カワサキモータースジャパンは、2026年モデルのZ900RSシリーズ(ブラックボールエディション/SE/カフェ)を2026年2月14日に発売すると発表した。価格は152万9000円〜183万7000円で、判明したスペックを見る限り、よりスポーティな走行性能を手に入れている模様。従来型からの変更点を中心にお伝えする。
目次
グレード展開
従来型はSTD/イエローボールエディション/SE/カフェの4グレードだったが、新型は新登場の「ブラックボールエディション」がSTDグレードとなり、ビキニカウル仕様のカフェ、オーリンズ&ブレンボ装備のSEという3グレード展開に。
価格的にはSTDで4万4000円、カフェで2万2000円、最上級のSEでは13万2000円の値上げとなっているが、この後で述べる変更点や追加装備を踏まえれば妥当と思える内容だ。
従来型はSTDに2色を展開していたが、新型は1グレード1色ずつの展開に。ブラックボールエディションは各部のブラックアウト&2トーンカラーを、カフェは“マッハ”イメージのレインボーラインを採用し、SEには同グレード初の火の玉カラーを組み合わせる。
従来型
- Z900RS(STD):148万5000円
- Z900RS イエローボールエディション:156万2000円
- Z900RS カフェ:151万8000円
- Z900RS SE:170万5000円
新型
- Z900RS ブラックボールエディション:152万9000円
- Z900RS カフェ:154万円
- Z900RS SE:183万7000円
〈エンジンまわり〉よりスポーティな設定に
948ccの排気量や73.4mm×56mmのボア×ストロークはそのままに、圧縮比を10.8→11.8に高め、カムシャフトは作用角とリフト量をそれぞれ増加(IN:248°/7.0mm→270°/8.0mm・EX:244°/7.0mm→250°/7.4mm)。さらにフライホイールマスを約10%削減するなどで高回転域のパフォーマンスを向上させている。
また、吸気ファンネル長は1/4番シリンダーを112mm→51.5mmへと短く、逆に2/3番シリンダーを150mm→151.5mmへとわずかに長くし、高回転域を強化しつつ低中速も補う。最高出力&トルクは以下の通り。
- 従来型:111ps/8500rpm・10.0kg-m/6500rpm
- 新型:116ps/9300rpm・10.0kg-m/7700rpm
マフラーはエキパイ形状を見直し、従来型より前方に張り出すレイアウトを採用。集合部直後にメイン触媒が配されるのは従来型と同じだが、小型化したチャンバー室にもサブ触媒を追加。メガホンサイレンサーは70mm延長され、内部構造や開口面積を見直すことで従来型以上の豊かな低音を響かせるという。
加えて電子制御スロットルの新採用もトピックで、これにより上下双方向のクイックシフターやクルーズコントロールの採用が可能に。スロットルバタフライは従来型のツインからシングルへと変更されている。
もうひとつ、エンジンまわりで注目したいのがギヤレシオの全面的な見直しだ。従来型より大幅にクロスレシオ化されており、2次減速比をややショート化しつつも、1速はロング、6速はショート方向へと振られている。より高回転/高出力化されたエンジンと相まって、従来型よりもギヤの繋がりが良くシャープにエンジンが吹け上がる、スポーティなフィーリングが想像できる。
新旧ギヤレシオ比較 【( )内は従来型】
- 1速=2.600(2.916)
- 2速=1.950(2.058)
- 3速=1.600(1.650)
- 4速=1.389(1.409)
- 5速=1.217(1.222)
- 6速=1.069(0.966)
- 1次/2次減速比=1.627/2.867(1.627/2.800)
こうしたエンジン/トランスミッション関係の変更は、先にモデルチェンジしたRSのベースモデル・2026年型Z900にほぼ沿った内容で、トランスミッションレシオも共通。もちろん現行排ガス規制のユーロ5+規制に適合している。
余談ながら、ホンダのCB1000Fはベース車のCB1000ホーネットからワイド化する方向にギヤレシオを変更し、エンジンの吹け上がりを長めに、じっくり楽しませるセッティングとしている。両車の考え方の相違が興味深いところだ。
