KTMが昨年、ミラノショーにて発表した新リッタースーパースポーツに、ついに市販化のアナウンスが発表された。その名は「990 RC R」、990 DUKEの兄弟機にあたる新型モデルで、並列2気筒エンジンは130PSを発揮。スタイルは従来の「RC」シリーズから刷新された、ウィングレットを備える新設計。海外では早速10月中に発売だ!
motoGP直系のスーパースポーツ! 990 DUKEエンジンをベースにスポーツライディングを極める
KTMはmotoGPにも参戦中で、世界最高峰のスポーツマシン設計ノウハウを研究し続けている。ところが従来、同社のスーパースポーツ「RC」シリーズは125、390の2モデルしかなく、大排気量モデルはラインナップされていなかった。そこに2024年秋、ミラノショーにて満を持して発表されたリッタークラスのスーパースポーツが「990 RC R」だ。詳細な仕様は明らかになっておらず、ただ「2025年初頭発売予定」とアナウンスされており、市販化が秒読みであることだけがハッキリしていた。
それから約1年、ついにこの990 RC Rの正式発売が決定した。スタイルはミラノショー時点とほぼ変化がなく、これまでのRCシリーズとは一線を画す新デザインを採用。ヘッドライトはLEDプロジェクターレンズ1灯となり、フロントマスクには高速域での安定性向上を狙った大型のウィングレットを装備。フェアリングは空力性能を徹底的に強化し、アンダーカウルにはデフレクターも備えている。さらにミラー、ウィンカーといった保安部品も最小サイズを採用、GPマシン譲りのエアロダイナミクスを全力投入した設計だ。
パワーユニットには並列2気筒947cc「LC8c」を搭載。990 DUKEと同系統のエンジンだが、よりスーパースポーツに適したチューニングが施されているといい、スペックは最高出力130PS/9500rpm、最大トルク103Nm/6750rpmを発揮する。さらに専用マッピングと新設計の吸排気系統によって、レスポンスに優れた出力特性を持つ。これを支えるフレームはスチール製だが、アルミダイキャストのサブフレームを備えており、990 DUKEとは全く異なる軽量化と剛性バランスを狙った。さらにテールでは外装パーツも剛性メンバーとして用いられており、徹底的な軽量化も図られている。
装備面では、サスペンションにはフロントにWP製APEXオープンカートリッジフォーク、リアも同社のAPEXリニアガスアシストスプリングショックを採用。いずれもフルアジャスタブルだ。メーターは8.8インチというワイドサイズのフルカラーTFT液晶モニタを備え、触覚フィードバック機能を備えるスイッチ類で多岐の電子制御をコントロールできる。ライディングモードは5種で、6軸IMU&ECU制御による高精度ライドアシスト、コーナリングトラクションコントロール、クルーズコントロール、アダプティブブレーキライト、タイヤ空気圧モニタといった先端機能は一通りカバーした。
これらのスパルタンなスポーツキャラクターとは裏腹に、KTMによれば本機のコンセプトは「極端なレーシング姿勢や競技専用設計にこだわりすぎず、公道とサーキットの両立を目指した実用的なスポーツバイク」だといい、実際にツーリング目的でも便利なナビゲーション表示機能、グリップヒーター、などの快適装備も備えている。公道でmotoGPの世界感を楽しめる、スポーツ志向のライダーにとっては必見の新モデルといってよいだろう。また、競技用のサーキット専用モデル「990 RC R TRACK」も2026年2月に生産開始がアナウンスされており、本格的なレースシーンでの活躍も期待できる。
気になる価格、そして日本発売時期は現在のところ未発表。続報を乞うご期待だ!
ギャラリーへ (20枚)この記事にいいねする




















































