イタリアの老舗スクーターブランド、ランブレッタが、かつての名車「ジュニア」の名を冠した新型「Jシリーズ」を発表した。1964年のデビュー以来、最も愛された小型モデルのデザインアイコンを現代に継承しつつ、最新の水冷エンジンを搭載。125ccと200ccの2種類をラインアップし、日本では4月後半から5月にかけての発売を予定している。

往年の「ジュニア」が最新技術を纏いスターウェイブとして復活

イタリアで1947年に創業し、流麗なスタイルとスポーティーな走りで世界中にファンを持つランブレッタ。2016年のブランド復活以来、VシリーズやX、Gシリーズとラインアップを拡充してきたが、2026年、満を持して「Jシリーズ」が投入される。この新型は、1964年に登場して「ジュニア」の愛称で親しまれたモデルを現代へと蘇らせたものだ。かつてのジュニアは100ccと125ccのエンジンを持ち、ランブレッタの世界への入り口として2万台近くが販売されたベストセラーである。

今回の復活にあたり、新型には「スターウェイブ」という愛称が与えられた。これはかつて100ccモデルが「Jチェント」、125ccモデルが「Jスターストリーム」と呼ばれていた歴史を背景に、新たなペットネームとして採用されたものだ。伝統的なランブレッタのスクーターは比較的大柄な車体を持つが、Jシリーズは非常にコンパクトに設計されている。その小さな体躯にブランドのアイデンティティを凝縮したつくりは、まさにファミリーの末弟と呼ぶにふさわしい仕上がりを見せている。

ランブレッタ「Jシリーズ」が新発売。レトロスクーターの名門に新顔の登場だ。

Starwave (スターウェイブ)のエンブレム

テールランプ

伝統のメタルボディと六角形ヘッドライトが織りなす造形美

Jシリーズのデザインは、1964年当時の意匠に範をとり、すべてのラインが当時を彷彿とさせるよう緻密に作り込まれた。台形の長いサイドパネルや六角形のヘッドライト、そして前後に長くスリムなシートといった要素は、一目でランブレッタと判別できる独自のスタイルを形作っている。特にサイドビューは、長く伸びるサイドカバーと薄いシートが調和し、ブランド共通の美学を体現した。

車体構造には、ランブレッタの象徴ともいえるメタルボディを採用した。これにリーディングアーム式のダブルフロントショックを組み合わせることで、モノコックボディならではの高剛性と、オーセンティックなハンドリングを実現している。フロントショックアブソーバーはスプリングをあえて露出させる美しいデザインとなっており、細部まで作り込まれたエンジンカバーとともに、隙のない機能美を披露する。また、灯火類はすべてLED化され、六角形のヘッドライトは上位モデルよりも小ぶりにデザインされることで、Jシリーズ特有の華奢で軽快なスタイルを損なうことなく現代的な視認性を確保した。

正面

最新の水冷4バルブエンジンと日本専用の戦略的プライス

パワーユニットには、最新の水冷4サイクル4バルブエンジンが採用された。排気量は125ccと200ccの2種類が用意され、街乗りから余裕のあるクルージングまで対応する。ランブレッタは近年のXシリーズやGシリーズでプレミアム路線へのアップグレードを進めてきたが、元来は庶民的な側面も併せ持つブランドである。今回のJシリーズは、ブランドの新たな入り口として、若いファンを創り出したいという願いが込められたモデルに位置付けられている。

実用面においても、タンデムライダーのためのグリップをデザインに組み込んだリアキャリアを標準装備したほか、フロントカウルの内側には小物を収納できるグローブボックスを用意するなど、日常の使い勝手にも配慮が行き届いている。生産は3月後半から開始され、日本国内での市場導入は4月後半から5月を予定する。

注目すべきはその価格設定だ。欧州での希望小売価格は4500ユーロからとなっており、現在の為替レートでは日本円で約81万円相当に達してしまう。しかし、日本の総輸入代理店であるモータリスト合同会社は、日本市場において「最も手に入れやすいランブレッタ」を実現すべくメーカーと協議を重ねた。その結果、日本向け特別価格として10%消費税込で66万円という、戦略的な導入価格を設定した。この価格は、現在全国の正規販売店で受け付けている先行予約分については、今後の為替動向にかかわらず保証されるという。

カラーバリエーションは、ライトブルーを中心にホワイト、イエロー、ブラック、グリーン、グレーという定番色を展開。さらに、5万5000円アップのオプションとして、ホワイト/レッドやグレー/イエローといった2トーンカラーも用意される。伝統と現代技術が融合したこの新型スクーターが、日本の街並みを鮮やかに彩る日は近い。

真横

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