「FUTURE・FUNCTION・FUN」という3つの基本理念のもとにユニークな電動バイクを世に送り出しているFELO(フェロー)。現在、日本国内では軽二輪クラスの「FW07」、原付二種クラスの「F5」、「FW-03」、「CR02」、原付一種クラスの「M壱」、コンペモデルの「FW-06R」といったモデルがラインナップ。今回は、その中でも“折り畳み可能”という面白いコンセプトで作られた原付一種クラスの「M壱(エムワン)」をピックアップ!!

原付一種クラスの折り畳み式電動バイク

FELO「M壱(M1)」に乗る谷田貝 洋暁。

FELO M壱のクラスは原付一種、つまり50cc原付や新基準原付と同じクラスに属する乗り物である。日本の公道では、30km/h最高時速制限や二段階右折が課せられるクラス…であるのだが、試乗したのがクローズド環境なのをいいことにまずはフルスロットル!!

なんとしっかりカタログスペックである45km/hまで出るのである。しかも、加速具合もノロノロ、ジワジワという感じはいっさいなく、電動モデルらしくスパッと出足もよく、小気味よくトップスピードまで加速していく。スロットルに対するレスポンスも変な唐突さや過敏なところがなく、ちゃんとコミューターとして使えるレベルに仕上がっている。

FELO「M壱(M1)」に乗る谷田貝 洋暁。

驚いたのは車体の意外なしっかり感だ。この手の折り畳みできるタイプの乗り物は、どうしても折り畳みのためのギミック部分に剛性的な弱さが出て、なんだかステアリング操作に不安が出たりするものだが、左右に細かくスラロームするような走りをしたり、最高速を出してみたりしても、車体に妙な不安を感じることはない。

もちろん、スポーツモデルのような走りを楽しむようなキャラクターではないが、あくまでコミューターの本分である“移動手段”としては十分使えるようになっている。ブレーキに関しても決して“良く止まる”とか“コントロール性がいい”といったレベルではないが、法定速度で走る分には十分機能するだけの制動力が与えられている。

航続距離に関しては今回のインプレッションでは試せていないが、スタッフの話では普通に40㎞くらいは走る(カタログ数値では30km/h走行で45km)ことができるとのことなので、通勤・通学のような日常使いもできて、たまの休日には車に積んで遠出する……なんて遊び方もできそうだ。

FELO「M壱(M1)」に乗る谷田貝 洋暁。

ライディングポジション

なんせシート高が600mmと低いため、踵までべったり付くうえに膝にも相当な余裕ができる。一方のポジションは思ったほど窮屈ではなく、30分ぐらいの移動なら問題なくこなせそうな感じである。さすがに“丸1日乗っていろ!”と言われたらシートが薄くてツラそうだが。

なんせシート高が600mmと低いため、踵までべったり付くうえに膝にも相当な余裕ができる。ただしポジションは思ったほど窮屈ではなく、丸1日乗っているのは苦痛そうだが、30分ぐらいの移動なら問題なくこなせそうな感じ。(テスターは身長172cm/体重75kg)

デザインはホンダ・モトコンポをリスペクト?

下の写真はM壱ではなく、ホンダのレジャーバイク・モトコンポ(1981年)。前後8インチホイールだったり、角ばったデザインだったりと、M壱はモトコンポの電動版という感じ。しかも、電動ユニットの搭載によって“持ち運んで使う”というレジャーバイクとしての使い勝手はむしろ大きく向上している。

HONDA MOTOCOMPO(1981年)は、HONDA CITYという車に搭載されるトランクバイクとして生まれた。

HONDA MOTOCOMPO(1981年)は、HONDA CITYという車に搭載されるトランクバイクとして生まれた。

一方のFELO「M壱(M1)」は約40年後の2024年に登場。電動バイクなところが車に積むというコンセプトにぴったりだ。

一方のFELO M壱は約40年後の2024年に登場。電動バイクなところが車に積むというコンセプトにぴったりだ。

 

