「音」は楽しめる!

従来型CB400SFの代名詞であった可変バルブ機構「ハイパーVTEC」は、新型では採用が見送られている。これは現代の道路事情や一般的なツーリングの速度域において、その恩恵を実感できるシチュエーションが限定的であると判断されたためだ。

しかし、ハイパーVTECによる“可変する楽しさ”がCB400SFの個性だったことは開発陣も承知しており、新型ではライダーの感性に訴える「吸気サウンド」の作り込みに注力している。従来のサイドドラフト→ダウンドラフト吸気となったことでエアクリーナーボックスがタンク下の配置となり、吸気音をライダーに聴かせやすいレイアウトになったことも活用。エアクリーナーダクトの長さや断面積を調整することで、低中速から中高速まで、スロットル操作に応じて変化するクリアな吸気音が楽しめるという。

さらに、スロットルバイワイヤとEクラッチの協調制御によるブリッピング機能を搭載することで、あらゆる環境で並列4気筒らしさを味わえる“新次元の可変する喜び”を実現したという。

また、エンジン周辺で外観上の大きな特徴となるのが、美しいカーブを描くエキゾーストパイプ。この造形はいうまでもなくホンダの400cc並列4気筒の始祖・CB400FOURからのインスピレーションで、ホンダのオリジンを強烈にアピールする要素にもなっている。排ガス規制への対応で形状変更を迫られる局面もあったそうだが、意思をもってこのエキパイは守り抜いたという。

低・中回転域は2バルブを休止させてゆとりのトルクを発生し、高回転域では4バルブ全てを作動させ、ベストな燃焼を実現するハイパーVTEC。1999年式(NC39)に搭載されて以来、CB400SFを象徴してきたメカニズムだ。

吸気方式がダウンドラフトとなったことで、エアクリーナーボックスはタンク下へ移動。ライダーに吸気音を聞かせやすい配置を有効に活用する。

CB400SFコンセプトのエキパイは、4本を横方向に並べて集合させた、美しい取り回しを持つ。

1975年に発売されたCB400フォア。ホンダ4気筒初の集合マフラーはその流麗さでも注目を集めた。

250ccを思わせるほどの軽さ感?!

車体構成も従来型から劇的な変化を遂げている。ダブルクレードルフレームに正立フォーク、ツインショックという従来型の伝統的なパッケージから、ダイヤモンドフレーム、倒立フォーク、リンク式モノサスペンションへと刷新。これは兄弟車であるフルカウルスポーツ・CBR400R FOUR(今回はEクラッチ コンセプトとして発表)との共用を前提としつつ、CB400SFの本質を現代の技術で再構築した結果だ。

今回の大阪MCショーで初公開されたCBR400R Eクラッチコンセプト(右)。CB400SFコンセプトと基本構成を共有する兄弟モデルだ。

車体における最大のトピックは大幅な軽量化だろう。エンジンや車体を完全新設計としたことで、従来型NC42からは2桁(=10kg以上?)に及ぶ軽量化を達成しているというから驚く。さらにEクラッチの最適配置などに代表される、マスの集中化を推進するなどで、バイクを起こした瞬間に「250ccでは?」と感じるほどの軽さ感も実現しているという。

NC42を筆頭に、歴代のCB400SFは誰もが安心感を持って操れる車体能力の高さが魅力だったが、新型はその能力の飛躍的な向上が期待できそうだ。

ダブルクレードルフレームに正立フォーク、2本サスというトラディショナルな構成の従来型CB400SF(写真は最終型のNC42)。しかし長年の熟成により、その車体能力は一級品だった。

スタイリングは、長年愛されるオーセンティックなネイキッドスタイルを基調としながら、初代CB400SF(NC31)を彷彿とさせるアイコニックなエッセンスが散りばめられている。一方で、ライダーの視界に入る計器類には、スマートフォンとの親和性が高い四角いフルカラー液晶メーターが採用された。

