トライアンフの伝統的な名前である「TRIDENT(トライデント)」は、2020年に660ccの並列3気筒エンジンを搭載したミドルクラスロードスター「TRIDENT 660」として復活した。それから5年、2025年10月28日に「MADE TO UPSTAGE」というキーワードと共に、新しい800ccの並列3気筒エンジンを搭載した「TRIDENT 800」が発表された。
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悲運の名車「TRIDENT」名を受け継ぐ
トライアンフの歴史に三叉槍を意味する「TRIDENT」という名前が登場したのは1967年のことで、「TRIDENT T150」は740ccの空冷OHV並列3気筒エンジンを搭載するスポーツモデルであった。この初代「TRIDENT T150」は同じイギリスの「BSA」から「ロケットスリー」としても販売された。この「TRIDENT T150」に搭載された並列3気筒エンジンは58bhp(58.8PS)と当時としてはハイパワーではあったが、1969年に登場したホンダの「ドリームCB750Four」の67PSの影に隠れ、それ以降英国製バイクは衰退の一途を辿った。
1983年に一旦工場を閉鎖したトライアンフは1990年に復活することとなり、その時に発表されたのが水冷の新しい並列3気筒エンジンを搭載した「TRIDENT 750/900」だった。しかし、日本ではネオクラシックスタイルのネイキッドモデルの人気が高い時代であり、近代的なデザインを纏ったネイキッドモデルであった第二世代の「TRIDENT」は、苦戦を強いられることとなった。
そして、2020年、新しい「TRIDENT 660」が登場し、ヘリテージデザインとモダンデザインを絶妙にミックスしたモダンクラシックモデルとなった。コンパクトで軽量な車体に81PSを発生する660ccの水冷並列3気筒エンジンを搭載した「TRIDENT 660」は、日本での価格が100万円を切っていることもあり、スマッシュヒットとなった。そして、今回発表された「TRIDENT 800」は、よりハイパワーなエンジンを搭載した660の上級モデルとなっている。
マッシブさがプラスされたネオクラシックデザイン
「TRIDENT 800」はマッシブで感じさせるネイキッドデザインを採用し、シャープな面と滑らかな曲線が融合し、堂々とした存在感とアスリートのような佇まいを創り出している。幅広で彫刻的なデザインのフューエルタンクは、流れるようにシートと洗練されたテールユニットへと繋がっていく。テールには660と異なるデザインのテールカウルが装着され、、短く跳ね上がったサイレンサーと最小限のナンバープレートホルダーが、リアビューをスリムで力強い印象に仕上げている。
各部のディティールにこだわった「TRIDENT 800」は、各部にプレミアムな仕上げを施したパーツを採用。エンボス加工されたシートロゴはさりげない高級感を演出し、印象的なゴールド仕上げの軽量鋳造アルミニウムホイールは、バイクのスタイルをさらに引き立てている。カラーは「アッシュグレー」、「カーニバルレッド」、「ジェットブラック」の3色が用意される。
パワフルなエンジンを軽量な車体に搭載
2026年モデルとして登場した「TRIDENT 800」は、新開発の798cc水冷並列3気筒エンジンを搭載。このエンジンに3連スロットルボディを組み合わせ、鋭いスロットルレスポンス、圧倒的なトルク、そして胸のすくような高回転域でのパワーを実現している。ボア×ストロークは78.0mm×55.7mmで、スペックは最高出力も84.6kW(115PS)/10750rpm、最大トルク84N・m/8500rpmとなっている。
このエンジンは中速域の力強い加速に加え、3連スロットルボディを通して重厚な吸気音を奏でる。この吸気音は、エアフローと吸気音を最適化するために再設計されたエアボックスとインテークトランペットシステムによってさらに増幅され、負荷がかかった状態では深く力強い唸り、高回転域ではトライアンフならではのトリプルサウンドが響き渡らせる。エンジン内部には、ツイスト鍛造クランクシャフト、独自のカムシャフトとバランサー、鍛造コンロッド、高圧縮ピストンなど、パフォーマンスと耐久性を最大限に高めるために設計された数々のパーツが採用されている。
このハイパワーなエンジンを支えるのは、ハイパフォーマンスなライディングのために設計されたシャシーだ。軽量フレームとアジャスタブルタイプのショーワ製サスペンションが、シャープなハンドリングを実現。シート高は810mmで、足つき性の良いスリムな形状となっており、ライダーをしっかりとホールドしてくれる。フロントには、41mm径のショーワ製倒立フォークを採用。大径ピストンとセパレートファンクションダンピングシステムを備え、コンプレッションとリバウンドの調整が可能となっている。リアにはプリロードとリバウンドの調整が可能ショーワ製のモノショックを装備し、理想的なライディングフィールを実現する。ブレーキシステムは、310mm径ディスクに4ピストンラジアルマウントキャリパーをツインで装着し、メッシュホースを採用することで強力かつリニアな制動力を発揮する。
先進の装備を満載
「TRIDENT 800」はライディングに集中できるように導く、ライダー中心のスマートテクノロジーを搭載。その核となるのは、路面状況に合わせてスロットルレスポンスとトラクションコントロールを最適化する、「ロード」、「スポーツ」、「レイン」3つのライディングモードだ。パフォーマンスを最大限に引き出す場合でも、雨天時の安心感を優先する場合でも、このシステムはライダーが常にコントロールを維持し、路面との一体感を保てるように設計されている。
高度なリーンアングル検知式コーナリングABSとトラクションコントロールは、リアルタイムデータに基づいてバンク角に応じてブレーキと出力を調整することで、コーナリング時の安定性を高める。パワーは6速ギアを介して伝達され、「トライアンフシフトアシスト」によりクラッチ操作なしでシフトアップ/ダウンが可能になり、シームレスな加速を実現する。また、標準装備されるクルーズコントロールは長距離走行時の快適性を向上させてくれる。
コネクティビティと視認性も同様に洗練されている。「My Triumph Bluetooth」システムは、左側のスイッチキューブから音楽、通話、ターンバイターンナビゲーションをシームレスに操作でき、情報は3.5インチのカラーTFTスクリーンに表示されるようになっている。また、特徴的な丸型LEDヘッドライト、一体型テールライト、オートキャンセルウインカーを含むオールLEDライティングシステムを備えている。
この「TRIDENT 800」は2026年の3月からデリバリーが始まる予定で、日本での価格は124万9000円となっている。
TRIDENT 800主要諸元(2026)
・全長×全幅×全高:2024×815×1088mm
・ホイールベース:1402mm
・シート高:810mm
・車両重量:198kg
・エンジン:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列3気筒798cc
・最高出力:84.6kW(115PS)/10750rpm
・最大トルク:84N・m/8500rpm
・変速機:6段リターン
・燃料タンク容量:14L
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=120/70-17、R=180/55-17
・価格:124万9000円
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