近年の技術研究と量産化による洗練で、実用性が高まってきているEVバイク。しかし現段階でも、ガソリン車に及ばない航続距離や、充電インフラの問題を完全には解決できていないのが実情だ。ところが、それらの問題を全て解決してしまう新型コンセプトモデルを、欧州の建築デザイン企業「MASK Architects」が発表した。その名は「SOLARIS(ソラリス)」、太陽光のみで発電・走行する世界初の自己充電ソーラーバイクで、充電や燃料補給を一切必要としない、夢のモビリティなのだ!

太陽光で発電し続ける構造。外部インフラに依存しない走行を実現

SOLARISの最大の特徴は、格納式の太陽光発電ウイングを備えている点にある。駐車時には翼状のソーラーパネルが円形のアレイとして展開され、効率よく太陽光を集めて発電を行う。集められた電力は大容量のリチウムバッテリーに蓄えられ、走行中の動力源として使用される。この仕組みにより、SOLARISはガソリンスタンドや送電網、商用の充電設備を必要としない。走行時も外部電源に接続することなく、静かで排出ガスのない電動バイクとして機能する。さらに、駐車中は発電装置そのものとして動作し、エネルギーをため続ける点も特徴的だ。

SPLARISは巨大なソーラーパネルで自己充電が可能な、世界初のEVバイクのコンセプトだ。

2枚の羽根のように伸びたソーラーパネルによって、バッテリーの充電や補給が不要に!

駆動には高トルクのモーターを採用し、ベルトドライブで静粛性をアップ。さらに減速時には回生ブレーキによって運動エネルギーを回収し、これも太陽光と同様に電力として再利用する。シャーシはアルミニウムとカーボン素材を組み合わせた軽量構造で、強度と取り回しやすさの両立を狙った設計となっている。ヒョウのしなやかな動きや筋肉の構造から着想を得たというシルエットは、伸びやかなフロント形状、引き締まったフレーム構造、前傾姿勢を意識した全体バランスにより、生き物のような動きを機械的な形で表現している。このデザインは見た目だけでなく、空気抵抗や構造バランスにも配慮されたものだ。

あまりにインパクトのあるパネルだが、扇のように畳むこともできる。

灯火類もキチンと備えており、角ばったLEDレンズが有機的なパネルと対比する。

アルミ&カーボンのコンポジットフレームを採用。車体構成は意外にも一般的なバイク同様だ。

現実的には…あまりにも巨大なパネルはどうなる?

解説だけを見れば、SOLARISはこれまでのEVのデメリットを大きく打破した画期的なマシンといえる。インフラが整っていない地域や遠隔地、自然環境への負荷を抑えたい場所でも使用でき、発展途上地域やエコシティ構想の中でも活躍できるだろう。とはいえ、ライダーの視点から見て最も気になるのはその巨大すぎるソーラーパネル。昆虫が羽を広げているようにさえ見えるこれは、明らかに強烈な空気抵抗になるのが明白。渋滞時はスペースをとるであろうし、畳んだ状態での航続距離にも課題は大きいだろう。このため現段階では、まだSOLARISが自由に走り回る未来は近くない。

しかし、「MASK Architects」はこれまでも自給自足&適応能力のある環境構築を掲げ、新たな生活スタイルの実現にむけた建築コンセプトを発表し続けている。SOLARISも太陽光パネルの小型化や脱着機能の改良など、現実化にむけた改良に動けるメーカーとタッグを組めば、実現も夢ではない(!?)今後の展望に期待だ。

その姿は昆虫か、あるいはポケモン的か。実際に走るシーンはぜひとも見てみたい!

MASK ARCHITECTS社はコンセプトだけではなく、様々な未来的アイデアを現実化している。写真はイタリアに建築されているツリーハウスだ。

同社の創立者でありデザイナーのオズヌール氏(右)、チーフデザイナーのダニロ・ペッタ氏(左)。

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