折り畳んで持ち運べ、ポータブル電源にもなる

M壱のユニークなところは、折り畳むことでコンパクトになり、収納や積載といったことがしやすいというところだろう。重さは49.5kgとなんとか持ち上げられるサイズ感なのでトランスポーターへの積み込みもラダー要らず。バッテリーで動く電動バイクなので横倒し積載もOKで、ガソリン車のように臭いに悩まされる必要もない。

また搭載するリチウムイオンバッテリーは取り外しての充電のほか、ACコンセントからの充電も可能。車の中にACコンセントの給電設備があれば運搬中に充電して、現地に到着したらM壱で走り出すなんて遊びもできるというわけ。なんだか夢広がりそうな乗り物である。

ハンドル、ステップ、シートなどを折り畳んだ状態のFELO「M壱(M1)」。車体に出っ張った部分がなくなり積載しやすくなる。ヘッドライト上部と車体上部の4箇所に持ち運びのための持ち手がある。

ハンドル、ステップ、シートなどを折り畳んだ状態のFELO M壱。車体に出っ張った部分がなくなり積載しやすくなる。ヘッドライト上部と車体上部の4箇所に持ち運びのための持ち手がある。

M壱の重さは49.5kg。ふたりがかりなら余裕で移動でき、1人でも積み込みのための一瞬なら十分持ち上げられる印象。車体に5箇所ある持ち手の存在が大きい。

液漏れの心配がないので横倒しでの積載もOK。もう、トランスポートする際にラダーによる積み込みも、タイダウンによる固定作業も必要ない。

液漏れの心配がないので横倒しでの積載もOK。もう、トランスポートする際にラダーによる積み込みも、タイダウンによる固定作業も必要ない。

左右のハンドルはノブ付きのボルトで固定されており、折り畳み時にはハンドルポスト内側へ収納。

左右のハンドルはノブ付きのボルトで固定されており、折り畳み時にはハンドルポスト内側へ収納。

取り外したノブ付きのボルトはウインカー上部に取り付けることで収納時のウインカー破損防止のガードも兼ねる。

取り外したノブ付きのボルトはウインカー上部に取り付けることで収納時のウインカー破損防止のガードも兼ねる。

イグニッションのツマミを反時計回りに回すとロックが外れ、上面のトレイが取り外せる。

イグニッションのツマミを反時計回りに回すとロックが外れ、上面のトレイが取り外せる。

ハンドルポスト付け根のヒンジロックを外し、ハンドルユニットを車体へと収納する。

ハンドルポスト付け根のヒンジロックを外し、ハンドルユニットを車体へと収納する。

ステップは完全に折り畳むと車体からはみ出なくなる。

ステップは完全に折り畳むと車体からはみ出なくなる。

シートは持ち上げると後方にスライドするので、フレーム内に収納する。

シートは持ち上げると後方にスライドするので、フレーム内に収納する。

電力の外部放出機能もあり、外部出力ポートに専用アダプターを差し込むことでAC100Vのポータブル電源として使える。公式発表によれば、48V 20Ah(容量960Wh)のバッテリーは50WhのノートPCなら充電19回分、13Whのスマホなら73回分。105Wのテレビなら9時間の稼働が可能。

電力の外部放出機能もあり、外部出力ポートに専用アダプターを差し込むことでAC100Vのポータブル電源として使える。公式発表によれば、48V 20Ah(容量960Wh)のバッテリーは50WhのノートPCなら充電19回分、13Whのスマホなら73回分。105Wのテレビなら9時間の稼働が可能。

筆者のホンダのN-VANに縦置き収納してみたところ。このサイズ感なら横にもう一台置けそう。

筆者のホンダのN-VANに縦置き収納してみたところ。このサイズ感なら横にもう一台置けそう。

FELO M壱のディティール

ヘッドライト、ウインカー、テールライトといった灯火類は全てLED。ヘッドライト上部には持ち手を装備している。

ヘッドライト、ウインカー、テールライトといった灯火類は全てLED。ヘッドライト上部には持ち手を装備している。

イグニッションをオンにして左スイッチボックスの起動ボタンを押すとメーターが点灯。その状態でスロットルを捻ると前へ進む。メーターにはオドの他、バッテリー残量もバーグラフと数値で表示。

イグニッションをオンにして左スイッチボックスの起動ボタンを押すとメーターが点灯。その状態でスロットルを捻ると前へ進む。メーターにはオドの他、バッテリー残量もバーグラフと数値で表示。

