CP2エンジンを搭載したヤマハの本格的アドベンチャー「Ténéré 700」をベースに、よりチャレンジングな走りとロングライドを可能にする「Ténéré 700 World Raid」の2026年モデルが登場。新しいプレミアム コンポーネント、最新のテクノロジーを備え、ダカール生まれの長距離アドベンチャー ツアラーを新たな高みへと引き上げる。
目次
軽量で大容量のデュアルタンクを装備
「Ténéré 700 World Raid」最大の特徴となるのが大型のデュアルフューエルタンクで、これは左右に連結された2つのアルミニウム製燃料タンクで構成されている。この新型フューエルタンクは「Ténéré 700」比で+7Lとなる23Lの容量を持ちながら従来型よりも1.5kg軽量化され、約500kmという航続距離を実現している。
高速道路での巡航時の快適性を高めるため、2026年モデルの「Ténéré 700 World Raid」にはクルーズコントロール(3速以降は1km/h単位、10km/h単位で調整可能)が新たに搭載され、速度制限の遵守を容易にするスピードリミッターも搭載されている。
これらの改良に加え、ライダーの快適性をさらに高める新設計のウインドスクリーンと、簡単に取り外すことが可能なサイドデフレクターが、あらゆる天候下での冒険をより楽しくする高い耐候性を提供する。
新型LEDヘッドライトアセンブリはロービームとハイビームの両方で優れた照射性能を発揮。ヘッドライトの高さ調整を、TFTメーター下のネジ1本で簡単に行なうことが可能となっている。
YCC-Tを採用し、2つのパワーモードを備える
CP2エンジンのパワーを最大限に引き出すため、「Ténéré 700 World Raid」はスロットルケーブルを廃止し、YCC-T(ヤマハチップコントロールスロットル)を採用。2つのパワーモードを備えており、「スポーツ」モードではスリリングなロードライドでダイナミックなパワー伝達を実現し、「エクスプローラー」モードではオフロードセクションや濡れた路面を走行する際に、よりスムーズなスロットル反応を実現している。ライダーは、右ハンドルバーの「モード」スイッチを使用して、スロットルを閉めた状態で走行中でもパワーモードを切り替えることができるようになっている。
6軸IMUが搭載され、ピッチ、ロール、ヨー方向の加速度と角速度を常時計測し、バイクに作用する力を算出する。このデータは、マシンのリーンセンシティブ・トラクションコントロールシステム(TCS)、スライドコントロールシステム(SCS)、ABS/ブレーキコントロールシステムと同期して動作し、初心者や経験の浅いライダーをサポートし、経験豊富なライダーであればコントロールと快適性を高めてマシンを最大限に活用することが可能となる。また、ABS/ブレーキコントロールには、ABSモードを選択するための専用ボタンがあり、 ABSを「ON」にするとブレーキコントロールが作動してコーナリングABSが作動。また、オフロードに特化した「REAR OFF」および「OFF」モードでは、後輪または両輪をロックして、オフロードでの完全なコントロールを可能にする。
トランスミッションも改良され、ギアシフトがよりスムーズになっている。1速から3速までの凸型ドッグと凹型ドッグの数が5個から6個に増加し、4速から6速までのドッグ角度はスロットルの開閉に対する反応がよりスムーズになるように変更されている。デュアルパーパスなパフォーマンスと快適性を維持するためにギア比とファイナルレシオは変更されていないが、「Ténéré 700 World Raid」にはオプションのアップ/ダウンクイックシフターを装備することが可能となっている。
高性能なサスペンションとステアリングダンパーを装備
「Ténéré 700 World Raid」の車体は、よりハードなライディングに対応できるように各部が見直されている。フロントには最適な剛性を提供する新設計の高品質アルミトリプルクランプと、インナーチューブ径が従来の43mmから46mmに大径化された倒立フォークを装備。カシマコーティングによって摩擦と摩耗が最小限に抑えられ、スプリングとダンピングの仕様変更によりショック吸収性とタイヤ接地性が向上し、ライダーの快適性と安心感が向上。フォークチューブ上部にはプリロードアジャスターも装備される。
リアのKYB製フルアジャスタブルリンク式モノクロスリアサスペンションもアップグレードされ、ショックストロークの増加(+5mm~106mm)により過酷なオフロード走行におけるパフォーマンスを向上。専用設計のアームリレーとコネクティングロッドは、よりプログレッシブなサスペンション特性に貢献している。アルミシリンダーは軽量で優れた放熱性を確保し、ピギーバックリザーバータンクはオイル容量を拡張することで、あらゆる状況下でダンパーが優れた性能を発揮する。オイルチャンバーは加圧されており、ショックアブソーバー伸長時の気泡による負圧を防止している。「Ténéré 700 World Raid」のホイールトラベルはフロント230mm、リア220mmあり、標準の「Ténéré 700」に比べてフロントとリアでそれぞれ20mm長くなっている。また、最低地上高はエンジンガードで計測して255mmあり、「Ténéré 700」より15mm高くなっている。
新設計の16段階調整式ステアリングダンパーは、ライダーに幅広いフィールとフィードバックを提供し、ダンピングを調整することでオフロード走行時のサポート性を高めている。荒れた路面を走行する際や、強い横風に遭遇したりした際の衝撃がハンドルバーに伝わる衝撃がより穏やかになり、ライダーの快適性と自信が向上し、長距離アドベンチャートリップにおける疲労が軽減される。
フレームは「Ténéré 700」と共通の新開発軽量鋼管バックボーン/ダブルクレードルフレームを採用するが、リアサブフレームはメインフレームの一部として設計されており、トップケースやラテラルアルミキャリアなどのアクセサリーの装着を可能にしている。また、マフラーブラケットとバックステーは強化され、キャリアマウントボスは貫通型に進化することで堅牢性を高めている。
6.3インチフルカラー縦型TFTディスプレイを装備
「Ténéré 700 World Raid」に装備される一体型ラリーシートの新しいラインと、再設計された頑丈なサイドプロテクターは機能性に優れ、優れたエルゴノミクスとライダーの動きやすさを実現するとともに、力強くタフで、モダンなラリーシルエットとプロポーションを実現している。
コックピットは大幅にアップデートされ、新設計の6.3インチフルカラーTFTディスプレイを装備する。このプレミアムディスプレイは縦置き設計で、ライダーが座っている時も立っている時も、最高の視認性を提供する。ディスプレイには、「STREET」、「EXPLORER」、「RAID」の3つのテーマが用意されており、様々なライディングスタイルや環境に合わせて特定の情報にフォーカスを当てる。すべてのテーマで、速度、エンジン回転数、燃料レベル、平均燃費、ギアシフトインジケーター、水温、外気温、ODO、トリップメーター、時間など、重要な情報が表示されるようになっている。
カラーリングは「レッドラインホワイト」と「ミッドナイトブラック」の2色が用意されており、ヨーロッパでは順次発売される予定だが、日本への導入は未定となっている。
Ténéré 700 World Raid主要諸元(2026)
・全長×全幅×全高:2370×935×1495mm
・ホイールベース:1595mm
・シート高:890mm
・車両重量:220kg
・エンジン:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列2気筒689cc
・最高出力:54kW(73.4PS)/9000rpm
・最大トルク:68N・m(6.9kgm)/6500rpm
・変速機:6段リターン
・燃料タンク容量:23L
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=90/90-21、R=150/70-18
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