〈ライポジ〉新シートで快適性を向上
ハンドルバーは形状を改めた新作で、グリップ位置は内側に50mm、下方に38mm移動。幅が狭く、より低くなったことでコンパクトなライポジを実現している。
ブラックボールエディションとSEのシートは新作の「ERGO-FITローシート」に進化。タックロール形状を見直して厚みのあるウレタンフォームを内蔵しつつ、高さを従来モデルより増すことで快適性を向上させている。シート高は従来型より10mm高くなったが、着座時の沈み込みにより足着き性は従来型とほぼ同等という(カフェのシートは従来型と同じ)。

〈電子制御〉シフターやクルコンが標準装備に
電子制御関連は大幅に進化。車体姿勢を検知するボッシュ製6軸IMUが新装備され、コーナリング中にエンジンパワーやブレーキ効力を最適制御するKCMF(カワサキ コーナリング マネジメント ファンクション)を投入。より高度なトラクションコントロールが可能になり、ABSもピッチングやコーナリング中の制御を緻密に行えるように。
上下双方向のクイックシフター(1500rpmから作動)やクルーズコントロールも標準装備されたほか、2眼の指針式メーターを維持したままスマホ連携機能も追加。エンジンキーは防盗性の高いインターナルカットに変更される。ETC2.0は従来型同様に標準装備だ。
また、SEはこれらに加え、GPS対応の前後2カメラ式ドラレコとUSBタイプCソケットも標準装備。ブレンボキャリパーやオーリンズのリヤサスを備える、Z900RSの最上級機種らしい豪華仕様となっている。また、今回のモデルチェンジでは3グレードとも、フレームやサスペンションなど車体面の仕様変更はアナウンスされていない。
〈カラーリング〉シブい“黒玉”に大注目
ブラックボールエディション
ソリッドブラックをベースに、メタリックブラックを“火の玉”カラーのグラフィックであしらった斬新なカラー。一見ブラック単色だが、光を浴びるとグラフィックが浮かび上がる。Z1をオマージュしたサイドカバーエンブレムも特徴だ。
さらにメーターベゼル/ヘッドライトリム/ハンドルバー/左右レバー/フロントフェンダーステー/ラジエーターシュラウド/ニーグリップカバー/燃料タンクキャップ/チェーン/前後ホイールをブラックアウト。サイレンサーはヘアライン仕上げとし、エンドキャップとヒートガードは小傷が目立ちにくい新開発のマットブラック塗装を採用する。
カフェ
ビキニカウル装備のカフェは従来どおり、ローハンドル&カフェスタイルの専用シートを装備。フレームがつや消しで、マフラーがヘアライン仕上げなのも同様だ。2026モデルはタンクグラフィックにマッハシリーズをオマージュしたレインボーラインを採用したのが特徴。
SE
SEとしては初採用となる火の玉カラーを採用。2018モデルのグラフィックを踏襲しつつ、オレンジ部分は彩度と明度を高め、ブラウン部分もメタリックに変更した2026 SEの専用カラーだ。マフラーは組み付け前、組み付け後、仕上げと3回に渡ってバフ処理される。
オーリンズS46リヤショックやブレンボ製M4.32キャリパー&300mmディスク、専用径のニッシン製マスターシリンダーやメッシュホースは従来型を踏襲している。サイドカバーエンブレムの「RS」部分は赤文字となる。
カワサキZ900RS ブラックボールエディション(2026)主要諸元
・全長×全幅×全高:2100×815×1135mm(カフェ=全幅845mm、全高1190mm)
・ホイールベース:1465mm(キャスター25°/トレール98mm)
・シート高:810mm(SE/カフェは820mm)
・車両重量:216kg(SE=217kg、カフェ=218kg)
・エンジン:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒 948cc
・最高出力:116PS/9300rpm
・最大トルク:10.0kg-m/7700rpm
・変速機:6段リターン
・燃料タンク容量:17L
・ブレーキ:F=Wディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=120/70ZR17、R=180/55ZR17
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