この手の折り畳みのためのヒンジや分割構造を持ったハンドルにありがちな変な剛性不足感は感じなかった。

この手の折り畳みのためのヒンジや分割構造を持ったハンドルにありがちな変な剛性不足感は感じなかった。

バイクと同じスロットル式のアクセルに、レバーは右がフロントブレーキで、左がリヤブレーキ。左ブレーキにはボタンタイプの簡易ロック機能もある。

バイクと同じスロットル式のアクセルに、レバーは右がフロントブレーキで、左がリヤブレーキ。左ブレーキにはボタンタイプの簡易ロック機能もある。

右のスイッチボックスに起動ボタン、左スイッチボックスにホーン、ウインカー、ディマスイッチがある。

始動は、イグニッションのツマミにメカニカルキーを刺して回してももいいが、NFCカードキーでのタッチでも始動が可能になる。

始動は、イグニッションのツマミにメカニカルキーを刺して回してももいいが、NFCカードキーでのタッチでも始動が可能になる。

ホイールサイズは前後8インチでフロントには、ワイヤー引きのディスクブレーキを搭載。出力性能に見合った制動力が与えらており、ちゃんと止まれるようになっている。

ホイールサイズは前後8インチでフロントには、ワイヤー引きのディスクブレーキを搭載。出力性能に見合った制動力が与えらており、ちゃんと止まれるようになっている。

固定装置はセンタースタンドのみでサイドスタンドは無し。ステップは後方へ可倒する。

固定装置はセンタースタンドのみでサイドスタンドは無し。ステップは後方へ可倒する。

セキュリティ機能も付いており、車体が持ち上げるなどの振動を検知するとハザードランプが付き、アラームが鳴る。

セキュリティ機能も付いており、車体が持ち上げるなどの振動を検知するとハザードランプが付き、アラームが鳴る。

モノコック式のアルミ製フレームを採用。外装のデザイン的要素も高く、左右2箇所、ヘッドライト上部には持ち手になっている。

モノコック式のアルミ製フレームを採用。外装のデザイン的要素も高い。

インホイールモーターは定格出力600W(最大出力1200W)。最高速は45km/hとのことだが、実際45kmの速度が出せた。

インホイールモーターは定格出力600W(最大出力1200W)。最高速は45km/hとのことだが、実際45kmの速度が出せた。

リヤのドラムブレーキは回生機能付き。片持ちスイングアームに油圧式のリヤショックも備える。

リヤのドラムブレーキは回生機能付き。片持ちスイングアームに油圧式のリヤショックも備える。

バッテリー上部に載せる蓋代わりのトレイ裏は小物入れになっている。

バッテリー上部に載せる蓋代わりのトレイ裏は小物入れになっている。

充電機能も内蔵されており、家庭用コンセントで充電可能。バッテリーは48V 20Ah(容量960Wh/防水性能:IPX7)で2〜3時間で充電可能。アクセサリーとして予備バッテリーやポータブル充電器も用意されている。

充電器も内蔵されており、家庭用コンセントで充電可能。バッテリーは48V 20Ah(容量960Wh/防水性能:IPX7)で2〜3時間で充電可能。アクセサリーとして予備バッテリーやポータブル充電器も用意されている。

原付一種クラスのためFELO「M壱(M1)」は1人乗り。シートは折り畳み機能優先のため快適とは言えないが、ちょっと運転するくらいなら十分使える。

原付一種クラスのためFELO「M壱(M1)」は1人乗り。シートは折り畳み機能優先のため快適とは言えないが、ちょっと運転するくらいなら十分使える。

FELO M壱 主要諸元

・全長×全幅×全高:1195×565×805mm
・ホイールベース:800mm
・シート高:600mm
・車重:49.5kg
・バッテリー容量:48V 20Ah
・バッテリータイプ:リチウムイオン(着脱可)
・定格出力:600W(最大出力 1.20kw)
・航続距離:約40km
・充電時間:2~3時間
・ブレーキ:F=ディスク R=ドラム
・タイヤ:F=3.00-8 R=3.50-8
・価格:43万7800円

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