これはメインターゲットである中国の若い世代や、これからのバイク文化を担う層を強く意識した結果。日々スマホに触れる彼らの価値観に寄り添い、並列4気筒のバイクをよりイージーに、ストレスなく楽しんでもらうためのインターフェースとして選択されている。走行モードはアーバン、スタンダード、スポーツの3つ(加えてカスタムモードも2つ用意)が設定されるが、その切り替えも液晶メーターならより直感的に行える。

四角い液晶メーターは、現時点ではネットを中心に賛否両論…といった様相。

走行モードはスポーツ/スタンダード/アーバンの3つに加え、ユーザーモードを2つ設定。レッドゾーンはNC42より500rpm低い12500rpmから。

スマホ世代もストレスなく楽しませることがCB400SFコンセプトの狙い。右ライトステーの内側にはUSB-C給電ソケットを装備する。

左スイッチボックスにはホンダのスマホ連動機能「Honda RoadSync」に対応する十字スイッチを装備。

対して右側スイッチボックスはキルスイッチ連動のセルボタンにハザードスイッチのみ。

バーハンドルはクランプ部が太いテーパーバーを採用。電子制御スロットルのためワイヤーが存在せず、右側グリップ周辺はシンプル。

1992年に登場したCB400SF・NC31型。今回登場したCB400SFコンセプトは、そこかしこにこの”初代”の雰囲気が漂う。

価格は100万円切り? 発売は今夏〜秋か

注目の価格は未定とされているが、免許を取り立ての10代から20代、30代のライダーが手に取りやすい価格設定を目指しているという。ホンダの既存ラインナップ(CBR400R:86万3500円、CB650R Eクラッチ:108万9000円)から推測するに、Eクラッチ付きで100万円を切る戦略的な価格も期待できそうだ(ちなみに通常のMT仕様については回答を得られなかった)。

発売時期についても未定だが、昨年のCB1000Fは春のMCショーで発表され、秋に発売となっている。新型CB400SFはそこまで遅くはならない、という非公式情報もあり、早ければ今夏には発売となるかもしれない。

今回の新型スーパーフォアのメイン市場となる中国では、従来型のCB400SFは正規販売こそされていないが、かなりの台数の中古車が流れており、現地ではカリスマ的な人気の“神バイク”だという。1992年の登場以来、30年に渡って進化を続けてきた“レジェンド”だからこそ得られた評価であり、昨今では希少な完全新設計が実現できた背景と言ってもいいだろう。

400ccという排気量もあり、適度なスリムさを携えた前後ビュー。丸目二灯のテールランプは、ダブルホーンを反復したデザイン?

LEDヘッドライトはローで下半分、ハイで上下共に点灯。中央にバー状のポジション灯も備える。

テールランプは丸目二灯デザイン。ブレーキを掛けるとレンズ内で3つのLEDが点灯する。

CBの象徴たるダブルホーン。中央のガーニッシュには「CB」の文字が。

フロント周りはKYB製倒立フォークに、ニッシン製ラジアルマウントキャリパーの組み合わせ。タイヤサイズは前120/70ZR17、後160/60ZR17だった。

リヤサスペンションはアルミ製スイングアームにリンク式モノショックの組み合わせ。リヤショックやドライブチェーンなどには中国メーカーのパーツも使われる。

シートは前後共に十分な面積があり、タンデム性や積載性も良さそう。テールカウルの四角い蓋は、外すとグラブバーなどが取り付けられるボルト穴がある。

フレームに打刻されていた型式は「NC70」で、これは兄弟車のCBR400R FOURも共通。ちなみに2気筒のCBR400R/NX400はNC65だ。

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コメント一覧
  1. キタキツネ。 より:

    ホントにこのメーターでいくの?、ちょっと信じられません。

  2. 匿名 より:

    「絶対にアナログメーターじゃなきゃヤダ!」とか思ってる奴wwwww

  3. 匿名 より:

    「アナログメーターじゃなきゃダメ」とは言ってないと思うよ。あくまでもメーターケースの事を言ってるんだと思うし、そもそも砲弾型メーターでもデジタルメーーに出来るんだし。

  4. GPX250Rii より:

    大ヒット間違いなく確定!!
    レンタルバイクで出たら乗ってみたいです!

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