状態の良い個体に頼らないという選択。
倉庫で眠っていた車両をベースに、Toresol Motoは“細さ”を突き詰めた。
今回はYOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW2025に展示された、HONDA GB250 CLUBMANをご紹介する。

YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW2025に展示された、HONDA GB250 CLUBMAN(製作:Toresol Moto)

GB250 CLUBMANとは?

GB250 CLUBMANは、1983年にホンダが発売した空冷単気筒250ccモデル。
英国車を思わせるクラシカルなスタイルと、ホンダらしい高い信頼性を併せ持ち、派手さよりも“乗り味”や“佇まい”を重視するライダーに支持されてきた。

細身の車体とシンプルな構成は完成度が高く、それでいて作り手の思想を受け止める余白も残されている。
カフェレーサーやトラッカーなど、スタイルを限定しない懐の深さも、GB250 CLUBMANが長く愛されてきた理由の一つだ。

ただし、多くの場合そのカスタムは、状態の良い“理想的なベース車両”を起点に語られる。
今回Toresol Motoが選んだのは、そこから一歩外れたスタート地点だった。

ベース車両は1983年式のHONDA GB250 CLUBMAN(画像:ホンダ公式サイトより)

倉庫で眠っていたGB250から生まれた一台

YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOWの会場で、派手さに頼ることなく、自然と目を引いていたのが、このGB250 CLUBMAN 。BMW R100RSをはじめとする空冷BMWのカスタムを主戦場としてきたToresol Motoが手がけた車両だ。

ベースとなったのは、たまたま倉庫に保管されていた、長年眠っていたクラブマン。
コンディションの良さよりも、
「今ある素材で、どこまで完成度を高められるか」
という問いを起点に、カスタムはスタートしたという。

制限があるからこそ、ビルダーのセンスと技術が問われる。
このGB250は、その条件を前向きに受け止めた結果生まれた一台だ。

Instagram「Toresol Moto(トレゾール モト)」
https://www.instagram.com/toresol_moto

BMW R100RSをはじめとする空冷BMWのカスタムを得意とするToresol Moto

倉庫の奥に眠っていた…今回のベース車両

「今ある素材で、どこまで完成度を高められるか」
という問いを起点に、カスタムはスタート

クラブマンで再現するボードトラッカースタイル

目指したのは、往年のボードトラッカースタイルをGB250 CLUBMANで再現すること。そのために掲げられた明確なコンセプトが、「とにかく細く」。

オリジナルで製作されたハードテールフレームを軸に、ワンオフのオリジナルタンクを組み合わせ、車体全体のボリュームを徹底的に削ぎ落としている。

フレームラインと空冷単気筒エンジンが自然に際立ち、GB250本来の軽快さと、ボードトラッカーらしい緊張感が共存するシルエットに仕上がった。

真正面から見ると…その細さに驚く!

車体全体のボリュームを徹底的に削ぎ落とすべく作られたフレーム

そのものが美しく…そして細さを際立たせているワンオフのタンク

異種パーツが生む軽快なバランス

フロント足回りにはTL125のパーツを流用し、ミニドラムブレーキをセット。
クラシカルな雰囲気を強調しつつも、全体のバランスは驚くほど軽快だ。

ひとつひとつの選択…すべてが「細さ」というコンセプトに直結しており、結果として高い統一感を生んでいる。

クラシカルな雰囲気を強調しつつも、全体のバランスが美しく完成されている

斜め後ろから見る姿は…自転車か?と思うほど細く軽く仕上がっている

軽快さを感じる一方で、人が跨った時のバランスの良さが特徴的!

カスタム詳細

・オリジナルハードテールフレーム
・オリジナルタンク
・TL125 フロント足回り
・ミニドラムブレーキ
・ステンレス輪切りマフラー

本車両の顔となる…クラシカルな雰囲気を感じるゼッケン風ヘッドライト!個人的に…参考にしたいスタイルである。

オリジナルのステンレス輪切りマフラーがワイルド感を演出

要所々々に取り入れられている革製品が全体の雰囲気をシックに引き締めている

細部を見れば見るほど…本車両の良さを感じる

素材感で魅せるToresol Motoの美学

ステンレスを輪切りにした独特なマフラーも、この車両を象徴するポイントの一つ。
装飾に頼らず、素材そのものとアイデアで個性を表現する手法は、空冷BMWで培ってきたToresol Motoの感覚が、そのまま反映されたものと言えるだろう。

作り込み過ぎない。
しかし、妥協もしない。
倉庫に眠っていたGB250が、思想と技術によってここまで研ぎ澄まされる。
この一台は、その過程を静かに物語っている。

Instagram「みんなの単気筒」
https://www.instagram.com/minnano_tankito

思想と技術によってここまで研ぎ澄まされた…Toresol Motoの美学がこの車両から感じ取ることができる

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