YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOWの会場で、派手さではなく佇まいで視線を集めていた一台がある。MOTOR FORCEが手がけたBMW R100/7「剱」だ。
細部に目を凝らすほど、密度と意図が静かに伝わってくる。今回はその魅力を備えたカスタム車両をご紹介する。
BMW R100/7とは?
ベースとなったのは1977年式のBMW R100/7。空冷OHVボクサーツインを搭載し、BMWらしい質実剛健な設計思想を色濃く残すモデルだ。華美な装飾とは無縁だが、フレーム、エンジン、足まわりの完成度は高く、カスタムベースとしても「素材の良さ」が問われる車両として知られている。
MOTOR FORCEが掲げてきたのは、フルスクラッチで作り替えることではなく、ベース車両が本来持つ魅力を際立たせるカスタム。その思想とR100/7の資質は、必然的な相性を見せていた。
コンセプトは「剱(つるぎ)」
本作のコンセプト名は「剱 Tsurugi」。MOTOR FORCE創業10周年という節目を機に製作がスタートし、日々のオーダーワークと並行しながら、約3年という歳月をかけて完成へと辿り着いた一台だ。
フロントマスクは、BMW伝統のキドニーグリルをモチーフに再構築。そこに剣道の「面」を想起させるフォルムを重ねることで、ドイツ車でありながら日本的な緊張感を纏った表情を作り上げている。和のモチーフを直接的に主張するのではなく、造形とバランスで感じさせる点に、職人としての矜持が滲む。
Instagram「MOTOR FORCE」
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引き算で研ぎ澄まされた造形美
剱のカスタムは、一見すると非常に静かだ。しかし、その静けさは情報量の少なさではない。むしろ、不要な線を徹底的に削ぎ落とした先に残った“必然だけ”が積み重なっている。
タンクからシート、テールへと続くラインは一切の破綻がなく、エンジンや足まわりとの関係性も極めて整理されている。派手な加工や過度な主張がないからこそ、素材の質感、面のつながり、寸法の美しさが際立つ。これは短期間では到達できない、経験と時間が生んだ完成度だ。
世界で評価され、横浜で結実した理由
剱は、ロンドンのBike Shed Showをはじめ、海外でも高い評価を獲得してきた。その理由は明快だ。トレンドや国籍に依存しない「造形の説得力」が、このバイクには備わっている。
そしてYOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOWでは、Best of Cafe Racerに加え、Craft of Speed’s Pickも受賞。これは単なるカテゴリー評価ではなく、「スピードカルチャーに宿る職人技と美意識」を体現した一台として選ばれた証でもある。走りを想起させる緊張感と、細部に宿るクラフトマンシップ。その両立こそが、剱が評価された最大の理由だろう。
文化として走り続ける一台
BMWの機械美に、日本の美意識を重ね合わせる。
MOTOR FORCEの「剱」は、記念碑的なショーバイクでありながら、同時に“文化として走り続ける”一台でもある。時代や場所が変わっても色褪せない理由が、このバイクには確かに存在している。
Instagram「みんなの単気筒」
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顔が個性的なだけで、他はよくあるBMのカフェレーサーだな。